警備犬:レスター号死ぬ 中越地震で男児突き止め
毎日新聞 2015年12月04日 20時12分(最終更新 12月04日 21時05分)
新潟中越地震(2004年)などの災害現場で活躍した警視庁の警備犬レスター号(オス13歳)が4日、老衰のため東京都内の警察犬訓練所で死んだ。中越地震では、崖崩れ現場で生き埋めになった2歳の男児を嗅覚で突き止め、92時間ぶりの奇跡的な救助につなげた。出動回数は408回に上る。
警備犬は、犯人を追う鑑識犬と異なり、爆発物捜索や人命救助が仕事。東日本大震災の被災地でも捜索にあたった。レスター号は03年8月、訓練所に入舎。9万人近い死者・行方不明者を出した08年の中国・四川大地震でも活躍し、11年4月に引退。中越地震で救助した男児から数年前、「僕を助けてくれてありがとう」という感謝の手紙が届いた。
警備部で警備犬を担当する山川良博警部(63)は「鼻が非常にきく犬で、災害現場で生き埋めになった人の浮遊臭や爆発物の臭いをとらえるのが上手だった。今までありがとうと伝えたい」と話した。【堀智行】