先月30日、私がプロデューサーを務めるアイドルグループ、Qamの活動休止を発表しました。
今までプレスリリースによる公式発表以上のコメントは控えておりましたが、ここで正式にお詫びと具体的な経緯説明をさせていただくことにしました。
まず始めに今までQamを応援してくださった多くの方々の期待を裏切ってしまったこと、謝罪・説明が遅くなってしまったことに深くお詫びを申し上げます。全ては組織の代表である私の責任であり、私の経営者として、アイドルプロデューサーとして、もとい人間としての未熟さと努力不足が招いた結果であると深く反省しております。
今回の活動休止は11月前半、ほぼ私の独断により決定しました。もちろん共同制作者であるyUsUke氏に相談はしましたが、反対できるような状況では無かったと思います。
今年9月に行われた1周年記念のワンマンライブで、2016年1月に1stシングルを全国発売、2月5日に渋谷WWWでワンマンライブを行うことを発表しました。結成時からの初期メンバーである長谷川愛紗が卒業し、5人の新体制で新たなステージへ進む為に決めたことでした。正直この時はまだQamのこれからに関して楽観的な見方をしていました。
しかしそのワンマンライブの後、日々のライブでの動員が激減、売上も半分以下となってしまいました。1人や2人しか呼ぶことが出来ないライブもざらで、1年前の結成時よりも酷い状況となってしまいました。これには様々な原因が考えられますが、次の大きな目標が約半年先まで決まっていたことで、ある程度先が見えている安心感が現場の熱を奪わせてしまったのではないかと思っています。
その結果1stシングルの制作費が不足し、今後もこの状況が続くようであればWWWワンマンライブの開催も危ういという状況に陥ってしまいました。打開策を検討し、当初はなんとか資金を集め、予定通りのプランを実現できる様に動こうとしていました。
金策に動いているうちにとある経営者の方から「目先のことに熱くなりすぎているから状況を俯瞰し、冷静に判断するべきではないのか」といった助言をいただきました。
現在のアイドルシーンは数年前に比べ全体的に下降傾向にあると思っています。現場(ライブ)に来る人の数が目に見えて減り、メジャー・地下問わずどこもなかなか数字を伸ばせず、苦戦している状況だと思っています。Qamを結成した当初からこの様な状況になることはある程度想定していましたが、これほど急速に衰退していくとは思っていませんでした。
もちろんこのような状況でも売れるグループは存在すると思います。しかし現在のQamにその地力はあるのか、厳しい市場でも勝ちに行くことは出来るのかじっくりと考えました。
私は元来、自分がやりたいことに対して0.1%でも望みがあると思えればそこに賭ける様な生き方をしてきました。しかしそれが出来たのは失敗した時に犠牲になるのが私だけであったからです。
今回も一縷の望みに賭けたい気持ちはありました。今は結果を出せていない、厳しい状況だがメンバーも頑張っている。やり方次第でなんとか好転出来るんじゃないか。一発逆転のチャンス、一筋の光に手を差し伸べたかった。
しかし仮にこのまま計画通りに動いて失敗した場合、受けるダメージは会社として再起不能に近いものでありました。それこそメンバーをいきなり路頭に迷わせてしまうことになります。大事な人生を預かる身として、その博打に賭けることは出来ないと判断しました。
例えアイドルシーンが斜陽であろうが、エンターテインメントへの需要が尽きることはないと思っています。私はQamのパフォーマンスで、音楽で、沢山の人々を幸せにしたいと考えています。今まで私自身が人生で困難にぶつかった時に数多くのアーティストに救われたように、Qamもそんな存在にしたい。これは結成当初から現在まで揺るぎない考えです。
より沢山の人にQamを広めるにはこのまま既存のアイドルシーンの流れに沿うだけではいけない。一旦歩みを止め、基礎からしっかりと礎を築き直す必要があると感じました。そうした経緯から渋谷WWWでのワンマンライブを節目として活動休止するという決定に至りました。そして、その公演をひとりでも多くの方に見てもらいたい、満員にしたいという想いから、クラウドファウンディングで開催費用を募りチケット代無料での開催を目指すことに致しました。
活動休止までの残りの時間を考え、出来る限り早急に発表を行うべきであると思い、メンバーには気持ちの整理をする十分な時間を与えることが出来ませんでした。彼女達にとっては突然夢にピリオドを打たれたような気分であると思います。これまでも運営として常に100点の行動は出来ておらず、ミスもあれば至らない部分も沢山あります。たらればの話をあげればキリがありませんが、私の努力次第でもっと違う世界を見せてあげられたのではないか。このような状況になり彼女達に対しても大変申し訳なく思っています。
発表後のファンの方々やメンバーの葛藤を目の当たりにし、現在の状況を作り上げた自分に、彼女達の人生を預かる資格はないのではないか、総合プロデューサーとしての籍を外れるべきなのではないかという考えもよぎりました。そんな迷いもあり何も発言することが出来ませんでした。
しかし、ここで辞めることは責任を取ることにならない。ただの逃げである。現実を受け止め、真摯に向き合うこと、渋谷WWWでのワンマンライブを最高の形にすること、更にその先の彼女達の人生を良きものにする為に全力を尽くすことが今の私の使命であると思っています。
今回の発表により沢山の方にお叱りの言葉をいただきました。反省すると同時に、それだけQamのことを大事に思ってくれている方がいることを非常にありがたく思っています。この文章を読んでも今回の私の決定に納得出来ない方もいると思います。しかし、例え私の考えと相容れなかったとしても、國吉寧々、高瀬あおい、小菅怜衣、佐藤瑞紗、日向恵依の5人をどうか応援していただきたいです。彼女達はアイドルという人生を、不器用ながらも日々懸命に生きています。この5人のQamを残り2ヶ月、どうか見届けていただきたいです。
クラウドファウンディングに関しては現在運営会社と目標金額やリターン内容に関して、ひとりでも多くの方々に支援していただけるように最終調整中でございます。来週中には具体的な発表が出来る様進めております。
また、活動再開に関して現状では具体的なことを申し上げることは出来ませんが、WWWワンマンライブではいいお知らせが出来るよう準備を進めております。
改めてこの度は誠に申し訳御座いませんでした。
何卒、今後ともQamの応援を宜しく御願い致します。
2015年12月4日
Qam総合プロデューサー
工藤マサヤ