地球上で最も美しいといわれる場所。
そこは…
南米チリとアルゼンチンに広がる悠久の地パタゴニア
3つの世界遺産と30の国立公園がある
パタゴニアは一日のなかに四季があるといわれるほどめまぐるしく天気が変わる。
黒い肌を見せていた岩山があっという間に白くなった
夕日にひと際映えるのは登山家憧れの山…
アウトドアブランドパタゴニアのロゴになった山だ
そんな場所が更に今沸騰している
大型バスから降り立ったのはさまざまな国からの観光客だ
Whereareyoufrom?
彼らをここに呼び寄せた理由は…
この世界一美しい氷河。
そうここは
世界遺産ロス・グラシアレス国立公園の中にある
巨大氷河が目の前に広がる
そして
じっくり見ててくださいね
それではもう1回
大迫力の氷河の崩壊
今度はここ
しかしこれ喜んでばかりはいられないのだ。
最近では
今これが大問題に。
その実態を探るため取材班は更に突き進んだ
氷河の内部で見た想像を超える光景
実は今年の夏は例年にも増して暑かった。
その影響をもろに受けた国が
東部では巨大ハリケーンが発生し…
人も町も飲み込んだ
そのハリケーンの目の中へ!国を挙げての戦いが始まっているのだ
一方
大自然の猛威にどう立ち向かえばいいのか?
日本からロサンゼルスへ10時間。
そしてチリのサンティアゴへ13時間。
そこから更に4時間パタゴニアへ
青い光を放つ氷山。
手前に見える人間と比べるとその巨大さがわかってもらえるだろうか
大空を舞うコンドルは両翼3mに達する
何もかもスケールが大きいパタゴニアを知り尽くす日本人がいる
海が青いのと原理は同じだという
そんな氷河が溶けていくことに平岡さんも危機感を持っていた
「氷河が後退する」とはいったい!?平岡さんとともに問題の現場へ…
向かったのはパタゴニア南部に広がるグレイ氷河
まずはボートで氷河近くの岩場まで。
ここからは徒歩で移動。
問題の現場までおよそ2時間かかるという
というのは動いてるわけですから氷が絶えず動いてぐずぐず…動いてここまで流れてきたわけですからね。
そしていたるところにあったのが氷河の裂け目クレバス。
一度落ちたら救出は不可能。
地球の深淵へと続く割れ目だ
広大なグレイ氷河を歩きだしておよそ1時間。
今は…この辺り
平岡さんの視線の先にあったのは…
これも温暖化の影響なのか。
溶けた水をたどっていくと…
人が悠々と歩けるほど道幅が広くなりそこに驚きの光景が広がっていた
外から見るだけではわからないことがそこに
周囲の景観が異なる地帯にやってきた
かつてはここも氷河だったのだ。
こうした事態にチリ政府も動き出している
観測機械を置き…
平岡さん現在の氷河の姿を記録する。
今回撮ったグレイ氷河の写真とおよそ20年前に同じ場所から撮った写真。
明らかに氷河の高さが違っている
この写真から氷河が2キロほど後退していることもわかった
地球の裏側で見た異変
パタゴニアのこの氷河っていうのはかなりの勢いでパックンさん溶けてってますね。
そうですね。
僕生まれたモンタナ州にも大きな氷河国立公園っていうものがあって子供の頃に見てた立派な氷河の数々も今ほとんど消えてるというんですね。
坂下さん日本でも感じることありますよね。
ありますやっぱり私が小さいときに比べたら気温も上がってるし雨の降り方もすごくないですか?最近。
豪雨というか。
ゲリラ豪雨。
そうそう。
そうですね今こうした異常な現象っていうのは世界各地いろんなとこで起きてるんですね。
まずこちらをご覧ください。
きれい。
でも実はこれはチリのアタカマ砂漠。
え?これ砂漠なんですか?でも紫ですね。
なんで?これね今年の3月に記録的な大雨が降りまして5年か7年に一度しか咲かないっていわれてるゼニアオイっていう花がブワッと咲いちゃったんですね。
これひと晩で7年分の雨が降ったんですってドーッと。
ちなみにふだんのアタカマ砂漠っていうのはこんな感じなんです。
砂漠ってこうだよね。
うん。
これがさっきのお花畑になっちゃったんですか。
続いてこちらもそうなんですがこれはインド。
インドの記録的な熱波ですね。
アスファルトが溶けてしまって。
アスファルトが溶けてる?しかもこれ5月なんですよ。
