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【社会】

「平和の俳句」が大賞 平和・協同ジャーナリスト基金賞

 平和や人権擁護などに貢献した報道や作品を表彰する「平和・協同ジャーナリスト基金賞」の第21回受賞作が3日発表され、本紙の「『平和の俳句』など戦後70年の平和主義を見つめ直す一連の報道」が基金賞(大賞)に選ばれた。12日に贈呈式が行われる。 

 「平和の俳句」は戦後七十年の節目の年に、あらためて平和の尊さについて考えようと今年元日からスタート。読者から募った句の中から毎日一句を朝刊一面で掲載している。選者は、俳人の金子兜太さん(96)、作家のいとうせいこうさん(54)が務めている。これまで五万五千通を超す投稿が寄せられた。投稿者の戦争体験なども取材し、特集面などで随時掲載してきた。

 授賞理由は「安保関連法などで日本の平和主義が大きく揺らいだ年の新聞の企画として出色」「ジャーナリズムに新しい地平を開いた」としている。

 同基金は一九九五年に設立、市民からの寄付で運営している。本紙は二〇一三年にも憲法取材班の「憲法に関する一連の企画」で基金賞を受賞している。今回の他の受賞作は次の通り。

 【奨励賞】神奈川新聞取材班「時代の正体−権力はかくも暴走する」(現代思潮新社)▽SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)編著「SEALDs 民主主義ってこれだ!」(大月書店)▽下野新聞取材班「とちぎ戦後70年−終戦記念日特別紙面と一連のキャンペーン」▽西日本新聞安保取材班「戦後70年 安全保障を考える」▽日本テレビ制作「南京事件 兵士たちの遺言」▽本田雅和・朝日新聞南相馬支局長「連載ルポ『プロメテウスの罠』シリーズ・希望の牧場」

 【荒井なみ子賞】漫画家・西岡由香さん「被爆マリアの祈り−漫画で読む3人の被爆証言」(長崎文献社)

◆社会の熱い目感じる

<金子兜太さんの話> 賞は大きな社会の関心があってこそいただけるものです。選者としても光栄ですし、ありがたいですなあ。戦争体験は私の土台。トラック島で亡くなった人たちの思いを胸に夢中でやってきましたが、新聞の読者とともに進めるこの平和運動は、やはり影響が大きい。「平和の俳句」に対する社会の熱い目を感じます。

◆市民の運動支えたい

<いとうせいこうさんの話> 評価いただき、ありがとうございます。この賞もまたひとつの『平和の俳句』として心に受けとめ、この市民による詩の運動を支えていきたいと思います。もはや主役は明らかに句を詠んで投稿する読者であり、ハガキなどに書かれたコメントからもさまざまな気持ちが伝わってきます。私たち選者はその勢いにおされ、心を動かされながら言葉を添えています。日本中で平和の句会が行われますよう。

 

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