バリバリ働けます。
どうですか?「どうですか?」じゃない。
お前の作ったこの書類はまだ間違ってるぞ。
あ〜また怒られた。
はい手当。
ハハハ…。
あ〜ダメダメダメ。
楽しくて役に立つ「生物基礎」の世界へようこそ。
人類は長い間感染症などの病気と闘ってきた。
そして現在その予防や治療に免疫が利用されている。
今日のテーマは…こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
アシスタントの東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
ミドリ君はショートケーキのイチゴから食べる派らしいです。
そっち派なんだ。
私と一緒。
へぇ〜。
よろしくね。
よろしくね〜。
さあ今日のテーマは……という事は学びましたよね。
はい。
僕たちの体には…体に備わっている…そのとおり。
しかし…えっどういう事ですか?その中には体に備わっている免疫では簡単には対処できない感染した者を死に至らしめる強く危険なものもあるんじゃ。
へぇ〜そうなんだ。
では…う〜んどうしたらいいんだろう?う〜ん…。
あっ「参りました!降参です」って謝っちゃう。
まあまあいかにも丸君らしいけど。
それじゃ完全に病気になっちゃうよね。
あっそうか。
確かに…しかし…へぇ〜。
感染症に対する対処法ですか。
どんな対処法なんだろうね。
ねっ。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「病気の予防と治療」ですか。
はい。
今日は感染症にはどんなものがあるのかそしてそれらの感染症とどのように向き合って病気の予防と治療を発達させてきたのかを学んでいきます。
さてお二人さん…う〜ん…すぐに思いつくのは…ああ。
インフルエンザにかかると自分だけじゃなくてほかの人にもうつす事になるから手洗いをしたりうがいをしたりマスクをしたりいろいろ気を遣います。
…です。
いい心掛けじゃ!あの…感染症ってインフルエンザのほかにどんなものがあるんですか?うむ。
まず敵を知る事じゃな。
では…それではどんな感染症があるのか歴史的に大流行したものを見てみましょう。
ミドリ君よろしくお願いします。
(マルタ)「じゃあ順にいくよ」。
よ〜しよろしくお願いします。
(マルタ)「まずはペストだね。
ペスト菌という細菌が病原体」。
はいペストですね。
これね名前は聞いた事ありますよ。
(マルタ)「ヨーロッパでは14世紀に大流行したんだ。
ヨーロッパだけで全人口のおよそ1/3〜3/3に当たる2,500万人ほどの人が亡くなったといわれているよ」。
(丸)えっ2,500万人!?それってすごい数じゃない!
(マルタ)「そう。
次は天然痘。
これはウイルスが病原体だよ」。
はい天然痘ですね。
(マルタ)「日本でも度々大流行した事があったけれど特にひどかったのは15世紀コロンブスの新大陸発見のあとヨーロッパから病原体が持ち込まれたアメリカ大陸で大流行。
わずか50年間で8,000万人の人口が1,000万人に減ってしまったともいわれているよ」。
(丸)え〜!これまたすごい数だねぇ。
(マルタ)「そして20世紀に入ってからは新型インフルエンザ。
これもウイルスが病原体だね」。
はいはい。
新型インフルエンザ。
(マルタ)「1918年にスペイン風邪ともいわれるインフルエンザが世界中で大流行。
亡くなった人は2,000万人以上といわれているよ」。
(丸)わ〜知らなかったよ。
とんでもなくたくさんの人が感染症で亡くなってきたんだね。
でも今では再び人口が増えて多くの人々が暮らしてるっていう事は現在ではこういった感染症への対処のしかたが分かってきたからっていう事ですよね?そうそう。
亡くなる人は減ってきたんですよね。
はい確かに減りました。
でも今度は新しい感染症が出始めたんです。
これを新興感染症といいます。
えっ!新興感染症ですか。
はい。
その名のとおり新興…新しい感染症で例えばエイズです。
エイズはとても恐ろしい感染症ですがこれに関しては次の回で取り上げるので話を先に進めます。
そして更に再興感染症があります。
再興感染症ですね。
これは過去に流行した感染症で一時は発生数が減ったんですが最近になって復活した結核やマラリアなどです。
どうして再びはやり始めたんですか?主な理由の一つは交通の発達です。
交通の発達ですか?はい…なるほど。
人の行き来に伴って病原体も広がりやすくなってしまった訳なんですね。
はい。
(マルタ)「う〜あぁ〜」。
あれっミドリ君何か様子が変だね。
えっ!?ごめんごめん。
大丈夫?わ〜…。
感染症にはどんなものがあるのか分かったところで今度はその予防法について考えてみましょう。
敵を知ったところでその攻撃からいかに身を守るかという作戦会議だね。
し〜!うん?そんな大きな声でしゃべったら病原体に情報が漏れちゃうよ。
あっ丸君さすが。
特ダネつかんだね?フフフフ。
何?し〜!もっと小さな声で。
じゃその説明を亜矢子さんお願いします。
はい分かりました。
なるほど。
それが丸君がつかんだ特ダネ病原体から身を守る方法だったんだね。
そういう事でした。
亜矢子さんありがとうございます。
ではワクチンがどのようなものなのかというと…。
左側が病原体です。
この病原体が体の中に入ると病原性があるので病気になってしまいます。
そこで使われるのがワクチンです。
ワクチンとは…
(丸マルタ)ふ〜ん。
それではどうしてワクチンで感染症を予防できるのか説明しましょう。
まず自然感染の場合を考えてみます。
自然感染の場合は病原体が体の中に入ると増殖して発症します。
つまり病気になってしまいます。
でもこの時免疫が十分にはたらけばやがて病気は治ります。
この時の免疫の一次応答で記憶細胞が残ります。
そしてその後同じ病原体が体内に入ってきた場合には記憶細胞がはたらいて素早く強い免疫の応答が起こり抗体がたくさんできて発病を抑えたり症状を和らげたりするんです。
でも実は…えっそんないい方法があるんですか?はい。
