佐藤慈子
2015年12月4日13時55分
戦前から戦中にかけて、女性たちはどんな服をどんな思いで着ていたのだろうか。朝日新聞社に残る写真から服の変遷を読み解くと、物資が乏しく制約がある中でも、機能性や見栄えを考えて服を選んでいた姿が見えてきた。(佐藤慈子)
戦前に大流行した服と言えばかっぽう着。1932年に大阪の主婦の声がけで組織され、出征兵士の見送りや防空訓練などを担った「大日本国防婦人会」が、活動着として取り入れた。
かっぽう着が現在の形になったのは、1900年代はじめ。家事着として普及し、外出時は脱ぐのが常識だった中、同会の活動は「かっぽう着を脱ぐ暇もなくかけつけた」と評判になった。会員も発足当時40人だったのが、1年後には10万人に、10年後には1千万人に膨れあがった。
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