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 横浜市都筑区のマンションが傾いた問題で、同市は3日、マンション建設前にあった工場の解体工事の図面を公表した。マンションに14メートルの杭を使う設計になっていた場所近くで、工場には長さ18メートルの杭が使われていたことがわかった。杭が地盤の固い支持層に届かなかった原因につながる可能性があり、市は元請けの三井住友建設に説明を求める。

 公表したのは旧NEC横浜事業所敷地の2005年の解体図面。図面には、マンションで傾いた1棟が建てられた付近に「既存PC杭 杭長:18m」などの記載があった。この棟では6本が支持層に届かず、2本が打ち込み不足だった。

 設計した三井住友建設は、18メートルの杭についてマンション建設前に把握していたが、広報担当者は「工場の18メートルの杭とマンションの14メートルの杭の場所は、近いが全く同じではない。事前のボーリング調査で長さを14メートルに決めており、設計ミスではない」とする。杭を打った旭化成建材は「(三井側から)18メートルの杭に関する説明は無かった」とする。