高橋尚之、鹿野幹男
2015年12月4日03時00分
政府の要請から2年。東京電力福島第一原発事故で出た放射性物質を含むごみを富岡町で最終処分する計画が動き出した。3日に受け入れ方針を表明した県と地元町長らは「苦渋の決断」という言葉を何度も口にした。
「苦渋の決断だが、広域自治体の長として容認したい」。3日夕、県庁。内堀知事は地元の富岡、楢葉両町の町長に深々と頭を下げた。副知事時代から担当してきたテーマ。「整備されない限り本物の除染は進まない」(昨年9月の知事選への立候補表明時)との思いを強くにじませてきた。
一方、2町は当初、計画に慎重だった。隣町の大熊、双葉両町にできる中間貯蔵施設は30年間で汚染土が持ち出されると定められているのに対し、こちらは町内の産廃最終処分場(フクシマエコテック)に半永久的に残る。搬入路の安全対策も不安材料だ。さらに、地域振興策を政府に求める声も根強かった。地元町議は「中間貯蔵施設を受け入れた大熊・双葉両町には数千億円規模の交付金が出るのにうちにはないのか」と話した。
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