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【イスラム国】
英軍がシリア初空爆 英下院での参加承認を実行
【ロンドン=内藤泰朗】英下院は2日夜、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の活動を封じ込めるため、過激組織の本拠地があるシリアへの空爆参加を求めた政府動議を賛成多数で可決した。3日のロイター通信は、英政府筋の話として、英軍がシリア国内の目標に対してただちに初の空爆を実施したと報じた。
空爆には英空軍の多用途機トーネードが複数参加した。攻撃には地中海のキプロスにある英軍基地が使用され、英軍機はすでに基地に帰投したという。作戦は英下院での空爆参加承認後、ただちに実施されたもよう。具体的な攻撃目標や、爆撃の効果は明らかでない。
英国は昨年以来、イスラム国を狙った米国主導の有志国連合によるイラク空爆に参加してきたが、シリアでは偵察飛行などにとどめてきた。パリでのテロ以降、フランスや米国が空爆への参加を求めていた。
空爆参加をめぐる英下院の討議は10時間以上にわたった。激論の末行われた採決で、動議は賛成397、反対223の賛成多数で承認された。動議は、英軍が精密爆弾を使った空爆などをシリアで実施すると明記したが、地上部隊の投入は否定した。
英最大野党、労働党のコービン党首は「戦略なき空爆は状況を悪化させる」と反発。キャメロン首相はコービン氏を「テロリストのシンパだ」とののしる場面もあった。