まずはそれを覚えて頂きたいと思います。
45度大切にします。
(母)お父さんそういえば掃除機が壊れちゃったんです。
(父)あの掃除機も結婚したときに買ったものだから20年近く使っていたよな。
新しいのを買わないとな。
(妹)私ロボット掃除機がいいなあ。
(兄)便利そうだよね。
母さんも楽になるんじゃないの?
(父)そんな。
ロボットにちゃんと家事なんてできるのか?
(母)あらあなたたち毎日ロボットの作った御飯を
(ロボット風に)食べているのに…。
(父)えっ!
(シャッターを閉める音)
(又吉)うん。
(大竹)何してるんすか?いやあの「Pepper」っていうんですけどギャグできるんですよ。
へぇ〜!面白いっすね。
あのうお笑いの大会も出てて1回戦突破してるらしいんすよね。
すごいっすね。
一応僕はもう先輩としてね何か教えてあげれることがあるんじゃないかと思ってちょっと見てたんですけど。
ライバルなんじゃないですか?後輩っすね。
後輩っすか?16年やってるんで。
一緒にするなと?彼は感情認識型ロボット。
単にギャグを披露するだけではなく会話や滑らかな体の動きで人とコミュニケーションを取ることができるのです。
又吉さんテクノロジーの進歩って日進月歩なんですよ。
ああそうですね!だからこういうテクノロジーの進歩が私たちの生活にどんな影響を与えるか経済学どんどん研究進んでるんですよ。
そうなんすか?はい。
今回はますます進化するテクノロジーと経済学の関係について見ていきたいんです。
わかりました。
どうぞよろしくお願いします。
お願いします。
じゃあPepper自習しといてください。
では。
勝手にやってますね。
はい。
街なかに普通にロボットがいてコミュニケーションを取ったり人間をサポートしてくれる世界。
実際にすぐそこまで来ているようですよ。
というわけで今日は最新のテクノロジーが私たちの生活をどう変えていくのか経済学から見ていきましょう!
(テーマ音楽)大竹先生今日はテクノロジーを経済学で見るんですよね。
そうなんですよ。
ここではね最新のテクノロジーがたくさん紹介されてるんですよ。
へぇ〜!最新のテクノロジーですか。
はい。
まずは見てみましょうか。
はい。
こちらは科学の視点から地球に起こっているさまざまな出来事を展示し紹介してくれる施設。
最新の科学技術に触れることもできるのです。
あれ?人がいますね。
そうですね。
ん?
(オトナロイド)又吉さんこんにちは。
うわっ!これ人じゃないっすね。
(オトナロイド)今日は経済学からテクノロジーを見ていくんですよね?はい。
そうです。
私たちも最新のテクノロジーなんです。
へぇ〜!あっこれアンドロイドですか?そうなんです。
人型のロボットアンドロイドなんですよ。
へぇ〜!そっくりですね人間に。
そうですね。
わかんないっすねこれ。
近づかないと。
おきれいですね。
(オトナロイド)ありがとうございます。
こちらの方もアンドロイドですか?
(石黒)こんばんは。
あっ人ですね。
人ですよ。
よかった。
実はこの方ねこのアンドロイドを作られたロボット学の研究者石黒浩さんなんです。
大阪大学特別教授の石黒浩さん。
アンドロイド研究の第一人者。
自身のアンドロイドジェミノイドを作りロボットと人間の関係などを研究。
どちらが本人かわからなくなりそう!う〜ん。
ホントにそっくり!10年前の又吉さんと今の又吉さんというのは見た目もかなり違うはずですよね。
全然違うでしょうね。
でも…そうですね。
どうしてだと思います?まあそのあれじゃないですか?アンドロイドが徐々に改良を加えて先生に近づけてるとか。
うん。
はい。
どうなんですか?
