2015年12月5日01時29分
ビル・ゲイツ氏との主なやりとりは以下の通り。
――世界一の富豪であるあなたが、なぜ資産の多くを社会貢献活動に使おうと考えたのですか。
いずれ、ほとんどの資産を社会貢献に使うことになる。お金を自分のために使うこともできるとは思うけど、最も(助けが)必要な人のために使われないのは間違いのように感じる。
――グローバル・ヘルス(世界規模の医療・保健分野)に巨額の資金を投じてきた理由とは。
まず「子どもの命を守る」ということ自体が基本的な価値だ。私が非常に驚いたのは、世界の最貧困層を苦しめている病気についての研究がほとんどなされていないことだった。下痢症や肺炎、マラリアといった感染症が巨大な影響を与えている。だが貧しい人々が住むのは貧しい国で、つまり(製薬会社にとって)ビジネス的な魅力がない。公的な援助や研究も十分でない。
最優先で取り組むべきは(豊かな国と貧しい国の間の)子どもの「命の不平等」を是正することだ。それは「生存率」というわかりやすい指標で測ることができる。5歳未満の子どもの死亡数は1990年は1200万人以上だったが、今は600万人台まで減った。これを、さらに300万人未満にする。この目標に向かう動きを進めるために、今まで以上に資源を投入しなければいけない。
個人の資産だから、どう使うかは自分で決められる。僕たちは、子どもの命を守るために自分のお金を使うことにした。それが自分の信じる価値だから。
――マイクロソフトで培った能力は、社会貢献の分野でも生きていますか。
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朝日新聞国際報道部
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