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英下院、シリア空爆を承認 3日にも英軍参加へ
【ロンドン=内藤泰朗】英下院は2日夜、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の活動を封じ込めるため、過激組織の本拠地があるシリアへの空爆参加を求めた政府動議を賛成多数で可決した。英BBC放送は、早ければ3日にも、空爆が始まると伝えた。11月のパリ同時多発テロを受け、欧米諸国の過激派包囲網が強化された。
政府動議をめぐる英下院の討議は10時間以上にわたった。激論の末行われた採決で、道議は賛成397、反対223の賛成多数で承認された。動議は、英軍が精密爆弾を使った空爆などをシリアで実施すると明記したが、地上部隊の投入は否定した。
シリアに拠点を置くイスラム国への国際包囲では、ドイツが後方支援のため最大1200人規模の派兵を閣議決定したばかりだ。
英国は昨年以来、イスラム国を狙った米国主導の有志国連合によるイラク空爆に参加してきたが、シリアでは偵察飛行などにとどめてきた。パリでのテロ以降、フランスや米国が空爆への参加を求めていた。
英最大野党、労働党のコービン党首は「戦略なき空爆は状況を悪化させる」と反発。キャメロン首相はコービン氏を「テロリストのシンパだ」とののしる場面もあった。