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重力波望遠鏡:「KAGRA」完成…宇宙の謎、解明へ

毎日新聞 2015年11月06日 19時56分(最終更新 11月06日 20時39分)

報道陣に公開された完成した大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の第1期実験施設。筒状のビームダクトが3キロにわたって続く「X−arm トンネル」=岐阜県飛騨市で2015年11月6日、小関勉撮影
報道陣に公開された完成した大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の第1期実験施設。筒状のビームダクトが3キロにわたって続く「X−arm トンネル」=岐阜県飛騨市で2015年11月6日、小関勉撮影

 宇宙から届く重力波の検出を目指して東京大などが岐阜県飛騨市に建設を進めてきた大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」の実験施設が完成し、6日に報道陣に公開された。宇宙の謎の解明につながる研究で、検出できれば「ノーベル賞級の成果」といわれる。今年度中に試験観測を始め、2017年度中の本格観測開始を目指す。

 施設はニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」と同じ神岡鉱山跡に建設された。重力波は物体が動いた時に時空がゆがんで波のように伝わる現象で、アインシュタインが1世紀前に存在を予言したが、極めて微弱なため検出に成功した例はない。日米欧で観測に向けた競争が激化しており、日本のプロジェクトの中心で今年のノーベル物理学賞に決まった梶田隆章・東大宇宙線研究所長は「世界一番乗り」を目標に掲げる。【藤野基文】

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