第二に、共生基金が今後FTAを追加締結する際の農漁業支援に悪しき先例となりかねないことだ。許允(ホ・ユン)西江大国際大学院長は「今後米国と日本が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)や中国を軸とする東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に加わる際、別の名目の基金がつくるなとは言えない」と話した。財界幹部は「悪しき先例を残すものであり、大統領が拒否権を行使してくれればとさえ思う」と語った。
第三に政府財政が全く投じられないわけではない点だ。1兆ウォンの寄付金に対する税額控除を考えると、損失認定による法人税減免(最大2200億ウォン)と税額控除(7%に相当する700億ウォン)を合わせ、事実上2900億ウォンの財政資金が投入されることになる。また、政府・与野党は合意文書で「もし自発的な基金の資金調達額が年間目標に達しない場合、政府はその不足分を補う必要な措置を取る」と明記した。寄付金が不足すれば、政府が責任を取るという話だ。
これについて、産業通商資源部の金学道(キム・ハクト)通商協力室長は、政府の合同記者会見で、「(既にさまざまな寄付金を拠出している)企業が毎年追加で1000億ウォンを出すことは負担ではない。企業に割り当てを行うのではなく、自発的な寄付を求める」と述べた。その上で、「寄付金が目標に達しなくても、予算措置や追加的な財政負担はない」と説明した。