(石黒)そうですよ。
えっどういうことですか?自分変えるほうが安いんですよ。
あっ石黒先生自身がアンドロイドに寄せてるということですか?そうそう。
アンドロイドの顔をね例えば10歳年取らすには300万円ぐらいかかるんだけど人間の場合10歳若返らせるのに100万円ぐらいで大体できる。
(笑い声)なるほど。
すごい面白いのはアンドロイドを作る技術と美容整形の技術って割とねよく似てるんですよ。
へぇ〜!レーザーをどちらも使うとかね。
はいはい。
じゃあ先生が変わってないんですね昔から。
そうですね。
だって年取ってね年寄りになったアンドロイド作りたくないじゃないですか。
はいはい。
だから最初に作った時の年齢にできるだけ近づけようというかキープしようとしてるんですけど。
又吉さん。
はい。
テクノロジーの進歩はすさまじいものがありますよね。
はい。
実際に…まあ今この現状がまさしくそうなんですけどアンドロイドとしゃべってるというのがすごい進歩やと思うんですけど。
そうですねあのうやっぱり携帯電話とかですかね。
うん。
スマホとかはやっぱりコンピューターを持ち歩いてるようなもんだと思うんでそれは想像できなかったですね。
うん。
僅か十数年前っていうのはこの収録場所にある多くのものというのがなかったと思うんですよ。
例えばそのうプロデューサーが持ってるデジカメそうですしディレクターが持っているタブレットというのもそうですよね。
それからえ〜とどっかに謝罪の電話しているADさんのスマホというのもやっぱりなかったですよね。
そうですね。
増えましたよね。
いろいろ。
そうですね。
やっぱりいろんな新しいものが私たちの身近にたくさん出てますよね。
石黒先生は子どものころから考えてこういう時代が来るって想像されてました?僕もちろんそんなに想像力豊かじゃないというかわからなかったですよね。
一番僕が何か奇妙だなぁと思うのは電車に乗ってるとみんながね四角い箱みたいなものの表面をスリスリなでてるんですよ全員が。
もうね気が狂ってるとしか思えないですよね。
ちょっと引いてみたらね。
う〜ん。
だからあんなシーンが現実世界に生まれるというかみんな何を一生懸命こすってるんだろうとか思ってるんですけどね。
あれはだから映画にも出てこなかったですね。
だから現実のほうがね映画よりも面白いというか人間何て言うか受け入れたら何でも受け入れちゃうんだなという感じになってますよね。
そうですね。
イギリスの経済学者ケインズは1930年に現在の科学技術を予想してエッセーを書きました。
85年前の想定が現実になった今経済学ではテクノロジーの進化をどのように受け止めているのでしょう?新しい技術の多くはコンピューターの進歩とかコンピューターをつないだインターネットの出現というのがやっぱり関係してますよね。
はい。
石黒先生…僕は続いていくと思いますね。
え〜とあのまあコンピューターの進歩については「ムーアの法則」と言って毎年2倍ずつ速度が速くなると。
その2倍というのはある意味大したことはないわけですね。
なぜかというとコンピューターを設計するのにコンピューター使ってるわけですよね。
すさまじい速さで進化するテクノロジーはコンピューターが他の技術と結びつき次の重要な発明が登場するまでの期間を短縮。
イノベーションの速度を加速させていると考えられているんです。
普通は直線的に進歩すると私たち思いやすいんですけれども加速的に進歩していくというのはこのコンピューターの技術革新の様子をうまく説明してるんですよね。
ツールが変わってるのでえ〜と何ていうんですかね…新しい道具はこういうふうに増えていくんだけど能力がこう急激に上がっていく…。
ただその能力がえ〜と加速度的だからといって世の中ものすごく急激に変化するかというとえ〜とあの最後はもう何ていうんですかね。
ムチャクチャな速度で進歩するようにみんな感じるかもしれないですがコンピューターにできることって限界があるわけですよ。
その次にロボットが出てきてその次に何か違うものが出てきて新しいものが出現していかないといけない。
コンピューターの速度だけでいうと加速度的かもしれないけれども世の中の変化は本当に加速度的かどうかというのはまだちょっと僕はあのはっきりしたことは言えないかなぁとは思ってますね。
なるほど。
ちょっと安心しますよね。
そう言われると。
そうですね。
予測つかいないですもんね。
うん。
つまり…
(オトナロイド)又吉さん。
はい。
なんですか?はい。
朝は何時にどうやって起きました?朝はやっぱりスマホの目覚ましでアラームが鳴って起きましたよね。
それでまあえ〜タクシーに乗ってええ現場に向かいました。
