(槙原)こいつは由緒ある安倍家の正統な後継者です。
(只野路子)尻尾。
(乗鞍)あれが化けぎつねか。
(安倍祥明)俺は雨宮咲月という人間を捜しにきただけだ。
彼女は私の叔母に当たる人物です。
咲月さんの子供は瞬太なんですよね?
(内藤)ああ。
そうだ。
聞かせてもらえますか?16年前のことを。
まあおめぇさんにならもうそろそろ話してもいいかもしれねぇな。
咲月はこの店で住み込みで働いていたんだ。
商店街の連中ともすぐに打ち解けてな。
特にみどりちゃんとは仲が良くて看護師っていうこともあっていろいろと相談していた。
だが瞬太を産んだあと体調が戻らなくてな。
瞬太を捨て子だと見せかけたのは咲月さんがそうしてくれと頼んだからですか?あいつに自分が親だっていうことは隠してくれと言われてな。
おめぇさんの実家と何か関係があるのか?咲月さんは瞬太に安倍家を継がせたくなかったんだと思います。
安倍家を継ぐ?うちは代々続く陰陽師の家系です。
祖父の体調が悪く次の当主を決めなければならないため私は咲月さんとそのおなかにいた子供を捜しにきました。
瞬太には安倍家を継ぐ資格があるからです。
で…おめぇさん瞬太をどうするつもりだ?どうするんでしょうね?
(史尋)昨日本屋で変な記事見つけたんだけどこれ知ってる?
(沢崎瞬太)ん?
(史尋)王子に化けぎつねがいんだってさ。
「化け狐の正体は高校生で地元の商店街に棲んでいる」。
(岡島)今どきそんな話信じるやついねぇよな。
(史尋)まあ変な騒ぎになんなきゃいいけどな。
だ…だな。
おぉ〜ヨシアキいたか。
また来たのか秀行。
お前はどうしてそこまで俺…。
おばあ様。
(春代)お久しぶりねヨシアキさん。
ご無沙汰しております。
(春代)安倍家の後継者ともあろう人がこんな所で占いの店とは。
少し酔狂が過ぎるのでは?おばあ様こそどうされたのですか?こんな所に急にお越しになるなんて。
柊一郎さんの容体が良くないこと聞いてますね?ええ。
今年の大はらえまでに当主の引き継ぎをすることになりました。
いよいよですか。
ヨシアキさん。
あの子は見つかったんですか?いえまだ。
(春代)はぁ〜。
もう全く咲月ったら!大事な後継者を勝手に連れていって。
安倍家の女として許されませんよそんなこと。
・
(ドアの開閉音)あぁ〜さっみぃ。
あぁ槙原さん。
あれ?この人は?
(槙原)あぁ〜瞬太君。
そちらはヨシアキのおばあ様で春代さん。
祥明のおばあちゃん。
あなたは?アルバイトの沢崎瞬太です。
こんにちは。
ほぉ〜。
ヨシアキさんが式神をね。
あなたおいくつ?もうすぐ16だけど。
そうだ。
あなたうちへ来てアルバイトしていただけないかしら?大はらえの前に。
ちょうど書斎を片づけたいって思ってたの。
えっ俺が?いやあっしかし…。
バイト代はヨシアキさんよりもず〜っと弾むわよ。
マジ?おばあちゃん俺行く。
よろしいわね?ヨシアキさん。
こんばんは。
沢崎瞬太君だよね?そうだけど。
この辺に化けぎつねがいるっていううわさ知ってます?さあ?そのきつねって君だよね。
ふっ何言ってんだよ。
まさかとは思ったけどまさかね。
(沢崎)おっおかえり。
(みどり)おかえり〜。
(沢崎)キムチ鍋締めにラーメンだぞ。
あっどうしたの?瞬ちゃん。
あぁ何でもない。
手洗ってくるね。
(みどり)うん。
あぁ〜おいしい。
芋食ってる場合じゃないんだ。
えっ何?えっちょっと何!ちょっと待って…。
えっ?じゃあ瞬太君は陰陽屋さんのいとこだってことですか?祖母は既にきつね君のことを疑っている。
正体がバレればあいつが安倍家を継ぐことになる。
ん?でも後継者なら陰陽屋さんが。
お前も知ってるだろ。
あいつが妖狐だってこと。
安倍晴明の母親は葛の葉という妖狐だった。
そのため安倍家では代々妖狐の血が一部の人間に受け継がれてきた。
