サラメシ 2015.11.30


こんばんは中井貴一です。
おいしそうなトマトパスタでしょ?実はこれとある常連さん専用のサラメシなんだとか。
どんな方かって?大空目がけて大ジャ〜ンプ!そう!ランチの主はスキージャンプ競技の実業団選手たちだったんです。
チームを率いるのは…あの長野オリンピックスキージャンプ団体の金メダリストです。
ジャンプの陰にうまいサラメシあり?まずは大空を駆ける男たちの物語から。
シーズン本番!日本のスキージャンプといえば忘れられないのがこの名シーン。
17年前原田監督も選手として挑んだ長野オリンピックラージヒル団体。
(実況)大ジャンプだ!風になった原田!あとは若いエースの船木に託します。
リレハンメルの雪辱を果たし見事金メダル!いや〜僕も応援しましたし感動しましたよ!その舞台となった長野県白馬村にあるジャンプ競技場。
実は8月の末に行われた夏合宿にお邪魔させて頂いたんです。
学生だったんですかあの時?38歳で現役を引退。
去年4月からは古巣でもある大手乳製品メーカーのチーム監督として8人の選手たちの指導に当たっています。
所属選手にはソチオリンピックで団体銅メダルを獲得した…清水礼留飛選手など今シーズンも活躍が期待される若手ジャンパーが数多く在籍。
聞けばシーズンの冬場は130日以上遠征で各地を転々と。
皆さん自宅がある札幌に戻れるのは春からの数か月だけなんですって。
4か月以上家に帰れないって今なかなか映画のロケでもないな〜。
じゃあ夏は何してるかって?実はサマーグランプリジャンプという国際大会が各国で開かれているんです。
選手たちの戦いは夏の暑い時期から既に始まっています。
一本飛ぶごとに映像を見てフォームをチェック。
監督いわく世界の大舞台で勝つためには一本のジャンプから得る小さな自信の積み重ねが必要。
確かに経験こそ人を強くする。
でこの日は2時間ほど練習したところで宿舎に戻ってお待ちかねのランチタイム。
ちなみに大会や合宿がない時の食事はみんなバラバラ。
ハードな練習のあとは疲れちゃって外食やコンビニに頼りがちだそう。
だから春と夏の年に2度この宿舎で食べられる出来たてランチを皆さん楽しみにしてるんですって。
これがスキージャンプ部のサラメシ。
合宿初日はハードな練習に備え炭水化物とタンパク質をバランスよく。
地元長野の香味野菜をじっくりと炒めスパイスと合わせた特製ドライカレーに野菜たっぷりのコンソメスープ。
レル!はい!そう。
選手にとっては食べるのも大事な仕事。
バランスよくねって。
皆さん結構ガツガツ食べてますけどジャンプ競技って体重制限とかってないんですか?どうでしょうね。
実はジャンプ競技は使用できるスキー板の長さをその選手の身長と体重で決めるBMIルールというものが定められているんです。
競技後の測定で使用した板に対する規定体重より減っていたら失格になってしまうため選手たちは常にベスト体重を維持する努力をしているんだとか。
翌日。
この日はナイターでの実践練習が控えているため午前中は室内トレーニング。
跳躍力や空中で飛行姿勢を保つためのバランス感覚を鍛えます。
ちなみに選手たちは垂直跳びで80センチ以上立ち幅跳びなら3メートルは当たり前。
体全体が大きなバネとなりあの大ジャンプが生み出されるんです。
一方そのころ宿舎では…合宿の献立を任されている厨房担当毛谷村梓さんがランチの仕込み中。
夕方からのナイター練習に合わせ素早くエネルギーに変わりやすいといわれるパスタをチョイス。
ご近所さんに頂いた取れたてのズッキーニや完熟トマトを使って野菜たっぷりのトマトソースを仕込みます。
何でも毛谷村さん一家は原田監督とは25年来のつきあい。
長野オリンピック前の強化合宿もここだったそう。
だから言ってみればこれあの金メダルを生んだサラメシでもある訳なんです。
そうだよな!そうだ!20年以上続く宿とチームの信頼関係。
だからこそ合宿中のメニューは全てお任せなんですって。
これが合宿2日目のサラメシ。
隠し味にアンチョビを加えた野菜たっぷりの自家製トマトソースパスタ。
一番人気のパスタなら体重を増やしたい選手もモリモリ。
