TGAでの異例の事態。
現在アメリカで「The Game Awards 2015(以下TGA)」という、いわゆるゲーム大賞的なイベントが開催中だ。
大賞に当たるGame of the Yearには「The Witcher3 WildHunt」が選ばれた。
昨今のゲーム、とくにAAAタイトルと呼ばれる大作ゲーム群は本当に豊作揃いで、その大部分がホリデーシーズン絡みの時期に発売される。
だが、Witcher3は5月発売のゲームだ。しかも今年はFallout4という超大作があったにも関わらず、Witcher3がGame of the Yearを受賞したのは、素直に賞賛すべきことだと思う。ポーランド恐るべし。
日本のタイトルでは、「スプラトゥーン」がBest Multi Player賞を、「スーパーマリオメーカー」がBest Family Game賞を、そして「メタルギアソリッド ザ・ファントムペイン(以下MGS V:TPP)」がBest Action/Adventure賞を受賞した。
だが、その授賞式にメタルギアの生みの親である小島秀夫監督は出席せず、同作でスネークの声を担当したキーファ・サザーランドが登壇。トロフィーを受け取った。
このTGAで司会を担当していたGeoff Keighley氏は、TGAにて小島監督が「コナミがTGAへの参加を許可しなかった」と明らかにした。その後、自身のTwitterにて小島監督へお祝いとイベントへの参加が叶わなかったことへの率直な気持ちを述べている。
@HIDEO_KOJIMA_EN congrats, we miss you my friend!
— Geoff Keighley (@geoffkeighley) 2015, 12月 4
さらに、Gears of Warシリーズの生みの親で、通称クリフBとして知られるCliff Bleszinski氏は、Twitter上で暗にコナミを批判するような発言をしている。クリフBは小島監督とプライベートで交流があることで知られているから、何か知っているのかもしれない。
@HIDEO_KOJIMA_EN congrats, we miss you my friend!
— Geoff Keighley (@geoffkeighley) 2015, 12月 4
なお、これを受けて、小島監督自身はTwitter上で本当に短い言葉で御礼の言葉を述べている。
ありがとうございました。
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2015, 12月 4
Thank you very much.
— HIDEO_KOJIMA (@HIDEO_KOJIMA_EN) 2015, 12月 4
不可解なコナミの小島監督への扱い。
正直いって、コナミについてはこれまで何度も記事を書いてきたが、時が進むごとにどんどんおかしな方向へと行っている気がしてならない。
9月にコナミに対する想いを綴ったエントリで、自分の中では「もうコナミに対しては何も言うまい、諦めよう」と思っていた。
別にコナミがもうAAAタイトルを作らない事もどうでもいいし、自分の中ではMGS V:TPPでコナミのゲームを買うのは最後にすると決めた。MGSが尻切れトンボで終わってしまったのも、コナミのIPが塩漬けにされるのも、ウイイレがJリーグのDLC配信をしないのも、「コナミだしな。しょうがないよ」と思うことにしていた。
だが、小島秀夫という、日本どころか世界のゲーム史に残る天才を飼い殺しにするつもりなら話は別だ。
いままでの情報を総合すると、小島監督がコナミを退社する(あるいはしている)可能性は高い。だが、まだ公式に発表はないし、小島監督自身も極端にメディア露出が減っているので、詳細は不明だ。
MGS V:TPPに参加した歌手であるDonna Burke氏によれば、「まもなく全てが明かされる」のだそうだ。
コナミによって小島プロダクションは解散させられ、FOXエンジンはその名を抹消され、小島監督はもはや公の場に出ることすら許されない。
今は、その「まもなく明らかになる真実」が、ゲーム業界の損失でない事を祈るばかりだ。