その血こそが後継者選びの最大のポイントになる。
じゃあまさか陰陽屋さんも化けぎつね?俺は違う。
だからこそあいつが妖狐だとわかれば祖母は意地でもあいつを当主に仕立てるはずだ。
安倍家の繁栄と存続に命を懸けてる方だからな。
安倍家ってそんなにすごいもんなんですか。
ああ。
明治3年に陰陽寮は廃止され陰陽師は表舞台から姿を消したが今でも安倍家は政財界の権力者とつながり助言や祈とう祭事などを行なうことで強い影響力を持っている。
まさか今どき陰陽師に頼るなんて。
人の上に立つ人間ほどそういう力に頼るものさ。
うちだけじゃない。
VIP専門の占い師というのは実在する。
とにかくあののんきなきつね君を1人で実家に行かせたら必ずぼろが出て祖母に気付かれる。
だから先生も一緒についてってくれないか?えっ?私が?陰陽屋さんが行けばいいじゃないですか。
俺は何年も家を出てたんだぞ。
それこそ何でバイトのつきあいくらいで帰ってきたのかと怪しまれるだろ。
でも何て言ってついていけばいいか…。
こうしよう。
先生は実は歴史好き。
陰陽屋さんのご実家に…。
陰陽屋さんのご実家に珍しい文献がたくさんあるとお聞きしてどうにか見せていただけないかと。
そうですか。
あっ…もちろん本の整理もさせていただきます。
ヨシアキさんから連絡はもらってます。
どうぞ。
陰陽屋さんこんなにお金持ちだったんだ。
すげぇ…。
くん!くんくん!くん!うわっ!パンジー!超いっぱい咲いてる。
娘が大好きでね。
くん!あぁ〜いい匂い。
あらそんな匂いするかしら。
あなた鼻がいいのね。
あっ…。
すぅ〜はぁ〜すぅ〜!あぁ〜いい香り!すぅ〜!私もしますよ。
すぅ〜!ご苦労さま。
はいどうぞ。
一休みしてください。
やった。
ありがとうございます。
それにしても珍しい本がたくさんありますね。
安倍家に受け継がれてきた貴重なものばかりです。
おばあちゃん祥明ってこれどのくらい読んだの?ほとんど全てじゃないかしら。
えっ?マジか。
すごいな。
あの子は安倍家に残された唯一の跡取り候補だったから幼い頃から期待されてね。
それに応えるために必死になっていつもここに籠もって本を読んでいたわね〜。
寂しくなかったのかな。
どうかしら。
学校ではいじめられてたみたいだけど。
えっ…あの人が。
安倍家の後継者が…情けないわね。
でもだからあいつ他の人の気持ちとか困ってることとかわかるようになったのかもしれないな。
あら。
あなたなかなか面白いこと言うわね。
そういえばあなたに聞きたいことがあったの。
何?雨宮咲月っていう人知らないかしら?えっ咲月って…。
あのお茶もらいますね。
あぁ〜!あらららあら。
ごめんなさい!何してんの?ほんとにそそっかしいのね。
今拭くもの持ってきますから。
すいません。
どうしよすいません。
めっちゃぬれちゃってんじゃん。
いい?咲月さんのことはないしょだからね。
何で?いいから。
・陰陽屋さんに口止めされてるの。
(回想咲月)またこんな=jにJDじdFもって。
いいんだよ。
ヨシアキは安倍家のしきたりになんか縛られなくたって。
・
(ドアの開閉音)・すみませ〜ん!こんにちは。
いらっしゃいませ。
えっと確かお嬢さんはクラスに気になる男子がいるとおっしゃってた。
はい前に陰陽屋さんが向こうから声をかけてくれるはずだって言ってくれたのに…。
・
(ドアの開閉音)全然話しかけ…。
(珠希)ショウ大変大変。
瞬太君ちに記者が…。
(千鶴)瞬太君が化けぎつね?そんなばかな話あるわけないだろう。
(高坂)うちの商店街に妙なうわさ立てないでください。
(江美子)そうだ!とっとと帰れ!ほう寂れた商店街が随分にぎやかなこと。
(みどり)陰陽屋さん。
何ですか?あなた。
私はこの商店街にある陰陽屋のあるじで安倍祥明と申します。
アベノショウメイ?これは一体何の騒ぎですか?
