東京都は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、都民のスポーツ参加率を高めて、より一層の盛り上がりを期待しているようです。東京都の調査では、現在の都民のスポーツ参加率は、約6割。これを7割台以上にしていくことが当面の目標だということです。確かに、スポーツを「する」ことは、スポーツへの関心や興味を高める効果は十分に期待できるでしょうが、大半は、スポーツというよりもジョギングやウォーキングといった軽運動です。やはり、オリンピック・パラリンピックを実質的に盛り上げていくためには、スポーツを「みる」ことへの関心や興味が増大していかなければ、盛り上がりの実態を創り出すことはできません。ここも、体育的発想のお役所感覚が、スポーツに対する考え方を変えていけない原因があるようにも思えるのですが・・・・・。 では、「みる」スポーツに対する巷の意識はどうなのか。スタジアムやアリーナでのスポーツ観戦から、テレビ中継でのスポーツ観戦まで、「みる」スポーツに関する調査データは、調べてみるとかなりの数がありますが、つい最近、朝日新聞の土曜日版別刷りに、読者に対するアンケート調査結果が掲載されていました。スポーツ競技別に、観戦したいスポーツを、団体競技と個人競技に分けて、その人気度を調査したものです。回答数が2,119人ということなので、統計的にはある程度の傾向が掴めるものだと思います。
「みる」スポーツの人気度は団体競技が高い
この調査には、「する」スポーツへの関心度もあり、以下のような結果が掲載されていました。 ・団体競技 37% ・個人競技 63% 実際に参加する機会があるかないか、ということを鑑みれば、やはり、団体競技は、日頃一緒に活動している仲間がいたり、継続的に活動している既存のチームなどの組織がなければ、なかなか機会すら見つけられません。個人競技ならば、街の体育館の一般公開日であれば、一人で行っても容易に参加できます。卓球やバドミントンが、底辺レベルでの参加率が高いのは、そうした理由があるからでしょう。性別や年齢による制限も、レクリエーションレベルではそれほどの障壁にもなりません。一方、団体競技は、サークルやチームが日常的に活動している状況を除けば、一人で参加する機会は、なかなかありません。私の住んでいる地域の体育館では、過去には、バスケットボールやバレーボールの一般公開日もあったのですが、現在ではありません。過去の状況においても、何人かの仲間で参加している人たちが大半で、一人で参加するひとはいないように見えました。従い、一般公開日であっても、参加している人はほとんど固定化されてしまっているようでした。指導員もいるにはいるのですが、ただ見ているだけ。一人で来ても気軽に参加できるような施策は全くありませんでした。
方や、「する」スポーツに対して、「みる」スポーツでは、この数値が完全に逆転しています。 ・団体競技 65% ・個人競技 35% 個人競技では、お気に入りの選手や話題の選手への関心が強くないと、なかなか観戦意欲が湧きません。チームスポーツは、対戦チームに特別な関心が強くなくても、なんとなく見てしまう。テレビ観戦でもそんな意識が働くのではないでしょうか。マラソンよりも駅伝が人気があるのは、やはりチームスポーツだからではないでしょうか。個人競技でも、国別対抗戦を大会化して人気を博しているケースが多々あります。フィギュアスケート然り、柔道然り。競泳や陸上競技でも、リレー種目は他の個人種目よりも人気が高いように思います。特に、日本チームともなれば、選手の名前は知らなくても、ついつい応援してしまう。日本人の気質でしょうか。
競技別でみる「みる」スポーツの人気度ランキング
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