うん。
まあ実はね結構コンピューターのお世話になってるわけですよ。
そうなんですか?はい。
又吉さんが目覚ましに使ったスマホはまさに小さなコンピューター。
移動で乗ったタクシーにはカーナビが。
これもコンピューターの一種。
途中で立ち寄ったATMもコンピューター。
ネットワークで銀行とつながっています。
道路の信号もコンピューターで管理。
収録で訪れたビルは自動ドアも空調もコンピューター制御。
とまあこんな具合です。
(石黒)例えばビルの自動ドアなんていうのはかなりコンピューター制御されててえ〜と自分の部屋を出るでしょ。
そうするとねエレベータが迎えにくるというのもできてるんですよね。
へぇ〜!じゃあどこにでもあるんすね。
こういうふうにねさまざまな応用が利く技術っていうのがコンピューターの特徴ですよね。
そういうのを経済学では「汎用目的技術」というわけですよ。
これもコンピューターテクノロジーの特徴ですね。
うん。
…というふうに言われてるんですよね。
そうなってますよねでも。
いろんなとこにあって。
コンピューターが全部止まっちゃうとなかなか生活できないですよね。
…というふうになってるなぁとは思いますね。
そうですね。
今や農業もコンピューター化。
こちらの畑では肥料の供給をコンピューターが管理。
生産性を高めています。
学校にもITの導入が進みよりわかりやすい授業が行われています。
外科手術も今やロボットが…。
将来は医者のいない離島などでも遠隔操作で手術が受けられる体制を考えているのだそうです。
今まででは想像できなかったような分野にまでコンピューターが仕事に変わっていくというふうに考えられると思うんですよ。
はい。
そういう影響を少し考えましょうか。
はい。
あの経済学でねそういうふうにコンピューターあるいは技術革新で今まで人がやってた仕事が置き換えられてしまうというのは「技術的失業」とか「テクノロジー失業」というふうに呼ぶんですよね。
急速に機械化工業化が進んだ18世紀から19世紀初めの第1次産業革命のころ。
技術的失業を恐れた労働者による「ラッダイト運動」という機械の打ち壊し運動が広がりました。
同じようなテクノロジーによる失業の波が今私たちの生活に押し寄せているかもしれません。
授業で習った事あるような気がしますけど今聞くとすごいインパクトありますね。
ねえ。
はい。
今のテクノロジーの進化の過程でも消えてしまった仕事ってありますよね。
ああまあ例えば駅で昔は切符ねえ駅員さんに切ってもらったりしてましたよね。
そうですよ。
今もう切符さえ消えつつありますもんね。
そうなんですね。
例えばね又吉さん先ほど後輩芸人ロボットのPepperというのがいたじゃないですか。
いましたね。
それがもっと人工知能を備えてさらにビッグデータにアクセスするというふうにすると過去のお笑いの分析をもうPepperができるようになって笑いを徹底的に究める。
そうすると又吉さんの仕事を奪いかねないんじゃないですか?どうなんすかね。
なんかそのうある1つのキャラクターとしてそういうロボット系という流れがもしかしたらできるかもしれないんですけどそれがその本流になって人間の芸人がいなくなるということはないと思いますね。
結構自信持ってますね。
お笑いの研究って結構研究者好きなんですよね。
うん。
だからどうやったらその人を楽しませるような話ができるかとか。
…な気は何となくしますけどね。
と言われてますけど又吉さんどうですか?いやその僕より先生のほうがロボットの事知ってるんでどれくらいロボットができるかというので多分考え方違うと思うんですけどそうですねこれを見てると可能性あるやろうなとは思いますね。
ここまで人間に近かったら。
ただそれはあのう単独では難しいやろなと思いますねやっぱり。
ロボットだけではお笑いはできない?怖くなってくると思うんすよ。
メチャクチャ面白くても。
1回こいつら黙らそうぜとなるんちゃうかなと思うんですよ。
(笑い声)面白くなりすぎたら。
うん。
これって今お笑いだけやってるけどちゃうこと考え出したら脅威やなみたいな。
又吉さんの仕事をロボットがやっぱりいつ奪うのかあるいは奪えないのかというのは今の段階ではなかなか難しい話ですよね。
でも既にネットショッピングの台頭で立ち行かなくなってしまった商店というのは多いと思いますしロボットの導入で仕事がなくなってしまった工場などもあるはずなんですよね。
又吉さん。
はい。
こちらをご覧ください。
はい。
こちらはアメリカの例なんですが経済成長の中で一番大事な指数の生産性というやつがあるんですが。
アメリカの「生産性」と「雇用」の推移を表したこちらのグラフ。
