韓国の物価上昇率、1年ぶりに1%回復

 韓国統計庁は1日、11月の消費者物価が前年同月に比べ1%上昇したと発表した。昨年11月以来初めて0%台から脱出し、デフレ懸念が低下したという点では朗報だ。背景には原油価格下落による影響が低下したことや生活必需品の値上がりがある。工業製品の値下がりも10カ月ぶりに止まり、消費回復が裏付けられた。

 ただ、市民生活に直結する一部の生活必需品や公共料金が急騰し、庶民の生活には負担となりそうだ。

 これまで物価上昇率が低水準で推移したのは、昨年第4四半期以降、原油価格の急落が原因だった。しかし、統計上の数値押し下げ効果が消えたことで、物価上昇率が上向いた格好だ。

 さらに、たばこ、賃貸住宅の保証金、食料品などの生活物価が急騰し、物価全体を押し上げた。

 食料品ではタマネギ(98.9%)、ネギ(42.7%)、ニンニク(35.0%)などの上昇が目立ち、サービス料金では下水道料金(17.3%)、鉄道運賃(15.2%)、学校給食費(10.1%)、集合住宅管理費(4.2%)などの上昇幅が大きかった。賃貸住宅の保証金も1年で4%値上がりした。

 価格変動が大きい食料品やエネルギーを除いて算出したコアの物価指数は2.7%の上昇で、2011年11月以来4年ぶりの大幅な上昇となった。

 企画財政部は統計上の数値押し下げ効果が消失したことや内需回復で今後物価上昇圧力が続くとみており、庶民生活に直結する体感物価を徹底的に管理していくと説明した。

チェ・ギュミン記者
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