一番人気だけあって皆さんいい食べっぷりだ!でたった5分で厨房にはほら!お代わりの行列が!そうそうモリモリ食べて目指せK点越え!ちょっとちょっと礼留飛さん種付いてる口に種。
スキージャンプ部の合宿メシごちそうさまでした!今シーズンの活躍期待してますよ!続いては…うわっおいしそうなおいなりさん!イクラに錦糸卵…ん?ソーセージ?小エビとインゲン…真ん中にちょいと載せたワサビが細やかだ。
こちらとある職場のある日のまかないメニュー。
こんなきれいなまかないどんな人が作ってるかというと…。
はいこちらのお二人。
どうやら料理レシピのウェブサイトをチェック中みたいですね。
あららメモまで…。
何でも毎日の献立作りがかぶらないよう情報のアンテナを張っているんだそうです。
(取材者)それは…。
まかない作り続けてろ…60年!?まさに台所の主…多少の頭痛は台所に立てば治っちゃうんだとか。
相棒は勤続35年の家政婦…35年って…こちらもすごい!でひとたび調理が始まればあうんの呼吸でテキパキ動く名コンビ。
それそれでいいその白いので。
あっこれでいいですか?何か楽しそう!2人の作るまかないを日々食べているのはこんな方々。
下町の歯科医院にまかないメシの昼がきた!下町の住宅街にあるマンションの1階に開業96年になる歯科医院があります。
3代目の院長浅野和久さんはあの台所の主政子さんの長男。
患者さんは1歳の子どもから90を越えるお年寄りまで。
地域に密着した町の歯医者さんです。
お隣妻の真由美さんは大学時代の同級生でやはり歯科医。
老人ホームの往診など2人とも毎日フル稼働。
研修医も含めて8人分のまかない作りはずっと母政子さんにお任せ。
かつては助手に衛生士技工士そして家族と合わせて15人分の朝昼晩を政子さん一人で用意していたため食事もとれないほど忙しかったんだとか。
あまり買い物に出なくなった今では冷凍庫を開けてのメニュー選び。
多めに作り置きしては保存して3台の冷蔵庫に何が残っているかを常に把握しているそうです。
あっおはようございます。
午前10時を過ぎると診療室の掃除や洗濯を終えた勝村さんが合流。
本格的にまかない作りが始まります。
勝村さんは主に料理の下準備を担当。
調理や味付けは政子さんの担当。
ちょっとお酢…ちょちょちょちょちょちょ!随分入れますねお酢!味付けは一つ一つ納得のいくまで。
料理の基本は結婚前実家の手伝いで覚えたそうです。
インターネットやテレビで覚えた新しい料理はレシピどおりに。
昔から知ってる料理は目分量の方がうまくいくんだとか。
この日のメインは三色丼。
昔よく作ってもらった母の得意料理なんですって。
おや?何だか時計を気にしてるようですね。
お昼まではまだ余裕ありそうですけど…。
実は政子さんまかないの完成は昔から11時半までにと決めているんだとか。
ありゃりゃだったらギリギリだ。
患者さんの区切りのいい時いつでも食べられるよう早めに用意して待つ。
診察の予約制がなかった先代の頃から続く政子さんの役目。
ただいま〜。
おかえり〜。
さあ皆さん3階のキッチンへ集まってきましたよ。
これが歯科医院のサラメシ。
三色丼に野菜スープと高野豆腐。
きゅうりの酢の物を添えて。
三色丼の具は卵以外冷凍庫のストックから。
このめんたいこ昆布とオリーブオイルに浸してあるんですって。
(一同)頂きま〜す。
こちらの2人は歯学部を卒業したばかりの研修医。
8か月にわたる研修中現場で鍛えられこのまかないを食べそして巣立っていきます。
ここで1つ問題が。
政子さんのまかないが原因で毎年太ってしまう研修医が続出なんだとか。
おいしい上にお代わり自由。
「同じ釜の飯」というぜいたく。
ごちそうさま。
行ってらっしゃい。
ごちそうさまです。
は〜い行ってらっしゃい。
3階から1階の診療室に行くのに「行ってらっしゃい」か。
何かいいですね。
行ってらっしゃい。
片づけをサッと済ませたらようやく2人のサラメシタイム。
やっとゆっくりできますね。
と思いきや…。
いいな〜政子さんも勝村さんもすてきです!いつまでもお元気で!多いかなと思ったけれどごはんこれ…。
多くないでしょ。
ごちそうさまでした。
さて続いては皆さんから頂いたランチの物語をご紹介!まずはこちら栄子さんから。
