鬱映画が多くなった個人的音楽映画ベスト10+みんなのシネマレビューでの音楽映画ベスト
音楽映画と言っても、今回対象となるのは「音楽がストーリー上で重要な役割を果たしている映画」だそうで。
「サウンドトラックが名曲」や「主題歌が大ヒット」などではなく、作中の人物たちに音楽が聞こえているものを選べばいいのだとか。
つまりはこういうことですね↓
×(対象外の映画)
『スターウォーズ』『インディー・ジョーンズ』シリーズなどのメインテーマが有名な映画
『ハンナ』『トロン:レガシー』『空気人形』『トゥルー・ロマンス』など、サウンドトラックが名盤だけど「作中の人物に音楽が聞こえていない」映画
◯(ギリギリOK)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』……主人公がカセットテープで音楽を聴いている
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』……主人公がギターをかき鳴らしていた
『鴨とアヒルのコインロッカー』……ボブ・ディランの「風に吹かれて」が物語に重要な存在に
『キル・ビル Vol.1』……敵の殺し屋が口笛でメロディーを奏でていた
『かぐや姫の物語』……クライマックスのあの曲はみんなに聴こえていたよね
よし、よくわかったところでヒナタカ(管理人)の音楽映画ベスト10はこちら↓
1.ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年、ラース・フォン・トリアー監督)
2.嫌われ松子の一生(2006年、中島哲也監督)
3.くちびるに歌を(2015年、三木孝浩監督)
4.アマデウス(1984年、ミロス・フォアマン監督)
5.リリィ・シュシュのすべて(2001年、岩井俊二監督)
6.天使にラブ・ソングを…(1992年、エミール・アルドリーノ監督)
7.ノートルダムの鐘(1996年、ゲイリー・トルースデール &カーク・ワイズ監督)
8.ロッキー・ホラー・ショー(1975年、ジム・シャーマン監督)
9.雨に唄えば(1952年、ジーン・ケリー)
10.プリンス・オブ・エジプト(1998年、サイモン・ウェルズ監督)
↓以下それぞれの作品の短評&泣く泣く選外とした作品&「みんなのシネマレビュー」の音楽映画ベストを紹介。めっちゃ長いよ!
〜ベスト10概要〜
1位 ダンサー・イン・ザ・ダーク
このブログでも度々「鬱映画の代名詞」として紹介しているこの作品。
主演はアイルランドの歌手・ビョーク。じつはミュージカル映画でもあるのです。
音楽は主人公の現実逃避であり、心の拠り所。あの鉄道のシーンと、クライマックスの「107 Step」は一生忘れることができません。
2位 嫌われ松子の一生
獄彩色のCGで作られたミュージカル・トラジェティ。
内容が悲惨なのに、明るい音楽で彩る作品を初めて観たので(『時計仕掛けのオレンジ』などにもある)、そのインパクトは半端じゃなかった。
クライマックスは大号泣。ダメ人間を描いた作品としてもピカイチの大傑作です。
ベスト音楽はもちろん「まげてのばして」、次点はBONNIE PINKの「LOVE IS BUBBLE」です。
3位 くちびるに歌を
最近の映画ではこれを選ばずにはいられない。
アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ」がいかに男女混声合唱にふさわしいかが語られるシーンがあり、その歌詞と物語の絡めかたは完璧。
青春映画、音楽映画、ガッキーのツンデレ具合など、すべてが最高のレベルで仕上がっています。万人向けなのでぜひ。
4位 アマデウス
正直に告白すると、初めて観たときは大嫌いな映画でした。
だってこれ、「努力しても天才には勝てない」ということをまざまざと見せつけるんだもん(観たあとは落ち込みまくった)
「映画って、楽しいだけじゃないんだ」と思わせてくれた初めての作品であり、いまでは人間の心をえぐってくる大傑作だと信じて疑いません。
個人的ベストシーンは、サリエリがモーツァルトの楽譜を見て、感動にふるえて「しまう」ところです。
5位 リリィ・シュシュのすべて
これも超絶鬱映画。
架空のアーティストのリリィ・シュシュ(Salyu)を登場させ、主人公の大切な心の拠り所として描いている・・・フィクションでここまでするだけでも、妥協のなさが伺えます。
また、岩井俊二監督は『スワロウテイル(1996)』でもYEN TOWN BANDという架空のバンドを登場させていて、その世界を描いた全編アニメが2015年になって公開されました。
6位 天使にラブ・ソングを…
合唱や校歌斉唱が大嫌いだった自分に「やべえ!みんなで歌うのって超楽しい!」と気づかせてくれた名作。
クラブ歌手役のウーピー・ゴールドバーグが、規律を重んじる修道女たちの価値観をぶっ壊していくのが痛快愉快。老若男女に観て欲しいですね。
7位 ノートルダムの鐘
ディズニー映画からはこれをチョイス。
自分は子どもの頃、ミュージカル映画に「なんでわざわざ歌うねん」と思っていた不届きものだったのですが、本作の字幕版を観てミュージカルのおもしろさに目覚めました。
本作に限らず、ディズニーアニメは吹き替え版だけなく、字幕版でもう一度観てみてほしいですね。かなり印象が変わりますよ(決して吹き替え版の出来が悪いということではないです。念のため)。
オープニングと、「天使が僕に/罪の炎(Heaven's Light/Hellfire)」のシーンは何度も観直しました。
8位 ロッキー・ホラー・ショー
知る人ぞ知る、「お約束のツッコミを叫ぶ」「紙吹雪をまき散らす」「みんなで踊る」パーティ形式の上映がされる作品。
自分はキネカ大森でそれを体験することができました。いやーこれが楽しかったんですよ(ちょっと恥ずかしかったけど)。
ちなみに本編はいい意味でハチャメチャ、ナンセンスなコメディ、ホラーとしては微塵も怖くない怪作に仕上がっております。
9位 雨に唄えば
もう60年前の映画ですが、いま観ても楽しくて楽しくて仕方がない!
