金井和之、三嶋伸一
2015年12月4日00時19分
冬の神戸の夜を彩る「神戸ルミナリエ」が4日、開幕する。阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂と復興を願って始まったが、近年は来場者や地元企業の協賛金が減少傾向で、今年は規模も縮小。主催者側は集客力のある観光イベントへの脱皮も模索する。震災から20年が過ぎ、光の祭典は岐路に立たされている。
「あれ、ちょっと短くない?」
神戸市中央区の旧外国人居留地。ルミナリエの会場を通りかかった若い女性3人が、17基のアーチが並んだ光の回廊「ガレリア」を眺めて首をかしげていた。
21回目となる今回、回廊は昨年より約80メートル短い約190メートルとなり、開催期間も2日短縮されて10日間となった。主催するルミナリエ組織委員会の関係者は「赤字を出さずに開催を継続させるため、経費を削り、縮小再生産を続けているのが近年の状況」と説明する。
■地元「商売にならん」
ルミナリエの来場者は、震災10年を控えた2004年の538万人をピークに、その後はほぼ右肩下がり。昨年は344万人と6割にとどまった。開催を支える企業の協賛金も昨年は2億1600万円と、1996年の4割にまで減少。ある協賛企業の関係者は「会場でPRできるような見返りもなく、ただ金を出し続けるには限界がある」ともらす。
会場周辺の商店主らが集まる三宮中央通りまちづくり協議会の永田耕一会長(61)は、「期間中は通行が規制され、来場者は店の前を初詣客のようにぞろぞろと歩くだけ。年末のかき入れ時なのにほとんど商売にならない」と訴える。
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