旧日本軍の元慰安婦たちの名誉を傷つけたとして、韓国の検察が起訴した世宗大学の朴裕河(パク・ユハ)教授(58)と、その著書『帝国の慰安婦』をめぐり、2日に記者会見と知識人たちの声明文発表が相次いだ。
まず、当事者である朴氏はこの日午前、韓国プレスセンター(ソウル市中区)で記者会見を開き「この本は元々、日本にこの問題に対する関心を促し、(慰安婦問題に対し)目を背けたり、否定したりする人たちの考えややり方にはどのような問題があるのかを分析するために書いた本だ。そんな私が元慰安婦のおばあさんたちを批判したり、こき下ろしたりする本を書く理由はない」と主張した。
またこの日、朴氏の著作を支持、または批判する知識人グループたちが同時に声明文を発表した。両グループとも、学問の研究者による著書に対し、法廷で刑事責任を問うというやり方は正しくないと批判したが、各論では立場の違いを見せた。
金炳翼(キム・ビョンイク)元文化芸術委員長や延世大学の文正仁(ムン・ジョンイン)教授、 同大のチョン・グァリ教授など約190人は「『帝国の慰安婦』刑事起訴に対する知識人声明」を発表し「検察側の起訴理由は、本の実際の内容に照らし合わせれば妥当ではない」と主張した。問題となった「自発的な売春婦」という表現は、著者のオリジナルではなく、慰安婦の存在自体を否定する日本の右翼を批判するため、著者が彼らの発言内容を引用したものであり、「(日本軍と慰安婦の)同志的関係」という表現もまた、「帝国主義の戦争に動員された植民地の朝鮮人たちの事情を客観的に考察する意図で用いた」というわけだ。