日本PTA全国協議会は12月3日、警察庁からの情報として中高生の保護者をターゲットにした新手の詐欺について、ホームページ上で注意を呼びかけている。「お子さんがインターネットで炎上している」などとして現金を要求する事案が全国で多数報告されているという。 警察庁の情報によると、弁護士を名乗る男性から電話があり、「お子さんがインターネットで炎上している」「すぐに対策が必要だ」として現金を要求する事案が、全国で相次いで報告されているという。認知件数は、9月140件、10月298件とここ数か月で急激に増加。極めて大規模な詐欺事案となっている。 ターゲットとされているのは、中高生の子どもがいる世帯。前兆として、「無言電話が何度もかかってくる」「不審な郵便物が届く」「身に覚えのない荷物が着払いで送りつけられる」などの嫌がらせが立て続けに起こる状況が数日続いたあと、弁護士を名乗る男から電話がかかってくるという。その際、「弁護士のカラサワです」と名乗るケースが多数報告されているという。 電話では、「あなたのお子さんがインターネットの掲示板で炎上し、住所や電話番号などの個人情報が拡散されている」などと説明。「情報を早く削除しないと、嫌がらせがエスカレートし、身体に危険が及ぶ可能性がある」と不安をあおり、削除費用として数十万円の現金を要求する。現金の支払いを拒否した場合には、支払いに応じるまで嫌がらせが続くこともあるという。 警察庁では、今後も詐欺の認知件数が増加する可能性があるほか、手口も非常に巧妙であるとして、厳重な警戒を呼びかけている。「本物の弁護士がこのような電話で一方的に現金を要求することは絶対にない」として、弁護士を名乗る不審な電話がかかってきた場合は、相手の指示に従わず、ただちに最寄りの警察署や警察相談専用電話(#9110)に連絡してほしいとしている。 日本PTA全国協議会でも不審な電話への注意を呼びかけるとともに、学校や地域などでの注意喚起も行っている。