ぶんきち日記

「みる」スポーツの人気度

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朝日新聞では、団体競技と個人競技を分類して人気度のランキングを掲載していましたが、これを観戦意向度が高い順に並べてみると、以下のような結果になります。

1位 野球 26.0% 団体 2位 サッカー 16.7% 団体 3位 フィギュアスケート 10.0% 個人 4位 ラグビー 6.6% 団体 4位 テニス 6.6% 個人 6位 駅伝 5.6% 団体 7位 マラソン 5.0% 個人 8位 バレーボール 4.3% 団体 9位 相撲 2.2% 個人 10位 アメリカンフットボール 2.0% 団体 10位 ゴルフ 2.0% 個人 12位 競泳 1.8% 個人 13位 バスケットボール 1.6% 団体 14位 体操競技 1.4% 個人 15位 陸上競技 1.3% 個人 16位 柔道 1.0% 個人 16位 卓球 1.0% 個人 18位 シンクロナイズドスイミング 0.9% 団体 19位 ソフトボール 0.5% 団体 19位 カーリング 0.5% 団体

圧倒的に団体競技の人気度が高いことは明白ですが、個人競技でも、フィギュアスケートやテニスは、世界的にも活躍しており、選手個人に対する人気度が高いスポーツは、確実に上位にランキングされています。ちなみに、競泳や体操など、世界で勝てる力のある競技でも、あまり高い順位にないのは、大会の開催頻度が低く、観戦意向度は高くても、観戦機会があまりないからでは・・・・・、と考えます。 ひとつの調査結果ではありますが、これが一般的な人たちのスポーツに対する関心度、という見方をすると、人気の高いはずの団体競技でありながら、また、サッカーに次ぐ競技者登録人数の規模があるバスケットボールの人気度がかなり低いことが気になります。調査対象が朝日新聞の読者という限定されたものであることを鑑みても、他の競技の人気度合いを見ると、それほど偏った傾向は見られませんし、テレビ中継に限らず、試合会場での観戦を含めた人気度ということからも、その機会が少ない競泳や体操、柔道などと一概に比較対照することもできません。何が原因なのか・・・・・。

バスケットボールは、「みる」スポーツとしての存在価値がまだまだ低い?

バスケットボール以外にも、団体競技、特にボールゲーム種目で人気度が低いスポーツはいくつかあります。しかし、ソフトボールとバスケットボールでは、競技者登録人数に大きな格差があります。「する」スポーツとしての底辺がありながら、バスケットボール以下の底辺人口しかないラグビー、バレーボール、アメリカンフットボールなどと比べて、試合観戦に関心や興味度合いが低いというのは、一言で言えば、「みる」スポーツとしての魅力が、世の中に認知されていない、ということだと思います。最大の要因は、情報の発信力の弱さ、だと私は思います。メディアでの報道露出量、テレビでの試合中継の放送回数などなど・・・・・。 伊藤忠商事でNBAの仕事を担当していた時、当時の上司が事ある毎に言っていたことを思い出します。「まずは誰でも試合が見られる環境を作らなければ、何をやってもNBAの魅力は伝えられない。放送権料は二の次でいい。とにかく、見てもらわなければ、何も始まらない」、と・・・・・。これは、当時の上司がNBAコミッショナーのデビット・スターン氏(当時)から、口酸っぱく言われ続けていたことだそうです。確かに、NBAは、中国進出の際にも、同様の戦略を徹底していました。とにかく見てもらう。1990年に、世界で初めて北米大陸以外の地でNBAの公式戦が東京で開催されました。この時、冠スポンサーとして、放送を開始したばかりのWOWOWが満額で協賛の意志を表していたそうです。しかし、当時の上司は、これを見事に断りました。日本市場で人気を拡大するために、有料チャンネルだけで放送されることが、先の戦略に有効だとは考えなかったのです。数億円規模のスポンサー料を得て、試合そのものは成功に終わるでしょう。しかし、それでは極限られた人たちにしか、この試合を開催したことの効果は伝わりません。結果的に、試合中継はNHKが地上波で行い、冠スポンサーは、WOWOWの数分の一の規模で他のスポンサーが決まりました。その時の効果がどのようにもたらされたか・・・・・。数年後のブームを体感した人は、もうお分かりのはずです。

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今  昌司 / Masashi KON

専修大学法学部卒。広告会社数社で営業、スポーツ事業などを歴任。ナイキジャパンではイベントマネジャーとしてイベント業務、伊藤忠商事ではNBAの日本国内業務、主にスポンサーシップ業務を担当。各社勤務を経て、2002年よりスポーツ分野に特化したプランニング業務やイベントオペレーション業務を主としたフリーランスプランナーとして活動中(現在)。その他、2013年より2年間、帝京大学経済学部経営学科で非常勤講師、各所でスポーツマネジメント関連の臨時講師などを務める。スポーツビジネス全般に、スポンサー、広告会社、スポーツ組織、メディア等の様々な視点で実務に携わってきた経験から、「現場感覚」「現場視点」「現場思考」を大切にすることをモットーにしている。
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