【ワシントン=川合智之】米西部カリフォルニア州の福祉施設で14人が死亡した銃乱射事件で、米連邦捜査局(FBI)はテロの可能性を視野に捜査を始めた。当局者は容疑者がイスラム過激主義者と接触していたとの情報や、中東への渡航歴、大量の武器・爆弾を所持していたことなどを根拠に挙げた。複数の米メディアが報じた。
容疑者は米国人の男のサイード・ファルーク容疑者(28)と、女でパキスタン人とみられるタシュフィーン・マリク容疑者(27)。2人は夫婦とみられており、警察との銃撃戦で射殺された。ライフルや拳銃、防弾ベストで武装していたほか、施設から3個のパイプ爆弾が見つかった。
ファルーク容疑者は同州サンバーナディーノ郡の公衆衛生部局の職員で、同僚とのパーティー会場で犯行に及んだ。銃撃で少なくとも14人が死亡、21人が負傷した。
容疑者の自宅のアパートには12個のパイプ爆弾や大量の部品、4500発以上の銃弾もあった。捜査当局者は「あらかじめ攻撃が計画されていたのは明らかだ」と米メディアに語った。
容疑者がソーシャルメディアを通じ、FBIが監視するイスラム過激主義者と接触していた証拠があるという。一方、当局者は「テロと断定するのは早計だ」とも話す。
米イリノイ州生まれのファルーク容疑者はイスラム教徒で、昨年夏にサウジアラビアに旅行し、インターネットで出会ったマリク容疑者を連れて帰国した。銃は合法的に入手したもので、犯罪歴はなかったという。
オバマ米大統領は3日午前(日本時間4日未明)、ホワイトハウスで声明を読み上げ「テロ関連の可能性はあるが、まだ分からない。職場の問題かもしれない」と述べた。「この国では銃乱射がまん延している」と指摘、銃規制を強化する必要があると改めて訴えた。
FBI、オバマ