無風参院選の目玉候補に
激しすぎる乙武洋匡争奪戦
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野党のふがいなさから、すでに自民党大勝が予想される来年7月の参院選。各党が目玉候補探しに奔走する中、オファーが殺到しているのが『五体不満足』のベストセラーで知られる乙武洋匡氏(39)だ。
「共産党と公明党以外の全政党の幹部クラスが接触を図っています」(永田町関係者)
乙武氏は早大政経学部卒業後、スポーツライター、新宿区教育委員会非常勤職員、杉並区立小学校教諭を経て、2013年2月から東京都教育委員に就任。生まれながら四肢がないという重い障害を持ちながら、明るいキャラクターで、講演やテレビ、ツイッターで積極的に発言している。
「ジリ貧の野党は、『乙武新党』とは言わないまでも、党の顔として全国遊説をお願いしたいところ。全国比例区は、100万票で当選者が1人増える計算なので、彼の比例区出馬で当選者の上乗せが可能でしょう。一方の自民党は東京選挙区の2人目の候補者を選考中。乙武氏の出馬となれば、10年選挙でダントツ1位だった蓮舫議員にとっても脅威の存在となる。同選挙区は定数が6に増えることもあり、無所属で出馬して、自由に発信していくことも考えられます」(政治部記者)
乙武氏には、これまでも再三出馬要請があった。
「中でも熱心に口説いたのが石原慎太郎氏でした。『たちあがれ日本』を結党した直後の2010年参院選の際、石原氏は乙武氏の手を握り『君の存在が政治の世界では必要だ』と涙ながらに訴えたといいます」(前出・関係者)
過去にも都知事選、新宿区長選でも名が挙がったが、首を縦に振ることはなかった。
「いずれは政治家にという思いがあった一方、政界進出のカードは一度しか切れないとも考えていました。教育問題に詳しくても、その他の政策を語れる自信がなかった。キャリアを積む必要があると感じていたようです」(乙武氏の知人)
乙武氏は今年4月から1年間、政策研究大学院大学の修士課程で公共政策を学んでおり、来年4月には40歳を迎える。
大学の1年後輩にあたる妻との間には、今年3月、第3子が生まれたばかりだが、「奥さんからは『決断を尊重する』とお墨付きをもらっているそうです」(同前)
当の乙武氏は「現時点でお答えできることはありません」とコメント。激しい争奪戦を制すのはどの政党か。