エアジア機墜落はシステム不具合が原因と はんだ付けにひび
- 2015年12月2日
昨年12月にインドネシア沖でエアアジア機が墜落し162人が死亡した事故について、インドネシアの国家運輸安全委員会は1日、システムの不具合が墜落の主要因だったとする調査結果を発表した。
当局者は、フライト中に飛行機の方向舵システムが4回にわたり不具合を起こしていたと指摘した。同様の不具合はそれ以前の1年間で23回起きていたという。
委員会の報告書は、操縦士たちの対応も事故につながったとしている。
昨年12月28日にインドネシアのスラバヤからシンガポールに向かっていたエアバスA320-200型機は、インドネシア沖のジャワ海に墜落した。
当局は当初、悪天候が主な原因だとみていた。約1年の調査を経て発表された報告書は、方向舵を操作する電子部品のはんだ付けにひび割れがあり、コックピットに警告が4回発せられていたと指摘している。
操縦士はコンピューターシステムを再起動させようとしたが、自動操縦を誤って解除し、飛行機の制御を失った。その後、飛行機は「失速状態が長く続き、操縦士たちには回復できない状況になった」という。
「驚き混乱」――報告書の主な内容
- 操縦士はサーキットブレーカーを引き、コンピューターシステムを再起動させようとしたとみられる
- そのため自動操縦が解除された
- 自動操縦の解除後、経験の浅い副操縦士が操縦かんを握った。しかし、自動操縦なしだと飛行機はいつもと違う動きをする
- 当局者によると、飛行機が傾き、副操縦士は「驚き混乱」していたように思われるという
- 操縦士が操縦かんを取ろうとする様子はなかった。本来はそのような対応が求められている
- 操縦士と副操縦士とのコミュニケーションがうまくいっていなかった様子がある。ある時点では、2人が操縦かんを反対方向に向けていた
報告書によると、方向舵の不具合は事故前の1年で23回起きていたことから、整備士たちは問題を知っていたが、コンピューターシステムの再起動がひとつの対応策となっていたという。
不十分な整備のために「未解決の不具合が短い期間に何度も起きていた」と報告書は指摘している。
報告書は、だれの責任であるかを特定するのではなく、運輸業界が事故の再発を予防するためにまとめられている。
息子のビマ・アリ・ウィカクサナさんを事故で亡くしたスリ・ブディ・シスワルダニさんはBBCの取材で、「報告書であの時の悲嘆がすべてよみがえった(略)エアアジアに対して怒りを持ちたくない。怒ってどうなるというのだろう。結局私が傷つき、前に進めなくなってしまう」と語った。
「神のおぼしめしだと受け入れる。ただ、このようなことがまた起きないよう政府にきちんと対応してほしい。12月28日の悲劇が繰り返されないように」
<英語ビデオ>スリ・ブディ・シスワルダニさんの息子は初めての海外旅行で事故に遭った
マレーシアに本社があるエアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、「エアアジア、飛行機の製造者、航空産業が学ぶべきことは多い」と述べた。「この悲劇的な事故から産業全体が教訓を得るよう、ありとあらゆることに目を向ける」。
報告書は、事故を受けてエアアジアは安全基準を向上するため51項目にわたる措置を取ったとしている。
一方、エアバスの広報担当者は「事故についての最終的な報告書を受け取った。内容を慎重に検討している。安全は我々の最優先事項であり、エアバスには、航空産業の安全に関するこれまでの実績を将来につなげる強い意思がある」と述べた。
墜落した飛行機の残骸はボルネオ島近くのジャワ海の海底で見つかった。乗客の大半はインドネシア人で、ほかにフランス、シンガポール、マレーシア、英国からそれぞれ1人、韓国から3人の犠牲者が出ている。
遺体がこれまでに見つかったのは106人。
2014年には飛行機の事故が相次いだ。3月にマレーシア航空MH370便が消息をたったほか、7月には同航空のMH17便がウクライナ東部で墜落している。