中田絢子
2015年12月5日06時59分
2022年度開業予定の九州新幹線長崎ルートに導入されるフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)に車両トラブルが見つかった問題で、国土交通省は4日、開発計画が2年程度遅れることを明らかにした。この影響で営業用車両の製造が遅れ、開業時に必要数がそろわなくなる見通しだという。
FGTは、線路幅が異なる新幹線区間と在来線区間を、車輪間隔を変えて行き来する車両。昨秋、九州で耐久走行試験が始まったが、車輪をスライドさせるための部品や車軸が摩耗するなどのトラブルが発生。昨年12月から試験を中断していた。
開発にあたる鉄道・運輸機構が4日、国交省の有識者会合で、高速走行により、部品に大きな負荷がかかるなどしたと報告した。部品の形状や配置、素材を変える改良が必要で、耐久走行試験の再開は早くとも来年度後半になるという。
JR九州は「開業時に営業用車両をそろえるのは困難」としている。国交省は今後、開業時の運行方法などについてJR九州や地元自治体などと協議する方針だ。(中田絢子)
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