(乗鞍)いや…私はこの記事の続編を書くために瞬太君にちょっと話を聞こうとしただけですよ。
たったそれだけのことなのにわらわら人が集まってきて一体何なんですかこの商店街は。
ほうほうほうこれはこれは。
確かに私もこの商店街に来てからうすうす感じてはおりましたがうんそういうことでしたか。
ようやくわかりました。
この商店街化けぎつねにたたられております。
(千鶴・江美子・高坂)はぁ?どうしちゃったのよショウ。
客足が遠のき気付けばシャッター通り目前。
その原因は全て瞬太君という化けぎつねのたたりにあったのです。
(千鶴・江美子・高坂)たたり!?
(千鶴)何言ってんだいあんた。
私が化けぎつねを退治してみせましょう。
あっそうだあなたにはその儀式を独占取材する権利を差し上げましょうか。
えっ?彼が化けぎつねになる姿がばっちり見れますよ。
いかがですか?
(江美子)ふざけんな!
(高坂)いいかげんにしろ!
(沢崎)帰ってください。
とにかく帰ってください!あぁ行きましょう。
(沢崎)帰れ!
(江美子)帰れ!さっさと帰れ!
(高坂)今すぐ帰れ!考えておいてください。
改めて連絡しますよ。
よろしく。
何でそんなこと言っちゃったんですか?あぁ〜あんないんちき記事に乗っかって。
(江美子)どういうことだい!
(千鶴)ほんとだよ全くさもう頭にきちゃう…。
落ち着いてください。
私が皆さんを裏切るわけないじゃないですか。
あれはきつね君を守るための作戦ですよ。
作戦?どんな?ああいう記者はとにかくしつこいものです。
ですからこちらで先にわなを仕掛けるんですよ。
わな?まず私が化けぎつねを退治する儀式を執り行なうとあの記者を呼び出します。
さあやれるもんならやってみろよ。
そして私が皆さんの目の前で適当な呪文を唱え始める。
稲荷山人の宿りに迷いし狐野辺こそ…秀行。
今この注連縄を潜らせて…。
あぁ…やめろ〜。
そこに秀行が駆けつけきつね君を助けるために布をかぶせる。
それで?だが時既に遅し。
化けぎつねになってしまっている。
慌てた皆さんは駆け寄る。
(高坂・江美子・千鶴)瞬太〜!瞬太く〜ん!
(高坂)大丈夫か〜?瞬太く〜ん!あれ?しかしその耳と尻尾は偽物。
気付いた皆さんは騒ぎ立てる。
(江美子)何だこれ。
いかさまじゃないか!
(千鶴)このいんちき陰陽師!はいそこで記者が…。
(千鶴)あっ記者やってやって。
(高坂)あぁ〜はいはいはいはい。
がせねたか〜いふざけんな。
その様子を隠し撮りしていた記者はあのいんちき陰陽師に担がれたと思って帰っていく。
という筋書きでございます。
なるほどねこれいいかもね。
(江美子)うちの商店街の演技力も生かせるしね。
(千鶴)腕が鳴るね〜台本は私に任せな。
(江美子)くぅ〜。
あっでもその記者はどうやって呼び出すんですか?俺がうまく誘う。
向こうにリスクはないんだ断る理由はないさ。
その様子をあなたは隠し撮りしてください。
映像をどのように使おうがあなたの自由です。
ただし成功した場合はそれなりの報酬は頂きますけどね。
・
(春代)ごめんくださいませ。
はい。
沢崎瞬太君のお母様でいらっしゃいますわね?ええ…失礼ですが?安倍ヨシアキの祖母で安倍春代と申します。
あぁ…。
(春代)いろいろ調べさせていただきました。
瞬太君は雨宮咲月の子で妖狐の血を引いてるのではありませんか?やはりそうなんですねはぁ〜。
あぁあの…あなたは?咲月の母です。
瞬太君は私の孫でございます。
あの子は祖父柊一郎と同じ妖狐の血を引く安倍家にとりまして大切な後継者です。
ここにいるべき人間ではありません。
どうぞお返しくださいまし。
いつかこんな日が来るんじゃないかって覚悟はしてました。
あの子を育てるって決心した日に夫と話したんです。
本当のご家族が現れたら笑顔で送り出す心の準備をしておこうねって。
そうでしたらば…。
でもそんな簡単じゃないんです。
ずっと一緒に暮らしてたら…。
そんな簡単じゃないんですううっ…。
(春代)もちろんここまで育ててくださったこと深く感謝いたしております。
せん越ながら十分なお礼もご用意させていただきます。
そんな…。
(春代)よろしいですかあの子は妖狐なのですよ。
この先ず〜っとご家族だけであの子を守っていけるとお思いですか?どうぞ良きご返事お待ちしてます。
おっいらっしゃい!おばあ様。
ヨシアキさんどういうことかしら?沢崎さんから聞きました。
瞬太君咲月の子供なんですね?ええそうです。
咲月はどうしたの?どこにいるの?まあ子供が見つかったんだから咲月のことなんてどうでもいいわ。
あの子は安倍家へ連れて帰って後継者にしますから。
そうですね。
彼のほうが私よりふさわしいかと。
ただ少しだけ待っていただけますか?妙な記者が瞬太君のことを嗅ぎ回っています。
明日その火消しのために商店街の人たちとうその儀式を行ないますので。
うその儀式?これは安倍家の当主を守るための大切な儀式です。
おばあ様も是非ご列席ください。
これどうですか?
