11月5日の放送
「ダークマター 謎の物質の正体は?」
暗黒の物質「ダークマター」。目には見えないが、強い力で遠くの銀河の姿をゆがめる現象、「重力レンズ現象」からその存在が間接的に確認されている。この現象を元にダークマターの分布を観測すると宇宙の広大な領域に大量に存在していることが明らかになった。
最新の理論によると、ダークマターは光に反応しないことに加え、質量が大きく、大量に宇宙に存在することがわかった。ダークマターの総質量は、宇宙にあるすべての天体を合わせた質量の5倍以上もあるという。ダークマターの正体とは一体、何か? 宇宙誕生から星や銀河などを作り上げるのに重要な役割を果たしていると考えられていながら、その正体は未だ突き止められていない。発見から40年あまり、ダークマターの謎を解き明かそうと挑み続ける研究の最前線に迫る。
「宇宙を支配する謎の物質の観測装置」とは?
ダークマターが対消滅した結果、放出されると考えられる高エネルギーの宇宙線を観測する装置です。
正式名称:高エネルギー電子ガンマ線観測装置
ダークマターの存在を、銀河の回転速度から間接的に発見したのは?
アメリカの天文学者、ヴェラ・ルービン博士。1970年代、銀河外縁の回転速度から、光学的に観測できる物質の約10倍もの物質が存在することを指摘しました。
「自らは光を発しない暗い天体」とは?
通常の原子からなる天体で、光を発しない天体で、Massive Compact Halo Objects(MACHOs)と呼ばれています。番組で紹介したブラックホールや巨大惑星に加えて、中性子星、褐色矮星などがあげられています。
「アクシオン(AXION)」とは?
原子核を構成するクオークを結び付ける「強い核力」に関して、理論上の矛盾を解決するために提案された仮説上の素粒子で、まだ見つかっていません。
「超対称性粒子」とは?
超対称性理論によって存在が予想されている、既存の粒子に対し、スピンが1/2ずれただけで、電荷などは等しい素粒子のこと。2008年より稼働したCERNの加速器LHCでの発見が期待されています。
神岡鉱山にある「もうひとつの観測施設」とは?
スーパーカミオカンデの他に、鉱山内の別のスペースに観測装置が設置されています。XMASS(エックスマス)はそのひとつです。
「SIMP(スィンプ)」とは?
Strongly Interacting Massive Particles(強い相互作用をする質量を持つ粒子)の略。ダークマターの粒子が、これまで考えられていたように「弱い相互作用」をするのではなく「強い相互作用」をするのではないかという仮説です。
12月3日(木)
「金もダイヤもザックザク!大宇宙の宝探し」11月12日(木)
ⓒUFO博物館 「ミステリー 宇宙人との遭遇」