ひどい地域では連日気温が45℃以上続いちゃってその影響でですね2,200人の人が亡くなっちゃってるんですね。
暑くて…。
はいそこで今回の沸騰キーワードはこちらです。
4000年で一番暑いって怖いね。
ということでこんなものを作ってみました…。
実は今地球はですね温度がですねググッと…。
でも思ったほどちっちゃいですよね。
0.85℃っていうとちっちゃい…1℃以下ですからね。
と思いますけどもちょうど今日からですねそれがこちら…。
およそ200の国と地域が参加し温室効果ガスの排出削減を話し合うCOP21。
産業革命前に比べて気温の上昇を2℃以内におさめるのが目標だ
ところでパックンさん二酸化炭素この温暖化ガスですねいちばん排出量が多い国ってどこだと思いますか?これは中国ですよね。
そう私も中国。
そのとおりです1位が中国。
それに次いでアメリカですね。
やっぱり経済の活動が活発な国っていうのは燃やしたりいろんなことしますからそうすると温暖化ガスが出てしまうっていう…中国アメリカ。
経済大国ですねただそれがここ。
インドネシア?意外!規模が全然違いますよね。
なんでだろう?驚きなんですけれども実はインドネシアは大量の二酸化炭素を発生させてしまうある深刻な問題を抱えていました。
インドネシア西部の都市ペカンバル。
この町の空港で異様な光景が
いったいどうしたというのか
この空港実はもう1週間も飛行機が飛んでいないのだ。
手荷物の受取場もこの有様。
そして…
空港職員もやることがないのか
なぜ飛行機が飛ばないのか。
その原因は…
視界不良
1,000メートル以上の視界が開けないと飛行機は飛べないのだという
そんなペカンバルの町なかを走っていると路上で何かを配っていた
空気の悪さ対策のため無料でマスクを配るほど
そしてなんと
真っ白にモヤがかかる光景といえば中国を思い浮かべるがこの町でも2か月以上こんな状態が
その原因を突き止めるべく上空へ。
すると大量の煙が。
そう正体はこの煙だったのだ
今度は陸路で現場へと向かった
しかし炎は見えてこない
モヤの向こうにかすかに人影が
ようやく煙の発生現場に到着。
火の手があがっている様子はないがホースで水をまいている
インドネシア大量の煙の原因となっている場所へ
奇妙な現象どういうことなのか
この特殊な火事の研究を続けるリアウ大学のハリス教授に聞いた
熱帯植物が枯れて堆積してできるのが泥炭という土。
取材をしているその傍らでも
いきなり火の手が上がった
地中深くまで燃えるため一度火がつくとまとまった雨でも降らないかぎり完全に消火できないやっかいな火事なのだ
かつては泥炭地の大部分は湿地帯だった。
しかし90年代に農地開発が進み水路が掘られた。
そのため土地は乾燥し泥炭が地表にまで出てきたのだ。
更に状況を悪くしているのが古くからインドネシアに伝わる
これが火事の発端となることが多いのだ。
それでも例年は10月になると雨期が訪れ火の手は収まっていた。
ところが今年は異常気象で雨が降らない
日本の年間排出量を超える16億トンもの二酸化炭素が排出された
火事の現場近くにも住宅地が
そこに人影はない
そんな街でも人が集まっている場所がある。
中を覗いてみるとどうやら病院のようだ
喘息や肺疾患を訴える人はインドネシア全土で50万人を超えるという。
抵抗力のない老人や子供。
煙の影響で少なくとも今年20人以上が命を落としている
うわ全然知らなかったからちょっとびっくりですけどあの土怖いですね。
太田さんはふだんシンガポールに住んでらっしゃいますけれども実際どうですか?影響ありますか?これはねすごいですびっくりしました。
この煙による大気汚染のことをヘイズっていうんですね。
シンガポールすぐ近くですから煙きちゃうわけですよインドネシアからたいへんな被害が出ました。
まずちょっとこちらをご覧いただきたいんですがこれご存じだと思いますがシンガポールのシンボルの景色が売りなのに何も見えないですね。
これ9月の上旬くらいから毎日こんな景色が続きました。
今年泥炭火災がここまでひどくなったのは降るはずの雨が降らなかったから。
その原因は最近よく聞くこれだ
スーパーエルニーニョ現象。
これが問題なんです。
今までエルニーニョ現象は聞いたことあるけどスーパーってすごくないですか?スーパーなんですね。
