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【陸自元幹部情報漏洩】
ロシア武官に情報漏洩した陸上自衛隊将官は常在戦場の「野戦軍司令官タイプ」 パーティーでも迷彩服姿
警視庁公安部がロシア大使館の元駐在武官に情報漏洩(ろうえい)した容疑で書類送検した泉一成・元陸将を、防衛省関係者は一様に「野戦軍司令官」に例える。容貌だけでなく、その指揮・統率スタイルがイメージを強めたようだ。
刈り上げた髪形は自衛官に大勢いるが、他官庁の官僚や経済人と頻繁に接する将官では珍しい。しかも無類の迷彩服好き。駐屯地は言うに及ばす、日常的に防衛省内を迷彩服姿で闊歩(かっぽ)。防衛省関係のパーティーでは、他幹部の通常制服を横目に、迷彩服に半長靴の「実戦態勢」で臨むことも。
退官直前、東部方面総監の重責を担った。この配置は帝国陸軍でいえば宮城と帝都を守護する「近衛」に連なる。総監時代は短い指揮杖を携行し、隷下部隊を督励してまわったエピソードも有名だ。ちなみに、指揮杖は自衛隊の装備にはなく、私物。乗馬ズボンに騎兵用長靴姿、乗馬鞭を持ち、象牙のグリップを備えたマグナム拳銃を携行…。まさか、オリジナルな外見にこだわった米陸軍のパットン将軍を慕っていたわけではなかろう。
何よりも、執務室の「会議テーブル」は伝説にさえ成っている。朝鮮戦争時代まで見られた米陸軍の旧型ジープのボンネットなのだ。喫煙はもちろん、幕僚や部下との会議も立ったままで、ボンネットを囲む。ボンネットを開ければ、しゃれたサイドボードに化ける。何より自慢の一品で、転勤先に不可欠な引っ越し荷物だった。