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 東海地方に激しい雨と風をもたらした台風18号。9日午前10時過ぎに愛知県の知多半島に上陸し、日本海に向けて東海地方から北陸地方を縦断した。各地で浸水や土砂崩れが起こり、一時交通も混乱。学校も休校になるなど市民生活に影響が出た。

 床上浸水の被害が出た浜松市。南区若林町の主婦(74)宅では、玄関に土囊(どのう)を積んで備えたが、床上ぎりぎりまで水が迫ったという。「家の前の道路はよく冠水するが、ここまで水が迫ったのは初めて。台風の接近で、雨の音、道路にあふれた水の音が気になって眠れませんでした」

 愛知県でも、安城市や豊橋市などで道路が冠水し、通行できなくなった。南知多町山海では住宅前の道路が深さ約30センチの雨水であふれ、消防団が小型ポンプ車で排水作業にあたった。この住宅の女性は「こんなこと初めて」と困った表情だった。

 三重県伊勢市岡本2丁目の世義寺では、9日午前8時半ごろ、門の前にある山の斜面が幅約10メートル、高さ約5メートルにわたって崩れ、寺の駐車場に土砂や竹が流れ出た。

 住職の妻、竹内久仁子さん(46)が門の付近から砂利などが駐車場に流れているのを見つけ、ほぼ同時に土砂が崩れたという。竹内さんは「この20年ほどはこんなことはなかったのですが」と話した。