コラム
社会保障と税の一体改革が不可欠です。
わが国では急速に高齢化が進み、社会保障関係予算が急増。今後、社会保障給付費も膨大になっていく見通しです(下表参照)。
私たちの生活の安心を確保するためには、社会保障制度の安定が不可欠です。
このため、民主党政権下においても、自民・公明・民主の三党は、与野党の壁を乗り越えて社会保障と税の一体改革を協議し、昨年、消費税率引上げを柱とする「税制抜本改革法」が成立しました。
この度、安倍総理の決断により、法律の規定通り、来年4月から消費税率を5%から8%に引き上げることになりました。
自民党は、社会保障制度改革を全力で進めていくとともに、景気の落ち込みを防ぐために必要な経済対策を実施していきます。
社会保障給付費の見通し
(1980年度) 24.8兆円 |
(2000年度) 78.1兆円 |
(2012年度) 109.5兆円 |
(2025年度) 148.9兆円 |
※ 2013年度の社会保障関係予算は29兆円強。
もちろん消費税はすべて社会保障に使います。
国の消費税のすべての税収は、社会保障に充てられるよう、下記の通り法律で決められています。
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律
(税制改革抜本改革法:平成24.8.22公布)
第二条 消費税の収入については、地方交付税法に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。
社会保障の改革を着実に進めます。
● | 昨年、自公民三党の合意を受け、社会保障関係の6本の法律が成立し、すでに社会保障制度改革が進んでいます。 ○子ども・子育て支援法 ○認定こども園法改正法 ○年金機能強化法 ○被用者年金一元化法 など |
● | また、本年8月、社会保障制度改革国民会議から報告書が提出され、それを受けて10月の臨時国会において、改革を実行する工程(プログラム)を法律で定めることになっています。その後、それぞれの施策ごとにさらに必要となる法律を整備していく予定です。 |
● | 消費税はすべて、子育て・医療・介護・年金に充てることになっていますが、それでも毎年1兆円も増え続ける社会保障費は賄い切れません。このため、社会保障制度改革の工程に沿って、制度の充実とともに、見直し・適正化を図ることが不可欠です。改革の主な内容は下記の通りです。 |
【社会保障の充実・適正化】
1. | 少子化対策 ・子ども・子育て支援新制度の実施 ・待機児童解消加速化プランの実施 ・社会的養護の充実など →平成26年度から、順次実施します。 |
2. | 医療制度 ・医療サービス等の提供体制の強化 →平成29年度までを目途に、必要な措置を順次講じます。 ・難病、小児慢性特定疾患に係る公平かつ安定的な制度の確立 →H26年度を目途に、必要な措置を講じます。 ・医療保険制度の改革 →平成26年度から29年度までを目途に、必要な措置を順次講じます。 |
3. | 介護保険制度 ・介護保険制度の改革など →平成27年度を目途に、必要な措置を順次講じます。 |
4. | 年金制度の改善 ・遺族基礎年金の父子家庭への拡大など →平成26年4月から実施します。 ・年金を受給している低所得高齢者・障害者等への福祉的給付 →平成27年10月から実施します。 ・老齢基礎年金の受給資格期間の短縮 →平成27年10月から実施します。 |
【社会保障の安定化】
基礎年金国庫負担の2分の1への引上げを恒久化にすること等により、社会保障制度を安定化させます。
消費税率アップの影響を最小化するため、
万全な対策を実施します。
消費税率引き上げの影響による経済の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げを図り、デフレ脱却と経済再生の道筋を確かなものとします。
同時に、経済的弱者に配慮した政策を実施します。
● | 5兆円規模の補正予算を編成します。 (新たな経済対策の策定・実施) ・競争力強化策の実施 ・高齢者、女性、若者向け施策の実施 ・復興、防災・安全対策の加速 ・東京オリンピックに向け交通・物流ネットワーク等の整備 (低所得の方々への対応) ・住民税非課税の低所得者に1人当たり1万円を支給、うち年金受給者等には5000円を加算 ・低所得者の住宅購入時に最大30万円の現金を給付 ・被災地の方々には、床面積×補助単価×3%の金額を還付 |
● | 経済成長力の底上げを図るための税制措置 <投資を促進する税制> ・先端設備を導入した企業の法人税を軽減する税制を創設 ・研究開発費を増やした割合に応じ法人税を軽減 ・耐震改修したホテル等施設の固定資産税を軽減 ・事業再編を促進させるための税制を創設 ・ベンチャー投資を促進するための税制を創設 ・中小企業投資促進税制の延長拡充 ・法人税の実効税率軽減の検討 <給料アップを促進するための税制> ・給与総額を2%以上増やした企業の法人税を軽減 ・給与アップを前提に復興特別法人税の一年前倒し廃止を検討 |
政治・行政・国会改革を進めます。
消費税引き上げにあたっては、国民の皆さんに約束した、「議員定数の削減」及び「行政の無駄削減」など、不断の改革に努めます。
● | 消費税率引き上げにより、社会保障制度の充実・安定化と財政健全化を図ります。 |
● | 消費税率引き上げによる悪影響を排除し、「アベノミクス」を成功させます。 |