えっと「雨の日は気持ちもどんよりするので弁当に肉屋さんのハンバーグを入れて気分を上げます」。
分かるそういう時ある!音楽療法士になって20年以上。
福祉施設や学校など毎回違う現場に行くので必ず弁当を持参。
でちょっと気分を上げたい!って時に登場するのが肉屋さんのハンバーグ1個100円。
何でも70代のご夫婦の手作りだそうで味はもちろん何より作ってくれる2人を思い出して頑張ろうって気持ちになるんですって!なるほどね。
ちょっとした事が日々の支えになる事ってありますよね〜。
続いては大阪のハルオさんから。
「15年ぶりのお弁当。
高校生の娘が持っていくのを忘れて父親の私にまわってきました。
本当に久しぶりの妻の弁当です」。
ラッキー!いやうれしかったんでしょうね。
結婚当初は毎日作ってもらっていたそうですが子育てが大変な時期を経て徐々に持っていかなくなったとか。
で今回15年ぶりのお弁当の感想は?「お弁当包みをほどいたり蓋を開けたりしているとだんだん懐かしさが込み上げてきて…。
あっそういえば20年前事務所を立ち上げた時は妻と2人でお弁当食べてたな。
経営が苦しかった時は川の土手でボ〜ッとしながら食べたな」。
何ていろいろと思い出したんだそう。
なるほどね〜。
でもその日の夜娘さんからは「帰ってから食べようと思ってたのに〜」と責められちゃったそうです。
ニャハッ!皆さんからの投稿お待ちしています。
あの人も昼を食べた。
高層ビル街がその兆しすら見せなかった昭和22年。
店はバラックから産声を上げた。
台湾料理の草分け。
おおらかな店の雰囲気に引かれ数多くの文化人たちがここに集った。
そんな常連の一人作家檀一雄。
純文学から娯楽小説まで幅広く手がけた中14年かけて書き上げたのが「火宅の人」。
愛人との生活をつづった私小説ともいえる作品は150万部を超えるベストセラーに。
人の情念や欲望を赤裸々に描く無頼派と呼ばれた昭和の文士。
実は筋金入りの食通でもあった。
決まって頼んだのは昭和40年代当時まだ珍しかった豚足。
豚や鶏を煮出したスープに八角などの香辛料をたっぷりブレンドした煮汁。
60年来継ぎ足してきた本場の味。
戦後間もない頃から世界を渡り歩き未知の食材を味わい尽くしてきた作家はあくまで食に貪欲にこんなもう一品を。
当時日本にほとんど出回っていなかったマコモという野菜。
台湾ではポピュラーなこの食材をサッと炒めて出したところ彼はいたく喜んだという。
以来ほんのり甘いマコモにエビやお茶の葉を合わせた炒め物は店の定番に。
この2品が檀一雄のお気に入り。
一風変わった常連客。
その姿は当時店の手伝いをしていた二代目にとって謎めいた存在だったという。
店を訪れるのはいつも昼過ぎ。
一人ふらりと。
なじみの皿を前に何時間でも思索にふけっていたという。
あてどない物語を紡ぎ出す作家の傍らにはこんな好物の二皿があった。
これが作家檀一雄が愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
今日もお相手は中井貴一でした。
2015/11/30(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]

大手乳製品メーカーのスキージャンプ部の選手たちの合宿メシ▽東京下町の歯科医院で、60年作っている院長の母(84歳)のまかない▽作家・檀一雄が愛した台湾料理

詳細情報
番組内容
大手乳製品メーカーのスキージャンプ部の選手たちの合宿を長野県白馬村で取材。長野オリンピックで“金メダルを生んだ”ホテルの合宿メシとは。▽東京下町の歯科医院で、結婚以来60年まかないを作っている院長の母(84歳)。PCでレシピの検索をするなど今もメニュー開拓に熱心。若い研修医たちは、まかないがおいしいので必ず太るという。▽作家・檀一雄が愛した台湾料理店の豚足とまこも炒め。
出演者
【語り】中井貴一

ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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