[PR]

 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏(60)が今月中旬の来日を前に、朝日新聞の単独取材に応じた。デジタルの分野で一時代を築いたゲイツ氏は今、巨額の私財を社会貢献活動に投じる。最も重視するのがポリオやマラリアなど感染症の撲滅。深刻な問題ながら政府や国際機関、企業がいずれも十分取り組めていない分野だ。「個人の資産だからこそ、長期的視野を持ってリスクも受け止められる」と意義を語った。

 ゲイツ氏は2000年に、自らと妻の名を取った「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立。08年にマイクロソフトの経営の一線を退いた後は社会貢献活動に取り組む。約9兆5千億円とされる個人資産の「95%」を投じるとしている。

 来日は、感染症対策を含む世界的な医療課題に関する国際会議への出席などが目的だ。16日には東京都内で朝日新聞社主催の対話イベントにも参加する。

 途上国の感染症対策を重視する理由について「子どもの命の不平等に、最優先で取り組みたかった。企業にとってビジネス的な魅力がなく、公的援助も不十分な分野だ」と語った。