●”巣立ち”前に/「子ども劇場」に参加
「キャンパス・カフェ」2月号は、今春卒業するスタッフで作った。全員が夢を
叶えて就職する。学生から社会人へ、責任も重くなる。この機会に「おおいた子ど
も劇場」の活動に参加した。在学中にメンバーだったスタッフもいる。学生と社会
人、子どもとお母さんも一緒に活動する団体。異世代交流の場でもある。中学生が
企画する「高学年自主活動」(2か所)と、小さな子どもからお年寄りまで参加し
た「ブロック活動」を報告したい。
●屋外で元気よく/公園でたこ揚げ
1月25日、曇り、気温8度。寒空の大分市高尾山自然公園。
大分に来てから、子供たちがお正月にたこ揚げをしている光景を、見たことがな
い。塾やテレビゲームで忙しいのだろうか。だが「おおいた子ども劇場」では、た
こあげや集団あそび、キャンプなど子ども主体の活動を、毎月のように続けている
という。「城東グループ」のたこ揚げ大会に参加した。
僕自身も、たこを作るのは、小学生以来だ。あれこれ考えていると、まず中学生
がやってきた。サポーターの大学生と、今日作るたこについて打ち合わせた。話し
合いの結果、2グループに分けて作ることになった。
30分もたつと、たこを作る道具をリュックに詰めた小学生が、勢いよく駆け寄っ
てきた。まだ始まる前なのに、あっけにとられるほど元気だ。スロープを駆け登
る。次は遊具の場所へ。木に登る。実に元気がいい。昔の自分を見ているような気
さえした。テレビゲームなんてなくても、自然の中でゲームを作り出す喜びを、思
い出させてくれた。
たこ作りが始まる。中学生とサポーターの大学生が一緒になって調べてきた内容
を小学生に実演して見せた。あれっ? 2グループに分かれるはずが、いつの間に
か、バラバラ。時折、サポーターのお兄さんにちょっかいを出す子もいる。実に楽
しそうに、満面の笑みを浮かべている。こんな交流が、実社会での上下関係や他人
への接し方を覚える良い機会になっているのだと実感した。
工作もそうだ。最近は、何でも既製品で済ませてしまう傾向が強い。僕たちの世
代ですら自分で遊ぶものを作っていた。今の子どもにできないはずがない。機会が
与えられていないだけなのだ。慣れない手つきではあるが、なかなかサマになって
いる。
たこづくりが終わった。レジ袋がかわいい絵が描かれたたこに大変身した。みん
なで揚げる。うまく飛ぶのもあるし、なかなか揚がらないたこもある。子どもたち
は上手に飛ばそうと、広場を全速力で駆け回る。子どものころ、よく見た風景だ。
だが、今では珍しくなりつつある。
たこあげが終わる。息つく暇なく、陣取り合戦が始まった。そんな元気がどこに
余っているのか、と驚かされる。時計を見ると4時間もたっていた。子供たちにと
っては、よい経験だ。週に2、3時間、屋外で遊ぶ時間を作りたい。心身の成長に
必ずプラスになるはずだ。
●楽しくカード遊び
「はじめまして。M・Yです」「じゃあYちゃんということで」。私のあだ名が
決まるとさっそく、「おおいた子ども劇場・稙田(わさだ)グループ」の一員とし
て、カード遊びに加えてくれた。
年齢は関係ない。小学4年生から大学生まで、カード遊びに必死になれる13人が
集まった。百人一首。歌を覚えていなければ、札が取れない。運良く取れると、驚
くほど心が弾んだ。でも、結果2枚だけ。完敗だ。
かるた取り。こちらは暗記していなくても、札を取れる。しかしゲットすると、
一斉に「大人気ない!」と罵声が飛んでくる。気にせずに頑張ったが、今度も負け
た。
途中、中学生がうまく仕切って、2つのグループに分かれ活動した。トランプや
ウノなどで盛り上がった。時間を忘れるほど熱中したのは久々だ。忘れかけていた
何かを思い出した気がした。
●”老若一緒”に、お餅つき
2月1日。南大分公民館で、今年初めての南大分ブロックのブロック活動が行わ
れた。下は3歳から上は中1まで、お母さんたちや賛助会員のおばあさんたちを含
め、総勢26人で餅つきをした。
餅は機械でつく。つきあがるまで、雑煮に入れる野菜を切るなど事前準備。人数
が多いうえ、大半が小学校の低学年生だ。テーブルの上の片栗粉で遊んだり、調理
室にあった玩具で騒ぐなど、終始、楽しそうだ。
餅がつき上がると今度は、おばあさんたちがちぎった餅の争奪戦だ。丸い形だけ
でなく、平たい餅もある。くっついて1個分より大きくなったのもある。その一方
で、お母さんたちが、きな粉もちや、おろし大根とあわせた「す餅」、お雑煮を
着々と作って行く。
「いただきま~す」。みんなで手を合わせて、和気あいあいと話しながら、お腹
いっぱいに餅をたいらげた。
●「子ども劇場」
4歳の子どもから小学~高校生、大学生や社会人、子育てに励むお母さんや、そ
れを応援する人たち、さまざまな人で構成されている。人形劇や舞台劇・音楽な
ど、ナマの舞台を親子で見たり、遊びやキャンプなどの自主的な活動を通じて、子
どもたちの創造性と社会性を育むことを目的にしている団体だ。県内には5つの子
ども劇場があり、約1500人が会員として活動中。「大分県子ども劇場連絡会」の問
い合わせ先は、電話&FAX097-536-1038。
●ひと(大学人)
●県立芸術文化短大音楽科2年、村松大介さん(21)
●芸短ミュージカルに連続主演
甘い歌声に、多くの聴衆が魅了される。日本人離れした整った顔立ちだ。県立芸
短大が毎秋行うミュージカルに2年連続で主演。「嵐が丘」「ロミオとジュリエッ
ト」にチャレンジした。
昨年末には、大分T.O.P.S.でのアコースティックライブで、自作の曲を披露
し、存在感を発揮した。「夢は音楽プロデューサー」と語る眼差しは熱い。「部屋
に閉じこもって作業をする方が好きなんです」と、恥ずかしそうに語る一面もあ
る。華やかな舞台に立つ姿の裏側には、音楽経験を積むための努力を感じる。
恩師に美術コースを勧められるほど、絵を描く能力も高い。「音楽を作り上げる
ことと絵を描くことは、かなり共通する部分があると思うんです」。人間としての
レベルを上げるために、音楽以外にも積極的に取り組んでいる。
芸短大は女子学生が多い。幼いころから、女の子と過ごすことが多かったとい
う。「おかげで普通の男の子よりも、女の子の気持ちが分かるんですよ」。それが
作詞に役立っている。「好きな動物はウサギです」。
現在はソロ活動中だが、バンドの結成を計画。今夏には東京での音楽活動を目指
す。「保険がある生活は好きじゃない」。強い言葉に、夢を切り開くエネルギーを
感じた。
●ミニニュース/NBU学生がラーメンを共同開発
日本文理大の基礎教養科目「社会参画実習2」で、株式会社・温(ラーメンく~
た)と同大生が取り組んでいたラーメンの共同開発プロジェクトが完成。6日から
28日まで「ラーメンく~た大在本店」で、新商品を限定販売中だ。
新商品はとんこつ味と塩味の2種類。9日に東京で行われた「社会人基礎
力育成グランプリ2009」(経済産業省主催)で報告し、優秀賞を獲得。3月5日の
決勝大会に挑むことになった。