フェイスブック創業者 保有株の99%を慈善活動に
- 2015年12月2日
米フェイスブックの創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカ―バーグさんと妻のプリシラ・チャンさんは1日、保有するフェイスブック株の99%を慈善活動に寄付する計画を発表した。寄付額は現在の価値で450億ドル(約5兆5350億円)に上るという。
ザッカ―バーグさんがフェイスブック上で、2人の最初の子どもマックスちゃんにあてた手紙の中で明らかにした。
ザッカ―バーグさんは、マックスちゃんがより良い世界で育つことができるよう、夫妻が新設した慈善団体「チャン・ザッカ―バーグ・イニシアティブ」に寄付するとした。
マックスちゃんは先週生まれたばかり。夫妻は誕生の公表と共に寄付の発表を行った。
ザッカ―バーグさんは手紙の中で、「チャン・ザッカ―バーグ・イニシアティブ」が「人間の可能性をさらに前進させ、次世代の子どもすべてが平等を享受できるようにすること」を目指すと説明した。
新団体はまず、一人ひとりに合わせた学習プログラム、疫病撲滅、人々を結びつけコミュニティーを強めることに取り組むという。
ザッカ―バーグさんは手紙の冒頭で、「君の母親と僕は、君が僕らに与えてくれた未来への希望をうまく表現する言葉をまだ見つけられていない」とマックスちゃんに語りかけている。「君のおかげで、僕たちがどんな世界に住んでいるのか考える理由ができた」とも。
デイブ・リー、BBC北アメリカ・テクノロジー担当記者(サンフランシスコ)
カリスマ投資家ウォーレン・バフェットさんも夫妻の子ども誕生を祝福。「今の30歳は昔の70歳」と言い、昔なら70歳で行っていたような資産の寄付を今の実業家は30歳でやると称えた。
バフェットさんは、億万長者が富を次世代に渡すのを死期まで待つ必要はもうないとして、シリコンバレーで最も新しく、かつ影響力のあるパワーカップルの決断を強く支持した。
ザッカ―バーグさんの一挙一動は大勢に注視されている。これは、フェイスブックが個人情報の収集で利益を得ていることと決して無縁ではない。
ザッカ―バーグさんのこれまでの慈善活動は、フェイスブックのユーザー拡大目的だと批判されてきたが、今回の寄付表明はフェイスブックの事業を横にどけたものと言えるだろう。
過去6カ月間の展開の延長とも言える。ザッカ―バーグさんは世界の指導者を迎える時も、自社開発チームに接するのと同じようにリラックスしている。
ザッカ―バーグさんが風変りな技術オタクだという見方はすでに過去のものだ。
世界政治の舞台の重要人物になること。今やそれが彼の目指すところだと言うのは、目にも明らかだ。
ザッカ―バーグさんは、フェイスブックのCEOの地位に「これからも何年も」留まると述べた。フェイスブック社は、ザッカ―バーグさんが「予見し得る将来にわたって」支配株主であり続けるとしている。