はかりメーカーの大和製衡(兵庫県明石市)は、魚の脂の乗り具合を測る機器「フィッシュアナライザ」を、長崎大学水産学部(長崎市)などと共同開発した。人が使う体脂肪計と同じように、微弱な電流を流して脂肪率を求める仕組み。おいしさの指標の一つである脂の乗り具合が、食べる前に分かるため「魚のブランド化に生かせる」と漁業関係者らの注目を集めている。(長尾亮太)
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機器は長さ約18センチ、幅約8センチ、厚さ約4センチ。魚の背びれ近くに電極を軽く押し当て、ボタンを押すと、3秒で脂肪率を表示する。アジ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、マグロ-の6種類に対応する。
開発を始めたのは2010年8月。国立研究開発法人・水産総合研究センター(横浜市)の研究開発職員だった村田昌一さん(現・長崎大教授)から「出荷する魚の価格をおいしさに応じて決められれば所得が上がり、漁師らの減少に歯止めをかけられる」と共同開発を持ち掛けられた。測定原理の違う機器はあったが、価格が100万円台と高価だった。
計測方法は、人の体脂肪計と同様、微弱な電流を流し、流れにくいほど脂肪率が高いと判定する。魚の場合は電流の流れにくさと脂肪率との関係が種類によって違うため、約3年かけて実際に多くの魚の脂肪含有量を測定。電流の流れにくさとの関係を割り出した。
魚の脂肪率と味の関係については、一般に脂が多く乗って脂肪率が高いほどおいしいとされる。ただ、ほどよい脂の乗り具合が好まれるケースもある。
ことし2月に1台約14万円で発売し、これまでに300台以上が売れた。来春には対応魚種を増やす予定。同社は「食べる前の魚のおいしさが数値で分かる。漁業関係者に幅広く使ってほしい」としている。
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