巡業に、新名物あり-。九州場所が終わり、今年最後の冬巡業が始まった。中でもぜひ注目してもらいたいのは、子どもとの相撲だ。毎日、異なる力士数人で行っていたが、最近はメンバーが固定されてきつつある。リーダーの幕内豊ノ島を中心に、人気者枠の幕内遠藤、逸ノ城、芸達者の琴勇輝、大砂嵐ら。そこにご当地力士が加わる。豊ノ島は夏巡業以降、風邪で2度休んだ以外はすべて出席。「(尾車)巡業部長に呼ばれるから、出るしかない」と苦笑いしつつも進行役を務め、物言いや協議、マイクで説明するなど率先して盛り上げている。
もはや、1つのエンターテインメントだ。遠藤が胸を出す時には、他の力士が永谷園のバスタオルを持ち出し、懸賞旗代わりに土俵を回る。横綱白鵬が飛び入り参加した際、琴勇輝は了承を得た上で「ホウッ!」。力士会でやめるよう叱責(しっせき)されたことのある“タブー”を持ち出し、爆笑を呼んだ。今回も九州場所で白鵬が行って物議を醸した「猫だまし」を取り入れるなど、トピックを笑いに変えることで観客を楽しませている。
その中に、期待のホープがいる。秋巡業の途中から彗星(すいせい)のごとく現れた、幕内誉富士。両手を頭の上に構えるなど奇抜な立ち合いに始まり、必殺技は子どもを頭に乗せて高速回転する大技「スーパーシルクド・ソレイユ・ヘリコプター」。他にも次々と新技を繰り出し、豊ノ島も「あれはもってこい。いい人材だねえ」と絶賛。誉富士は「相撲で目立ちたいんですけど…」と笑わせた。
今年は巡業が長かった分、パフォーマンスも洗練されてきた。冬巡業は休場者が多いが、力士の掛け合いは一見の価値アリです。
【桑原亮】