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宝塚の武庫川に住み着いたハクチョウ。天敵もおらず、のびのびと泳いでいた=宝塚市東洋町
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宝塚の武庫川に住み着いたハクチョウ。天敵もおらず、のびのびと泳いでいた=宝塚市東洋町

 兵庫県の宝塚市役所沿いの武庫川に、2羽のコブハクチョウが移り住んでいる。もともとは約3キロ離れた伊丹市の昆陽池公園にいたが、他の鳥と折り合いが悪く飛んできたとみられる。宝塚市民は餌を与えるなど温かく見守るが、伊丹市は捕獲を計画。無理やり連れ戻すのは無粋にも思えるが、やむにやまれぬ事情があるようで…。(土井秀人)

 2羽は9月下旬ごろ、公園からいなくなった。他の鳥に虐げられて逃げたか、つがいが繁殖のために離れた可能性があるという。

 伊丹市が捕獲しようとするのは、コブハクチョウを市が「所有」しているからだ。市は1957年に宇部市常盤公園(山口県)から10羽を購入。現在いる27羽はその子孫で、動物愛護管理法に基づき県へ届け出て、管理している。

 所有者のため、何かがあれば責任が発生する。今年2月、公園から飛び立ったコブハクチョウが民家のアンテナに衝突し、住民の車の屋根に墜落した。この際、市は賠償金約51万円を支払った。担当者は「飼っている鳥が損害を与えたので、市に責任がある」とする。

 さらに「購入当初は『備品』として登録していたようだ」と明かす。市の会計規則では1万円以上の物品を備品登録しており、動物もその対象となる。ただ、現在いるコブハクチョウは子孫のため、「価値を算定しておらず、備品登録はしていない」。ちなみに、購入額が1万円以下の動物や実験用動物は「消耗品」となる。

 動物は「備品」?

 自治体が動物を所有する場合、会計規則などに基づき「備品」として登録することは少なくない。

 神戸市の物品会計規則では、購入時の金額が100万円以上の場合「重要物品」として登録。同市立王子動物園では、ジャガーやインドゾウ、アムールヒョウなどが当たる。また、100万円未満の場合でも備品として整理しているという。

 市の担当者は「一般的には変に感じるかもしれないが、役所なのできちんと持ち物を登録し、管理する必要がある」。動物園は「便宜上のことで、私たちは命ある動物を物扱いしている感覚は全くない」とする。

 同市立須磨海浜水族園も同様で、イルカとラッコが重要物品。ただ「魚類」は備品の対象外となっている。姫路市立動物園でも100万円以上の動物が重要物品だ。

 一方、豊岡市など、「備品」とは別に「動物」という区分を設けている自治体もある。

 事件では「器物」の場合も

 動物虐待などの事件では、動物を「器物」とみなすことがある。

 昆陽池公園では10月以来、吹き矢が刺さったカモが複数見つかり、伊丹署が「鳥獣保護法違反容疑」で捜査している。

 一方で昨年、埼玉県で盲導犬が何者かに刺されてけがをしたとされる事件では、同県警が「器物損壊容疑」で捜査。何が違うのか?

 伊丹署に尋ねると、「所有物か、そうでないかが大きい」と説明する。器物損壊は所有物を壊すなどした場合に成立する罪で、被害者は動物ではなく、所有者となる。

 しかし、昆陽池の鳥で市が所有しているのは、コブハクチョウのみ。矢の刺さったカモなど他にいる数百羽は「野鳥」で所有者はいない。

 動物への危害は他にも「動物愛護法違反」などがあり、法律により罪の重さが異なる。神戸地検尼崎支部は「動物の種類や、所有物であるかどうかなどで適用する法律が異なる。複数に当てはまる場合は、事件の内容や社会への影響、残虐性などで判断する」とする。

  
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