- 2015年12月 3日 16:27
- 媒体研究(ネット・モバイル)
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楽天では、仮想モール「楽天市場」の商品レビューに関するルールを変更した。11月12日から、「レビューを書いたら送料を無料にする」「レビューを書いたら値引きする」といったキャンペーンを禁止した。同社では、レビューの質を向上するための施策を実施しており、今回の取り組みはその一環となる。
楽天市場をはじめとした仮想モールでは、購入者がレビューを書くことを前提に、送料を無料にするといったインセンティブを与えるキャンペーン(画像参照)が定着している。これは、レビューの数や評価によって購入を決めるユーザーが多いのはもちろん、「レビューの数が多い方がモール内検索順位で有利」とみる店舗が多かったからだ。
ただ、インセンティブを与えた上でのレビューは、評価にバイアスがかかっている恐れがあるほか、商品到着前にレビューをするユーザーも少なくない。「まだ届いていないが、期待を込めて評価は星5つ」などというレビューは、購入するかどうか迷っているユーザーにとっては無価値なものといえる。
楽天では、レビューを投稿したユーザーの"質"を重視する方針を打ち出している。「ヘビーユーザーによるレビューと、サクラ投稿の可能性もある誰だか分からないユーザーのレビューでは書き手の質に差がある」(河野奈保執行役員)ことから、こうした要素を楽天市場内の検索やレビューにおける総合評価(星の数)に反映。今回の「インセンティブ禁止」も「レビューの質や信頼性を向上させるための取り組み」(PR推進部)という。
店舗にはRMS(店舗管理システム)で告知した。違反した際の罰則などは検討中。期間限定で行っている場合は、キャンペーンが終了次第のルール適用となる。「今回の注文へのインセンティブ」が禁止対象となるため、レビューを書いたユーザーに対し、次回購入時に使えるクーポンを発行するというキャンペーンは認める。
出店者からは「商品力やサービスで総合評価を高める方向に進むことは歓迎したい」(雑貨関連の出店者)といった声が出ている。一方で、「ユーザーにとっては値引きがあった方がいいのでは」(スポーツ用品関連の出店者)という声もある。購入時に送料がネックになるケースは少なくないだけに、購入率を高めるための工夫が必要になりそうだ。
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