2つはほぼ並行して伸びてきましたが2000年ごろを起点に雇用の伸びは鈍くなります。
しかし生産性は落ち込んでいないのです。
これはまさに……と考えられています。
日本でもロボット産業の成長は著しく20年後の2035年には10兆円規模になると考えられています。
ロボットがもっと増えるということですよね。
そうですね。
だからロボットの生産するものの需要が増えると。
だからロボットが全部作ってくれるようになったらそれを安くていいものが買えるわけですからそういったものを買いたい。
そうするとロボットを持っているまあ資本家の所得が増えていって人間はね要らないという話になってくると…問題はその所得分配だと思うんですよね。
私たちの仕事がどんどん減っていくけども生きていくためにはお金が要ると。
一方で機械設備を持ってる人とか……こうロボットが稼いでくれる訳じゃないですか。
そうすると…だからなんかロボットを作る無人工場があってそれを所有する資本家が所得を得る。
で持ってない。
今までだったら仕事をしてた人たちの所得が急激に減っていくという可能性はありますよね。
それがなんで駄目なのかが僕はわからないんですけど。
生活のレベルが底上げされるわけですからもうみんなお金のために働かなくっていいって思うんじゃないんですかね。
ロボットを所有してない人たちは所得は減るわけですよね。
でも今の若い子たち見てるとそんなになんていうか給料もらわなあかんという感じでガムシャラにやってないんですよね。
要するに何しててもそれなりの生活はできるからむしろそれよりももうちょっと好きなことをしようとかそちら側に価値がシフトし始めていて要するに賃金のためだけに働くという時間が少なくなっていく世界がやってくると僕は思ってるんですね。
移行しきったら完全にそういうふうになるかもしれないですよね。
移行する過程でその苦労する人はもしかしたらいるかもしれないですね。
そこをどういうふうにするかというのが問題かもしれないですね。
今と同じ今の働き方で生活してきた人が急にその速度にもよるんですけど……っていう人がもしかしたら出るかもしれないですね。
なるほどね。
やっぱりテクノロジー進化するとね確かにあのう新しい時代に適応できた人は職も失わないしあるいはそういう時代の生活に対応できる。
だけど又吉さんおっしゃったみたいにそのスピードが問題でやっぱりすぐにはそういうふうに対応できない人もいるし生活の価値観も変えられないしっていう人たちがやっぱり出てきてある程度は混乱あるいは失業問題とか貧困問題起こると思うんですよね。
でそういうのがテクノロジーの負の側面というか厳しい未来の一面なんですけれどもプラスの面もたくさんありますよね。
僕プラスの側面ということなんですけど…だから例えば動物と人間はどこが違うかというと…だから人間は遺伝子以外に技術という進化の方法を持っていて。
例えば携帯電話もそうですけど動物から見たら超能力者ですよね。
アメリカいる人間としゃべれるなんていうのは。
だから僕らはそうやって…で大体その技術のヒントというのは人間の能力人間はこういう事ができるからこういう機械を作ってみようというところに全て…その能力をどこまで拡張できるかというチャレンジをし続けてるんですね。
だから最も重要な技術のそのえ〜とプラスの側面というのは進化そのものだと思うんですね。
なるほど。
又吉さんがやってきたのは埼玉県にある工場。
これからの時代日本人の働き方に大きなヒントになるのだそうですよ。
あっおはようございます。
(飛田)ようこそお越しになりました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
こちらの工場ではレジの釣り銭機などの部品を作っています。
人に交ざって働くのは19台のロボット。
2本の腕がまるで人間のようですね!今ですね…ああホントっすね。
そのボタンが押されてないと下の台車が動かないようになってます。
へぇ〜!ロボットが次にどのように動くのか周囲の人たちにもわかるように移動するときにはロボットが自分でボタンを押しながら動くのです。
(松本)そうですね。
え〜と…仲間という感じですか?そうですね。
ロボットの導入は工場で働く人の作業の生産性を上げる効果もあったといいます。
えっとそうですね。
そのときはちょっと「あっ!ごめん止めちゃって!」っていう感じですかね。
なるほど。
はい。
そっか。
だからロボットが来るからこっちの何か意識というか…そうですね。
実は会社にとってロボット導入は苦肉の策でした。
え〜とそういうわけではございません。
最近……というふうに考えております。
