東大寺大仏:「螺髪」は定説の半分だった
毎日新聞 2015年12月03日 11時10分(最終更新 12月03日 14時14分)
東大寺(奈良市)の大仏の丸まった毛髪「螺髪(らほつ)」が、定説の966個ではなく、半分の492個だったことが、レーザー光を使った科学分析で分かった。東大寺が3日、ホームページで調査結果を公表した。
大仏の正式名は「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」。聖武天皇が奈良時代の752年に造立し、今の大仏は江戸時代に修復された。東大寺によると、寺に残る文献では螺髪は奈良時代の造立時、966個あったとされる。江戸期の修復で増減があったかどうかは不明だが、背後に光を表現した「光背(こうはい)」があるため肉眼で数えることが難しく、文献に従って現在も966個とされてきた。
修学旅行生などから螺髪の数の問い合わせが増えたため、レーザー光で文化財を調べる技術を持つ東京大生産技術研究所の大石岳史准教授の研究グループに計測を依頼。その結果、螺髪の個数は492個で、うち9個は欠けていることが判明した。【皆木成実】