こちらは今年の11月の地球の海水温が平年と比べてどう変わったのかというのを表したマップなんですけれどもこの赤くなっているところが平年よりも高くなっているところですね。
通常ですと11月頃はこのインドネシアのあたり。
この近海の海水温が高くなってここに積乱雲が出来て雨が降るんですよね。
でもエルニーニョが起きますとそうではなくてペルー沖のほうの海水温が上がってここに雲ができてのちに雨が降っちゃうんですね。
その結果としてインドネシアのほうは…。
なるほど。
それで通常ですと雨で消えていたこの泥炭火災が消えないでずっとブスブスブスブス続くっていうことなんです。
竹田さん見てると手の施しようがないんじゃないかなって思ってしまいますよね。
でも施さないとまずいでしょうね…。
気温が高くなって困るっていう問題よりも…。
なるほど。
となるとますますCOP21どういうふうに動いていくかっていうのも太田さん大事になってきますよね。
はい。
実はCOPというのはですね各国の足並みが揃わないと意味がないわけですよね。
1995年から毎年開かれているこの会議。
第3回は京都で開かれ京都議定書が採択されるもその後なし崩しに。
各国の足並みが揃わずこれまで成果を挙げてこられなかった
京都議定書のときアメリカが入らなかったような覚えが…。
1回入ったんですけどやめちゃった。
さぁとなるとなぜアメリカが今回重い腰を上げたのか4000年で一番暑かった今年の夏実はアメリカは今この気候変動問題を無視できないほどの大災害に見舞われているんです。
未曽有の事態が次々と起きているアメリカ。
まずは東部サウスカロライナ州へ
10月この地を巨大ハリケーンが襲った
単に記録的というだけにとどまらず
州都コロンビアでは18ものダムが同時に決壊し街全体が湖のような状態に
この事態に
彼らは
空軍が狙うのは
ハリケーンの目に入ると今後どれくらいの勢力でどの方向に向かうかがより正確にわかるというのだ。
この日目指すのはサウスカロライナに大洪水をもたらしたハリケーン・ホアキン
ハリケーンの目の中に突っ込んだ
アメリカ空軍まで出動するハリケーン観測
ハリケーンの目の中に入った
するとなにやら円筒状のものを取り出し外へと続く排出管に投入した
実はこれが気象計測器。
風速や風向きなどのほか微細な大気の動きまで収集するという。
気象データは0.5秒ごとに計測され解析センターへと送られる。
甚大な被害をもたらすハリケーン。
アメリカはここまでしているのだ。
続いては西海岸カリフォルニア州。
東側とは真逆の事態に襲われていた
太陽の恵みに溢れるカリフォルニアはご存じのようにアメリカ最大の農業地帯だ
枯れた庭の芝生を緑にペイントする人も。
大干ばつは地域の人々の暮らしを直撃。
深刻な水不足に
そんな町の広場に用意されたのは…
山積みのペットボトル。
水が出ない地域の住民のために飲料メーカーが寄付したものだ
一方タオルを抱えるこの人は?
歯磨きもここでする
自由に水が使えない不便さ。
その供給源はどうなっているのか?貯水池へと向かった
水面を埋め尽くす黒い玉
実はこれ水不足をこれ以上ひどくしないために開発されたまさに秘密兵器
このシェイドボールと呼ばれる玉プラスチックで出来ていて中に少し水が入っている
水の蒸発を防ぎ品質を保つという。
色が黒いのは鳥が近づかないようにするため
何もしなければ年間11億リットルもの水が蒸発してしまう。
これだけ費用をかけても損はないのだ
干ばつの恐ろしさはそれだけではない。
更なる深刻な事態も…
この夏カリフォルニアでは多くの山火事が発生。
干ばつがその被害をより大きなものにしたのだ
非常事態宣言が出され1万人以上が避難した
そんな山火事と戦う最前線基地がここ
日本のメディアで初めて取材が許可された
勤務するスタッフは実に2,200人。
山火事対策のスペシャリストだ。
オフロード仕様の
更にこんなハイテクシステムまで導入されている。
刻々と変わる風向きその土地特有の地形や樹木の密集度まで計算し火事の広がり方を予測する
住民を避難させるシミュレーションも
ファイヤーセンターのある部隊が動きだした
向かった先には…小型飛行機
空から消火するというのか?
すると…
飛び降りた!