なるほど。
まあ働いてる人が少子化とかの問題もあって減ってきてるというのが背景にあると?はいそうですね。
その代わりにロボットが導入されてきていると。
はい。
あ〜。
このようにロボットと人が協力し合い働く職場はこれからどんどん増えていくと考えられています。
そういう場合に…えっと人間とロボットが働くにはロボットがもっと人間のような柔軟性を持たないといけないのでこういうアンドロイドの技術もねそういったところに生かせるんですけど。
例えば手を押したときに昔の産業ロボットだと全然押せないというかすごい力でギュッと止まったままなんですよね。
それやと危ないじゃないですか。
例えばロボットがグッと動いた時に人間ぶつかったらすごい大ケガしますよね。
でももっと何ていうか多分そのアンドロイドの腕とか触って頂くとわかりますけど結構柔軟性があるんです。
あっホントだ。
縦にこういうふうに動かしてもらうと今制御がされてるにもかかわらず外側から簡単に動かす事できます。
ああいう人間らしい柔軟性を持たさないと一緒に働くには怖いじゃないですか。
今急にね産業ロボットみたいにバーンって大竹先生殴ったら大変な事に。
従来のロボットだったらなるんですけどこの子はならないんです。
体がまあ要するに柔らかい人工筋肉みたいな感じでできてるのでそういう研究をいろいろやってます。
なるほどね。
一緒に働くという意味ではロボットは人間らしくならないと駄目だということなんですね。
まあ他にもねその高齢化でその介護者が不足しているというのありますよね。
そういう仕事もテクノロジーでカバーできるってことができそうだって言われてますけれども。
実際石黒さんもロボットは介護現場でもっと活躍できると考えます。
日本の多くのロボットの研究者は物理的な支援。
抱えあげたりお風呂入れたりと。
そこすごくたくさん研究されてるんですが我々はそれに対して対話のない介護ってないわけです。
いつも声かけがあるわけですね。
その部分の重要性に注目しながらえっとお年寄りの対話相手をしながら認知症の症状を改善していったりそういったことにロボットをもっと使えるんじゃないかなと思って。
なるほど。
コミュニケーションといえば石黒先生何か新しいケータイを開発されてるらしいですね。
これがケータイなんですけど。
これケータイなんですか?そうですね。
えっ!これが最新の携帯電話!?これってもしや人のカ・タ・チ?あの何て言うんですかね今のケータイってこう四角いじゃないですか。
まあスマホってみんな四角いでしょ。
むしろ人間らしいものに話しかけるほうが人間の脳にとっては自然で。
はいはい。
ここからね人の声が聞こえると…人間って想像においては常にポジティブなんで例えば誰かから電話がかかってきたときに知らない人だと不細工な人から電話がかかってきたとは絶対思わないでしょ。
はいはい。
だからそういう人間の想像する力をうまく使ってやると高齢者にもすごく受け入れられるロボットにもなるし例えば彼女とか家族の存在を手に感じながら話せるようなケータイになるんじゃないかなと思って。
又吉さんどうですか?このケータイ。
そうですね。
補足するということですよね。
想像力で。
そうそう。
これから声がすると思って下さい。
はいはい。
いや…いやでも正直なところいいと思います。
そうですか。
気持ちいいですしね。
ただ…率先して持つとちょっとまだ恥ずかしいかもしれないです。
どうですかね。
もしそこから相手がすごい嫌いな人から電話かかってきたらどうですか?あっそっか。
そういうケースもあるんですね。
それはねすごく嫌です。
この柔らかさが嫌になりますよね。
いやいや嫌いな相手手に絶対握らないですから。
そうっすよね。
こう置いて。
抵抗ないですか?ホントに。
(笑い声)全然違和感なくなってきたでしょ?確かに…
(笑い声)まあ雇用というのを考えるとテクノロジーの進化にやっぱり心配する人も今日何度も議論にあったみたいにあるわけですけど。
でもまあ科学の進歩を止めてしまうとねえ石黒先生おっしゃるとおり人間の力が小さくなってしまう。
人間でなくなってしまうということなんですね。
人間って基本的にはコンサバーティブで変化に弱いですから。
もちろん新しい技術を先導する数%の人はどんどん新しいものを作るんですけど一般の人は変化を嫌います。
1回作り上げた自分たちの生活の糧みたいなものを簡単に手放したくないっていう。
それはだから人間の人類の歴史はず〜っとそうだったわけですから今更変わらないと思ってます。
変える必要もないというか。
そういう何ていうんですかね。
そういう恐怖。