気のあう仲間同士でテンション高くタップダンスし、恋をすれば土砂降りの中でも踊り出す。
時代がサイレントからトーキー(有声)映画に切り替わる時代な物語なのですが、ちっとも悲壮感がないのがいいですね。「マイクで音が拾えない」「音ズレ」などのトーキー映画にまつわる苦労がコメディーとして昇華されているのも大好き。
なお、本作はパブリックドメインとなっており、ニコニコ動画などで著作権を気にせず無料で観ることが可能です。
10位 プリンス・オブ・エジプト
ブログ「男の魂に火をつけろ!」では毎回のベスト映画企画に「1点(10位)しか入らなかった映画」を特集していることもあり、誰も選ばなそうな映画として本作をチョイスしてみました。
本編はそんな選出理由が失礼千万な、まっとうなミュージカルアニメ。マライア・キャリー&ホイットニー・ヒューストンの“When you Believe”はアカデミー賞にもノミネートされています。しかも音楽を手がけたのは超大御所のハンス・ジマーなのです。
バリバリの「十戒」ものなので、『エクソダス:神と王』と比べてみるのもおもしろいかも。
ちなみにサイモン・ウェルズ監督は『少年マイロの火星冒険記』が超絶大ゴケしたこともあり、わりと干されちゃっている。がんばれ。
そんなわけで、なんか悲劇的な作品が多くなってしまいました。
10本中3本日本映画を選んでいるのもけっこう珍しいんじゃないかな。
〜選外だったけど挙げたかった映画〜
以下、泣く泣くトップ10選出を諦めた作品は以下の通り。
<正統派ミュージカル部門>
オズの魔法使
サウンド・オブ・ミュージック
<近代的ミュージカル部門>
ヘアスプレー
ヘドヴィグ・アンド・アングリーインチ
<ピアノ部門>
海の上のピアニスト
戦場のピアニスト
<アニメ部門>
ライオン・キング
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
塔の上のラプンツェル
アナと雪の女王
メリー・ポピンズ(実写との融合だけど)
<ロックYeah!!!!部門>
スクール・オブ・ロック
デトロイト・ロック・シティ
<ジャズ部門>
セッション(2014)
バード(1998)
<ドキュメンタリー部門>
THIS IS IT
アンヴィル!~夢をあきらめられない男たち~
<ラップ(ヒップホップ)部門>
8Miles
SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
<セリフの全部(ほとんど)が歌になっている部門>
レ・ミゼラブル(2012)
TOKYO TRIBE
シェルブールの雨傘
<登場人物がクズばっかりだった部門>
シカゴ
イントゥ・ザ・ウッズ
<公式でミュージカルをイジッった部門>
魔法にかけられて
ザ・マペッツ
・・・
10個になんか絞れるかよ!
いやもうどれもこれも大好きなんだもん・・・。
あと10位に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を挙げようかと真剣に迷ったんだけど、やめて正解だったと思う。
え、いやあね、あのマシュー・マコノヒーの「ン~ン~!」だけで音楽映画にあげてもいいと思うんだけど。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でマシュー・マコノヒーが胸板を叩きながら披露するあの歌、通称チェストソングのリミックス動画。あのシーンは実は脚本にない即興だったようだ。♪ン〜ン、ン〜ン http://t.co/6l77rekkII pic.twitter.com/qNoC0END7Z
— 映画情報 オスカーノユクエ (@oscarnoyukue) 2014, 3月 12
残念ながらあの「ン~ン~!」はサウンドトラックに未収録らしい。それは入れなきゃダメだろ!