隊員を乗せた小型飛行機が離陸
乗っていた彼らはファイヤーセンターが誇る…
飛び降りた
山火事発生の一報が入ると陸路では行けないような山中に空からアプローチする
火が更に大きくなったときは別の部隊も投入される。
彼らはこれ以上火事が広がらないようにするのが主な任務
映像を見てもわかるように燃え移りそうな枯れ草を根こそぎ排除していく
そしてこの映像。
火はまだ見えていないがこのあとここまで燃え広がることを予測し対処しているのだ。
火が燃え移りそうな木があればこれも伐採していく
今アメリカでは世界の終わりのような光景が日常茶飯事のように起こっている
僕の母親が働いてた牧場も5年くらい前のコロラドの山火事で全焼しちゃって。
遠い話じゃなくてものすごく身近な問題ですね今ね。
それでもアメリカ人の生活スタイルそんなにすぐ変わらない。
アメリカに帰ると冬は暖房のききすぎでみんな半袖ですよ。
歯磨きながらも水止めてなかったし。
流しっぱなしでしたね。
ツッコミどころが。
反省点だらけですよほんと。
世界の平均気温上昇が2℃を突破するって言われてるんですよね。
へ〜それでもまだ2℃なんですか?なんか2℃かわいらしい数字ですけど。
ただですね皆さんこちらをご覧になったらもしかしたらまずいんじゃないかと思われるかもしれません。
これはですね…。
まずは夏ですけれども…。
嫌だ。
しかも9月まで50日間この真夏日が続くと予想されています。
40℃いかれたらもうダメだわ。
更にですね…。
恐ろしいですねまた災害が。
更に…。
そして…。
ウソでしょ?
温暖化がこのまま進むと日本にこんな未来がやってくるという
そして…。
ウソでしょ?クリスマスにもみじはいいでしょ。
そうですよね。
ポインセチアでいいでしょ。
これが更にぐっと…。
え〜!これ人生きて…生きられます?ですから何もしないと大変なことになると。
そこで今回のCOP21では2100年の時点で平均気温の上昇をぐ〜っとですね賛成です!そうですね。
このCOP21…こちら。
世界各国から首脳が集まりましたけれども太田さんが注目するポイントというのはどんなところでしょうか?合意できるかどうかっていうことですよね。
合意できないっていうこともあるんですか?これ。
こんな大変な世界が今なってるときに。
これね21回もやってできなかったわけですよねいろんなこと。
今年はアメリカ中国インドこういった先進国も途上国も100か国以上集まってかんかんがくがくやるわけですよね。
ですから世界全体で乗り越えなければいけない問題なんですけれども数が多いだけ難しいですよね。
ただ僕は正直1%…。
竹田さんどうして?竹田さん…なんでそんなこと言うんですか?あのときに冗談みたいな終わり方をしたんですよ。
それはどうしてかっていうと僕はそれよりちょっとは楽観的な見方しますよ。
やっぱりみんなが得する仕組み考えないとダメですよね。
誰かが損して誰かが得するんだったら崩壊しますよね。
ですから今回のCOP21で前向きな合意ができることを期待したいと思いますね。
そうですね。
未来が今になる。
2015/11/30(月) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
未来世紀ジパング【世界を襲う異常気象 人類はどう立ち向かうか】[字][デ]
いま“沸騰する”経済の現場を直撃取材する映像と、その背景、未来への影響の分かりやすいスタジオ解説で「明日はこうなる」と読み切る『経済“予測”番組』!
詳細情報
番組内容
日本のゲリラ豪雨に大洪水、世界で見ると巨大ハリケーンに記録的な干ばつ、今年は例年に増して多かった未曾有の災害。これらほとんどは、「温暖化」の影響だと言われる。
11月30日からパリで、地球の温暖化を食い止めるための会議、COP21が行われる。ここで何らかの策を講じなければ、とんでもない事態に陥るといわれている。
内容続き
番組では、温暖化、気候変動の影響が著しい世界の3地域を緊急取材。
「巨大氷河の崩壊」「泥炭火災」「ハリケーン」「大干ばつ」。
人類存続の危機は、少しずつ音を立てて忍び寄っている。
我々はそれを食い止めることができるのか?そこから見えてくる日本の未来とは!?
出演者
【メーンMC】
SHELLY
【進行役】
秋元玲奈(テレビ東京アナウンサー)
【沸騰ナビゲーター】
太田泰彦(日本経済新聞社 論説委員兼編集委員)
【ゲスト】
竹田圭吾、パックン、坂下千里子
関連情報
【公式ホームページ】
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