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 経済低迷や政界の汚職事件で混乱するブラジルで2日、ルセフ大統領に対する弾劾(だんがい)手続きの開始が決まった。政府会計の粉飾に関わったとする違法行為の疑いが指摘されており、連邦議会の今後の審議によっては大統領の罷免(ひめん)につながる可能性もある。ルセフ氏は疑惑を否定しているが、審議は長期化が予想され、政治の混迷に拍車が掛かりそうだ。

 「ブラジルが政治的、経済的な危機を乗り越えるための判断だ」。この日、弾劾請求の受け入れを決めた連邦議会のクニャ下院議長は記者団に語った。今年になって野党などからクニャ氏に提出された請求は20件以上。弾劾手続きは憲法に規定された制度で、下院議長のみに請求許諾の決定権がある。

 ルセフ氏はこれまで、弾劾請求を巡る動きを「クーデター」として非難してきた。この日もテレビカメラの前で「下院議長の決定に憤慨している」と憤りを隠さなかった。