韓国・光州に開館の国立アジア文化殿堂 地域発展に期待

【光州聯合ニュース】韓国南西部、光州市に先ごろ、複合文化施設「国立アジア文化殿堂」が正式にオープンした。

 1980年の光州民主化運動の歴史的現場となった旧全羅南道庁跡に開館した大型複合文化芸術機関で、五つの主要施設からなる建物群は延べ16万平方メートルに達する。

 アジアの文化中心都市としての同市の発展をけん引していくことが期待されている。

 ◇地域経済活性化へ期待

 施設の周辺地域は2005年に道庁が移転してから急速に衰退していったが、施設がオープンしたことで周辺の様子にも変化が出始めた。

 個性的なカフェやアーティストのアトリエが立ち並び、週末になるとカップルがデートで訪れるようになった。

 来年には167万人が同地域を訪れると予想されている。

 国立アジア文化殿堂は光州の周辺地域で行われるフェスティバルの際にはシャトルバスを運行する。同地域をアジアを代表する観光名所に育てるため、自治体と高速鉄道(KTX)、高速バスなどと連携した観光プログラムも開発する計画だ。

 ◇創作・制作を支援

 国立アジア文化殿堂は単純に作品の展示や公演を行う場にとどまらず、アーティストが作品を作る制作基地の役割を担う。

 ここで作られた作品を国際的なネットワークを通じて世界に流通させ、アジアを代表する文化商品に育てる戦略だ。

 国立アジア文化殿堂が海外の機関と共同出資し製作した公演作品は、同施設での公演後に2年間の海外公演が予定されている。  

 ◇地域との連携が課題

 建設を担当したアジア文化中心都市推進団は、地域の文化芸術界から「コミュニケーション不足」という批判を受けた。

 施設で扱うコンテンツを決める過程で地域の文化芸術界の声を反映させず、文化芸術関係者の参加も制限したためだ。

 推進団はこうした批判に対し、光州にあるものの国が運営する施設であり、世界を志向しているため、国際的な視点で施設のコンテンツを決めるとの立場を示した。

 その上で、今後は地域とのコミュニケーションを通じ開かれた姿勢で運営していきたいと説明した。

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