2012-08-17
小沢健二論
6月2日(土)の多元文化学会での「小沢健二の文化学」と題した発表に関して、
当日の様子・内容が分かるレポートが出ていた。
http://petsounds.blog12.fc2.com/blog-entry-502.html
ようやく小沢健二のテーマの時間になり、早稲田大学・文学学術院助手の柿谷浩一氏が話し始める。おそらく30代の方。申し訳ありませんが私はお名前を存じ上げておりませんでしたが、小沢健二をものすごく愛していらっしゃるのが伝わってくる方でした。
〔……〕
柿谷氏の発表は40分くらい。時間が足りなくてまだまだ話し足りない様子でした。たぶんこの方は小沢健二を語らせたら一日中話せるくらいの方だと思いました。最後に、「もしまたライブがあったら是非観に行ってほしい」と早稲田の学生さんに仰ってたのが印象的でした。
最近、デモや原発についても意欲的な発言をしている小沢健二に注目したのは、ブログでもあるように、
『日本原発小説集』の編者ならでは、という感じがある。
2012-05-13
早稲田にいるはずなのに・・・
文化構想学部の今年の授業に「震災後に読む文学」というのがある。
そのスピンオフ企画で「聴きとる術―震災後の人文学」と題されたシンポジウムも今度ある。
人づてに「日本原発小説集」を出してから、氏と親しい学生(?)のツイートなどによれば、興味深い発言をしているみたいなので、ぜひ足を運んでみようと思ったら・・・どちらの「震災後」企画にも名が見えない。
断ったのだろうか。
一筋縄でいかない先生らしくて、興味が高まる。
2012-04-26
「日本原発小説集」書評 その2
「東京新聞」(1月15日)の新刊欄では、次のような紹介がなされていた。
目に見えない放射能の不気味さを描いた清水義範「放射能がいっぱい」、原発建設によって死に絶えた寒村の悲劇の歴史を創造した野坂昭如「乱離骨灰鬼胎草」、外国人日雇い原発労働者の日本人への憎悪を扱った平石貴樹「虹のカマクーラ」など五篇を収録。一九八四年から九四年にかけて発表され、原発の危険や被害の恐ろしさを描いた物語から3・11後の現代日本が克明に浮かび上がる。
初出を見て、古い作品ばかりという印象は持っていたが、よく見てみると、80年代から90年代にかけての10年間に対象を絞り込んで、作品を選んであるようだ。「まえがき」が物足りない気がしていたが、この年代を限定した作品配置もみると「暗に読者に語ろうとする何か」が編者にはあったのかもしれない。書誌学を手掛けているならば尚の事。
2011-12-02
「日本原発小説集」を編じていた
柿谷浩一氏の仕事の追跡・記録。
春に急逝した江中直紀先生が授業で触れていた人である。
何度か言及していたので、ふと気になって調べてみた。
「奇才(あるいは鬼才)」。
執筆した年譜は、以前から現代詩の佐藤雄一氏も一目置いている。
書誌学の柿谷浩一という方がちょっとすごすぎる。年譜書かせたらいまこのひとにかなうひとはそうそういない、と思います。
先頃、水声社から刊行された「日本原発小説集」が目に止まった。編者に名がある。
清水義範、野坂昭如、豊田有恒、平石貴樹、井上光晴。
収録作家は「雑然紛然」で、奇才ぶりが現れている。
巻末に略歴が記されている。
「1979年富山県に生まれる」とあるので、32歳。
石原千秋と江中直紀に師事した奇才は、どんな人なのだろうか。