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 舞鶴引揚記念館(舞鶴市平)の今年度の入館者数が11月29日、5年ぶりに10万人を回復した。今年はリニューアルオープンしたうえ、所蔵するシベリア抑留・引き揚げ関連資料がユネスコ世界記憶遺産に登録されたことで、入館者が急増しているという。

 同館によると、入館者は開館3年後の1991年度に20万1425人を記録したが、近年は低迷。2012年度には6万9111人に落ち込んでいた。その後、世界記憶遺産の国内候補に選ばれたことなどを経て再び増加に転じていた。

 今年は9月28日の再オープンから11月24日までの2カ月弱に4万2733人が入館。前年度同期と比べて1・58倍、前々年度同期と比べると2・15倍と大幅に伸びた。特に記憶遺産登録と平和祈念式典が重なった10月10~12日は、前年度同期と比べて約3倍の3864人に達し、週末には今も1日1千人を超える日があるという。

 引き揚げ体験者の来館も増えている。リニューアルを機に始めた、来館した体験者を入館無料とする「永久パスポート」の申し込みも57人(11月26日現在)に。山下美晴館長は「登録効果で個人の来館者が増えているようだ。引き揚げ体験者の中には3世代で訪れる方もおり、史実を次世代に継承する目的にもかなう」と喜んでいる。(福家司)