それが予防接種です。
(丸マルタ)おぉ。
病原体の抗原の情報を保ったまま病原性をなくしたワクチンを打つ方法です。
この方法だと病原体は増殖しないし発症もしませんが体の中に記憶細胞をつくる事ができます。
記憶細胞が一度できてしまえばあとは実際に感染症にかかった時と同じ効果が期待できるという訳です。
これが…発病しないで免疫ができるんですからありがたいですよね。
さてお二人さん。
最後は…うん?あの〜お言葉ですが…実はそうもいかんのじゃ。
えっ!?免疫の反応が間に合わない?それってどういう事なんですか?それではこちらを見て下さい。
(丸)あれっ?例えば丸君が毒蛇にかまれたとか毒グモに刺されたとか土いじりをしていて傷口から破傷風菌が入ってその菌がつくる毒素が体中に広がるといった場合です。
(丸)嫌だ嫌だ…。
どれも嫌だ。
丸君はそれらの毒素に対しては免疫ができていません。
ですから体内で毒素に対する抗体がつくられる以前に丸君の命が危なくなります。
わ〜!緊急事態緊急事態!つまり…はいそのとおりです。
このような…血清療法?それで命が助かるんですか?はい。
こちらを見て下さい。
動物の体にその病原体や毒素を死なない程度のわずかな量とか毒性を薄めたものとかを繰り返して注射すると免疫のはたらきで抗体をつくり出す抗体産生細胞ができます。
つまりその動物の体内で抗体が大量につくり出されるようになるんです。
そこでその抗体を含んだ血清を取り出していつでも使えるように準備しておきます。
これを丸君に注射すると丸君の体の中に入り込んだ病原体や毒素をすぐに取り去る事ができるんです。
これが…
(マルタ)なるほど。
これで丸君は命が助かるんだ。
よかったね丸君。
はいおかげさまで。
あれっ何でマルタにお礼を言わなきゃいけないんだ?いやいや損はないよ。
ところでこの血清療法19世紀の終わりごろにある日本人によって開発されたんですよ。
えっ!日本人によってですか?はい。
それはこちらの方です。
ドイツに渡り細菌学を研究。
破傷風の予防治療の道を切り開きました。
これが破傷風の病原体…北里博士の…破傷風菌は空気がない状態で盛んに増えるという性質がある。
そこで亀のような形をした亀の子シャーレを作った。
このシャーレの中に破傷風菌を入れ片方の口から水素を入れて中の空気を追い出す。
両方の口を閉じるとシャーレの中は空気がない状態になる。
すると破傷風菌が盛んに増えた。
そして…その毒素を動物に注射してみた。
すると病気になって死ぬものと病気にならないものに分かれた。
病気にならなかったものを詳しく調べると血液の中に破傷風菌が出す毒素を無毒化する成分が見つかった。
そこでその成分を取り出して破傷風に感染した人に注射してみると病気が治ったのだ。
これは世界で初めて生み出された治療方法で……と呼ばれるようになった。
やがてこの治療方法はコレラチフス赤痢などさまざまな感染症に取り入れられるようになりたくさんの人の命を救うようになったのだ。
先生こんにちは。
(板山)八田さんようこそ。
はいどうぞ〜。
どうもありがとうございます。
今日は免疫と健康の事について学びました。
感染症にはどんなものがあるのかそしてその予防方法や治療方法などを学びましたね。
もっと知りたい事ありますか?はい。
毎年冬になると流行するインフルエンザの予防接種についてです。
学校などではやり学級閉鎖につながる事がありますよね。
はい。
その…実はですね…インフルエンザウイルスの型が違うからかかってしまうという事ですか?そうなんですね。
どうしてそうなるかこちらの図を見て下さい。
はい。
まずワクチンがどのように作られているかというと前年度に次の年に流行しそうなインフルエンザウイルスの型を専門家が予想します。
そして鶏の有精卵の中にその型のウイルスを接種してウイルスを培養精製してワクチンを作ります。
ところがワクチンは流行が始まる秋までにはたくさん作っておかなくてはなりません。
予想していた型と異なる型のインフルエンザがはやった場合ワクチンの効果が低く感染者が増えるという訳なんですね。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「敵を知って己に生かす」。
ワクチンや血清療法があっても病気にならない訳ではありません。
感染症と人との闘いは果てしなく続いているんです。
感染症の事がもっと研究されて多くの人がもっともっと健康に暮らせるようになるといいですね。
うんうん。
「敵を知る」か〜。
フフフフフ。
うん?俺もマルタの事よく知ってるからマルタの攻撃だったら目をつぶってでもよけられる。
お〜。
よしこい!はや〜!痛い〜。
2015/12/01(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「免疫と健康」(1)[字]
生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。
詳細情報
番組内容
私たちのまわりには、感染症の原因となるさまざまな病原体や毒素があります。その中には体に備わった自然免疫や獲得免疫のはたらきで、簡単には防ぐことができないものもあります。感染症などの病気の予防と治療のために、人類が免疫の力を利用して生み出してきた対処法について学びましょう。【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド【講師】板山裕
出演者
【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【解説】都立国立高等学校教諭…板山裕,【語り】増谷康紀
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
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バラエティ – その他
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