恐怖じゃないですけれどもそういうテクノロジーに対するおそれを持ちながらでも…それをず〜っと繰り返してるわけですよね。
テクノロジーを恐れてる人が電車の中で板をスリスリしないですよ。
(笑い声)だからどうしたらよりね共存できるっていうか。
機械あるいはロボットと共存できる手段というのはあると思います?う〜ん。
目線をどこに置くかやと思うんですよね。
そのう世界全体の全体の生産性とかえ〜あとは先生おっしゃってるように進化。
進化というものだけを見るのか。
それともまあ全員の生活にも一応目線を置いとくのかによって変わってくんのかなという気はしますけど。
そうですね。
もしそのロボットが急速に進化して人の労働賃金が急激に下がって何か社会問題が起こるというんだったらロボットですごくもうける人がいるんだったらそこに課税するというのは1つだとは思いますよね。
それを再分配してみんな豊かになった分再分配したとしてもお釣りが出てくるわけだから豊かさを享受するというのは1つだと。
全体では豊かになっている訳なんですよね。
だから私たち大学に勤めてますけど教育というのはロボットが苦手な能力を育てるようなことに集中していく必要があるんじゃないかなぁと思うんですけども。
すごく何かそういった…基礎的な学問がですね何かないがしろにずっと。
この講学偏重の世の中ではないがしろにされてきてその部分を取り戻す時代がぼちぼち始まるような気がするんですけどね。
どうやったらこの技術革新を私たち全員が豊かさを感じられるかというのは経済学の大きな目的ですからこう経済学でいろいろ考えていく必要があるかなぁとは思ってます。
知能を持った無数のコンピューターが人間の代わりにテクノロジーを進化させ人間とテクノロジーの関係が大きく変わる時点「技術的特異点」。
およそ30年でおとずれるとも言われています。
現実的に考えると私たちの未来が本当に働かなくて生活ができるところまでいくかというと難しいような気もしますけど。
ただ労働時間が減ってるというのは紛れもない事実ですよね。
昔と比べると今はそうだしこれから先もそうなるかもしれない。
そうなったときに私たち賃金所得を得ることができなくなるんですけれども。
でもエネルギーや土地なんかは有限ですから商品の値段というのはやっぱり0にならないんじゃないかと。
やっぱり何か買わなきゃいけない。
そうするとロボットの材料の金属とかそれを動かすための電力もなかなかタダにはならないと思うんですよね。
だからまあいくら技術が進んだとしても全部私たちタダでものが手に入るようになるわけじゃないですからどっかで働かなきゃいけないんじゃないかという気もするんですけどね。
そのコンピューターテクノロジーの進化がどんどん加速していけばそういう不安を解消するシステムもそういうコンピューターテクノロジーが作ってくれて…なるほど。
あの不安になるんやったらその…仕事しない選択もあるけど仕事してるという旧型の今のですね今の感じの生活をしてないと落ち着かないんやったらそういう場所も用意しますよっていうそこまでいってくれたらみんながもう好きなようなスタイルの生活ができるかもしれないですね。
うん。
もうひとつはね……はあるかもしれないと思うんですけど又吉さん何か思いつきますか?全部ロボットになってもいいんですけどそれはあのう選択の余地が僕は絶対あると思うんですよね。
全部ロボットがレストラン料理も作るとなっても。
だけど人間が接待するっていうお店が珍しくなりますよね。
うん。
そこに行きたい人いますよね。
それは必ずできると思うんです。
一定数。
で選べるからたまには人間の店もええなぁとか。
僕らが古い映画見て何か懐かしくていいなぁと思うのと同じように今のこれここから進化していく訳ですけど両方それぞれの懐かしさみたいなものって1つの魅力でもあるからそういうのがあればいいかなと思いますね。
例えば回転寿司もそうですけど全てがロボットがやってるのできれいで安心して早くて。
え〜とそういうロボットレストランですね。
もっと人間排除してもっと自動化を進めていくと。
そういうレストランとあとはその作ってる人とのすごくいい信頼関係の中でえ〜となんかいろいろ対話を楽しみながらとか単なる食欲を満たすだけじゃなくってそこには食べる以上のいろんな価値がある。
そういう小さいレストランだと思うんですけどね。
そういうものと二極化していくんじゃないかなと思いますよね。
研究者のチャレンジとしてはおおむねそういう人がやってる所にあえてやっぱり何体かはロボットを入れたい。
ハハハッなるほど。
なるほどね。
例えば彼女がねおかみさんになっていろいろえ〜と話し相手になるとかね。
そういうのはホントの意味の研究者のチャレンジかなと思うんです。