なお、『ブルース・ブラザース』と『バーレスク』は渋谷・池袋で年末年始に上映が決定しています。
自分はだいぶ『ブルース〜』の記憶が薄れているので、これは観に行くぜ!
また、多くの方がベスト映画に挙げている『ファントム・オブ・パラダイス』『ウエスト・サイド物語』『ギター弾きの恋』『ロック・オブ・エイジス』『ブラス!』などを観ていなかったことに気付きました。もっと観ないとなあ・・・。
〜みんなのシネマレビューのベスト音楽映画は?〜
老舗映画レビューサイト「みんなのシネマレビュー」では、ジャンルごとに映画一覧を表示させることができます。
これは最近のcocoやfilmarksにも搭載されていない機能。ぜひいろいろなジャンルを試してみてほしいですね。
「音楽もの」「ミュージカル」で検索したところ、それぞれのベスト10は以下のようになりました。
<音楽もの>
1 サウンド・オブ・ミュージック (1965年) 8.51点 385人
2 アマデウス (1984年) 8.38点 374人
3 アマデウス/ディレクターズカット (2002年) 8.30点 137人
4 セッション (2014年) 8.07点
5 天使にラブ・ソングを・・・ (1992年) 7.97点 302人
6 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ (1989年) 7.95点 85人
7 デトロイト・ロック・シティ (1999年) 7.80点
8 砂の器 (1974年) 7.77点 177人
9 歌え!ロレッタ 愛のために (1980年) 7.71点 32人
10 我が道を往く (1944年) 7.68点 35人
次点 グレン・ミラー物語 (1954年) 7.67点 31人(アマデウス/ディレクターズカットを除けば10位)
<ミュージカル>
1 サウンド・オブ・ミュージック (1965年) 8.51点 385人
2 雨に唄えば (1952年) 8.08点 236人
3 鴛鴦歌合戦 (1939年) 8.07点 39人
4 ロシュフォールの恋人たち (1966年) 7.90点 33人
5 ブルース・ブラザーズ (1980年) 7.84点 250人
6 屋根の上のバイオリン弾き (1970年) 7.75点 36人
7 メリー・ポピンズ (1964年) 7.74点 95人
8 ファントム・オブ・パラダイス (1974年) 7.74点 79人
9 ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993年) 7.73点 180人
10 白雪姫 (1937年)
『サウンド・オブ・ミュージック』が貫禄の2冠!
さすがはシネフィル(映画ファン)たちが集まる老舗サイト。なかなか渋いラインアップとなっていますね。
<もっと知られてもいいんじゃない?
いやあ音楽映画というジャンルだけでも多い&深いこと。
みなさんも、ぜひ音楽映画ベストに投票しましょう!
ネット上の投票企画の書きかたをチェックしてからどうぞ。ブログやツイッターをやっていなくても参加可能ですよ!
<音楽映画ベストテン受付中>(期間は12月12日(土)まで)
こちらも参考にしましょう↓
民朗の音楽映画ベスト10: ホラーショー!民朗の観たまま映画批評
くりごはんが嫌いな男が選ぶ音楽映画ベストテン - くりごはんが嫌い
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過去の投票はこんな感じ↓
個人的ホラー映画ベスト10
好きすぎて絞れない個人的SF映画ベスト10
本当は30位くらいまで選びたい個人的アニメ映画ベスト10
数または質で選ぶおっぱ○映画ベスト10
1.ジャージーボーイズ
(音楽を通じてガキから大人へ・・・)
2.バーレスク
(マムって、私ってもうそんな歳?)
3.天使にラブ・ソングを…
(ウーピー・ゴールドバーグはこの頃のキャラでまた暴れて欲しい)
4.デトロイト・メタル・シティ
(HKと同じく、よく映像化しようと思ったもんだ・・・)
5.サウンド・オブ・ミュージック
(マリア先生が可愛い過ぎる!)
6.スクール・オブ・ロック
(バカなオレが子ども達に教えてやれるものはコレしかねぇーんだ!!)
7.セッション
(レンタルでまた観てしまいました。やっぱりあのドラム描写は圧巻)
8.魔法にかけられて
(この辺りからディズニーがイイ感じに狂い始めた)
9.TOKYO TRIBE
(問答無用!キャストの熱演はもはや最低にして最高の芸術!)
10.フット・ルース
(ガーディンアズ・オブ・ギャラクシーのおかげで再燃)