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【政治】

特定秘密を国会に初提示 参院審査会了承

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 国民の「知る権利」を侵す恐れのある特定秘密保護法に関し、政府は三日、参院情報監視審査会が求めていた特定秘密三件を提示した。特定秘密が審査会に提示されたのは衆参両院の審査会で初めて。金子原二郎会長(自民)は会合後、記者団に「政府側の説明を聞いて、秘密指定は妥当だと了承した」と述べた。審査会は次回会合で岩城光英法相に対する質疑を行い、二〇一五年度中に報告書をまとめる。

 三日に提示された特定秘密は、外務省の「一四年までに外国の政府などから国際情報統括官組織に対し、提供のあった情報」、防衛省の「航空自衛隊の保有する戦闘機の性能」、警察庁の「一四年までに警察が収集・分析をしたことにより得られたテロリズムの実行の意思・能力に関する情報」。金子氏によると、戦闘機は〇〇年から配備されているF2戦闘機。

 いずれも、審査会が前回十一月二十六日の会合で提供を求めていた。

 金子氏は記者団に「(特定秘密の)保護措置の関係で詳細は言えない」として件名以外の詳細な説明をしなかった。「政府側から特定秘密の中身を詳しく聞くわけではない」とも述べ、秘密の詳細は審査していないと認めた。

 ほかの委員は「省庁によって、秘密指定のあり方が統一されていない」と話した。

 参院審査会の委員は金子会長のほか自民三人、民主二人、公明と維新がそれぞれ一人。審査会が調査のため必要と判断した場合、秘密の提示を関係省庁に求めることができ、問題があると判断すれば、是正を勧告できる。いずれも強制力はない。政府が「わが国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れ」があると判断すれば、提示を拒める。

 審査会は非公開。国会議員が提示された特定秘密を外に漏らせば、五年以下の懲役となる恐れがある。政府は年一回、秘密保護法の運用状況をまとめた報告書を国会に提出することが義務付けられているが、内容は指定件数や大まかな類型にとどまる。

 

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