極端な話…だからその子どもをね作るってのはもうちょっといろんな技術を使わないといけない訳ですけども僕割と真剣にええとえ〜なんていうか愛し合えるえ〜と物理的な愛じゃなくって…愛とは何かというのは我々要するに基本的な欲求があってそれから欲求から意図が生まれて行動につながるわけですよね。
意図を部分的に共有するということを人は愛というかもしれないと思ってるんですけどね。
そう考えるとあのロボットにちゃんと欲求と意図と行動の三階層を実装してやればですねロボットが人間と部分的に意図を共有する状態作れそうな気がする。
なるほどね。
もう一歩深いところで人間らしい意図や欲求を持つロボットを作れば意図を共有することでちゃんとなんというか愛のようなものを目覚め…感じることができるロボットはありえる気はするんです。
それが愛だとすると愛かもしれないと思っちゃうわけです。
フフフッ。
すごい女の子っぽくなりましたね。
そうですね。
楽しいですすごく。
でもこの1時間ぐらいで何かもうだんだん存在が慣れてきたというか1時間で慣れちゃうのはちょっと怖いですけどね。
だから人間すぐ慣れるんですね。
慣れます。
慣れます。
石黒先生言ってて「あっ!」って思ったのは中学校の時にずっと1人でネタ考えてるときに相方の毛穴から小っさくなった僕が出てこれたらウケるやろうなと思ったんすよ。
へっ!でもそれってできないじゃないですか。
さっき先生が言ってたのってロボット何でもできますよというのが。
できるできる。
割とそういう感覚に近い。
枠広げるというのでいうとそういう発想やとしたら面白いなという。
中学校の時にはできなかった事が今なら…。
ここら辺からウジャウジャ人が出てるというのそのまま出来ちゃいますよ。
はい。
これコラボしたらどうですか?時間かかりそうですけど。
(笑い声)大っきな仕事になりそうですよね。
(2人)うん。
今回この話を聞く前と今ではだいぶ僕の中でこうロボットに対するあの何やろ警戒が薄まってますよね。
なるほど。
何かもう慣れてきちゃった。
アハハハッ。
はい。
家帰って彼女いても大丈夫ですか?そうですね。
いやちょっとちょっと怖いかもしれないですけどまだ。
又吉さんも忙しくなってますからね。
やっぱりお笑いはアンドロイドに任して小説の執筆に集中するという事も可能かもしれないですね。
どうなんですかね?答えにくいです。
先生それは。
(笑い声)はい。
(兄)僕はテクノロジーに仕事が取って代わられてもいいけどな。
(母)家事は楽になるかもしれないわね。
(父)テクノロジーより先に新人に仕事を奪われちゃったからなぁ…。
(妹)お父さん泣いてるの?
(何かが割れる音)
(店主)いらっしゃいませ。
(客)みそ。
又吉さん最初お笑いは絶対にロボットには負けないって思ってらっしゃったんじゃないですか?そうですね。
人間のお笑いがなくなることはないんであとはどういうふうにロボットとかが入ってきてどんなものが生まれるのかっていう楽しみだけですね。
へぇ〜!それがもう楽しみになってきたというのは随分な変化ですね。
あの勝ち負けで考えてたんで。
だとしたら負けないんですけど勝ち負けではないと。
なるほど。
それは仕事でも何でもロボットをそういうふうに考えるほうがいいかなぁというふうになりましたよね。
なるほど。
又吉さん今日は経済学から何を学んだんでしょう?「またよし学習帳」。
(高木茜)
私には苦手なものがある。
キモイ。
2015/11/30(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「進化が止まらない!テクノロジーの経済学」[字]
猛スピードで進化するテクノロジー。近い将来、ロボットに仕事を奪われる日がやってくる!?そのとき人間には何ができる?又吉さんが経済学で考えます。
詳細情報
番組内容
猛スピードで進化するテクノロジー。経済学者たちは、近い将来、ロボットに仕事を奪われる日がやってくると予想しています。農業、教育、医療など、すでに幅広い分野でコンピューターの導入が進み、ロボットと人が一緒に働く工場まで登場している今、わたしたち人間はどうすれば!?“人と愛し合える”ロボットも作れると豪語するロボット博士を前に、又吉さんは…。「人間だからできること」とは何か、考える43分です。
出演者
【ゲスト】大阪大学教授(知能機能創成工学)…石黒浩,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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