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【石平のChina Watch】
倒産ラッシュ、人員削減…本格化する経済崩壊
9月24日掲載の本欄は、8月と9月に公表された一連の統計数字から、「崩壊へと向かう中国経済」の実態をリポートした。実は10月と11月に入ってからも、この国の経済の沈没ぶりを明確に示すような数字や報道が続々と出てきている。
まずは10月19日、国家統計局が第3四半期の経済成長率を発表したが、それは前年同期比6・9%で、今年上半期の7%よりさらに鈍化して、2009年第1四半期以来の低水準となった。
もちろん、政府が公表したこの「6・9%」の成長率、あるいは上半期の「7%成長率」は果たして本当であったかどうかも実に疑わしい。中国では、たとえば電力消費量の伸び率がいわゆる「李克強指数」の一つとして経済の実態をより適切に反映しているが、今年1月から9月までの全国の電力消費量伸び率が0・8%であったことは、10月22日の中国電力企業連合会の発表で判明している。
2013年は政府発表の成長率が7・7%であったが、同じ年の電力消費量の伸び率は7・5%であった。しかし上述のように、1~9月の電力消費量伸び率がただの0・8%であったならば、同じ時期の経済成長率は7%か6・9%であるはずはない。おそらく、0%成長に近い水準にあるのではないか。
そして、9月と10月の電力消費量は両方とも前年同期比0・2%減となって絶望のマイナス成長に転じているから、秋に入ってからの経済状況はさらに悪化していることがよく分かる。
対外貿易の関連数字も大変悪い。10月13日の中国税関総署の発表によると、1月から9月までの輸入は前年同期比で15・3%減となっているという。9月のそれは前年同月比で実に20・4%減となっており、輸入が急速に縮小していることがよく分かる。
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