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米乱射:テロ捜査対象者と接触 自宅からパイプ爆弾12個

毎日新聞 2015年12月04日 11時42分(最終更新 12月04日 13時03分)

容疑者が使っていた車庫を調べるFBIの捜査員ら=米カリフォルニア州で2015年12月3日、ロイター
容疑者が使っていた車庫を調べるFBIの捜査員ら=米カリフォルニア州で2015年12月3日、ロイター

 ◇警察当局 5000発の銃弾なども発見

 【サンバーナディーノ(米カリフォルニア州)長野宏美】当地の福祉施設で2日発生した銃乱射事件で、射殺されたサイード・ファルーク容疑者(28)がテロ捜査の対象者と電話やインターネット交流サイト(SNS)で接触していたことが分かった。米メディアが3日伝えた。警察当局は容疑者の自宅とみられるアパートから12個のパイプ爆弾や約5000発の銃弾などを発見した。計画的犯行との見方が強まる一方、動機は同僚とのトラブルも指摘されており、当局は慎重に捜査を進めている。

 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は3日、連邦捜査局(FBI)が、ファルーク容疑者が数年にわたり、テロとの関わりが疑われている複数のイスラム過激派の人物と国内外で接触していた証拠を把握していると報じた。

 事件では14人が死亡、負傷者は17人から21人になった。当局は死者のうち12人と負傷者の18人が地元自治体職員と明らかにした。

 オバマ米大統領は「テロに関連したものだった可能性もあるが分からない。職場に関連したものだった可能性もある」と述べ、テロの可能性も排除せず慎重に動機解明に取り組む考えを示した。

 ファルーク容疑者がテロ捜査対象者と接触した際のやり取りは不明。接触によって過激思想に影響された可能性もあるが、FBIは3日午前の記者会見で「今回の事件をテロと呼ぶのは時期尚早だ」と慎重な見方を示した。

 警察によると、容疑者の自宅からはパイプ爆弾などのほか、爆弾を作る道具や材料も多数発見された。犯行時には約1600発の銃弾を所持。現場で容疑者はライフル銃で65〜75発を乱射した。犯行現場には爆弾を搭載したリモコンカーも持ち込んだが、爆発はしなかった。

 米メディアによると、ファルーク容疑者は米国籍だが、両親はパキスタン出身。2013年にサウジアラビアを訪問し、SNSで知りあったタシュフィーン・マリク容疑者(27)と付き合い始めた。マリク容疑者については14年7月に婚約者ビザで米国に入国して6カ月前に長女をもうけたという情報がある。米国務省のトナー副報道官は入国の際に国土安全保障省によるテロ容疑者かどうかの審査も通過しているはずだと指摘している。

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