(春代)あぁ〜これ信田巻き。
良かったら。
(春代)あぁこれは…。
うちの商店街はすっかり寂れちまいましたがね昔からの義理人情ってやつだけは変わらず残ってるんですよ。
今うちの連中は瞬太のために一肌脱ごうとしている。
良かったら明日の儀式ってやつ見にきてやってもらえませんか?面白いものが見られるかもしれませんよ。
(江美子)そろそろ時間だね。
(千鶴)うん。
うん。
遅いよ。
(高坂)遅いですね。
(千鶴)来ないね。
どうしたんだよ。
遅いね。
(高坂)遅いですね。
(千鶴)珠ちゃんどうだった?
(珠希)木の陰からこっちを狙っています。
(高坂)よし計画どおり。
(槙原)どうしたんだよ?大事な儀式の前にキャッチボールなんて。
ふと思い出したんだよ。
小学5年でお前と同じクラスになってお前が俺をキャッチボールに誘ってきたときのこと。
そうだっけ?お前はいつもそうだ。
俺におせっかいばっかり。
あんときも俺が嫌がってんのに無理やり柔道やキャッチボールを教えようとした。
でも正直うれしかったよ。
どうしたんだよ?ヨシアキ。
だから今回も俺を助けてくれないか?助けるって?今まで黙ってたが瞬太は俺のいとこだ。
えっ?祖母がそのことに気付いてしまった。
このままだとあいつが安倍家を継ぐことになる。
瞬太君が…。
だが俺はどんな手を使ってでも自分で安倍家を継ぎたい。
ちょっと待てよお前いつの間に家継ぐって…。
だから今日の儀式であいつを本物のきつねに変える。
はぁ?みんなにはないしょで計画変更だ。
いんちきの化けぎつねではなくあいつを本物のきつねに変えてあの記者に売り渡す。
お前本気で言ってんのか?ああ本気だ。
時間がないいいから俺の話を…。
ふざけんな!いくらお前の頼みでも俺は商店街の人たちを裏切ることはできない。
ちっ!…ったく。
頼む!秀行。
お前しか頼めるやついないんだよ。
はぁはぁ…。
皆さん大変です。
槙原さんどうしたんですか?
(槙原)ヨシアキは裏切ろうとしています。
えっ?
(千鶴)ちょっとあいつが見てるんだから。
瞬太君は安倍家の後継者だったんです。
はぁ?
(槙原)ヨシアキは自分が当主になるために邪魔な瞬太君を本物のきつねに変えようとしてるんです。
本物のきつね?いやそんなわけないじゃない…。
ほんとなんです。
陰陽屋でこれを見つけたんです。
(槙原)赤い字で書いた霊符を貼った縄をくぐらせることで妖狐を本物のきつねに戻すことができるって。
(高坂)ははっまさかばからしい。
(江美子)瞬太君がきつねになるわけないだろ。
あれ?祥明はまだ?
(槙原)瞬太君だめだ!ヨシアキは裏切るつもりだ。
君を本物のきつねに変えようとしてんだよ。
(沢崎・みどり)えっ?槙原さん大丈夫だって。
祥明はそんなことしないよ。
瞬太君…。
ほうほうほうこれはこれは。
皆さんどうされたのですか?
(小声で)台本どおりにやらないとあの記者に疑われますよ。
(小声で江美子)もうやるしかないよ。
待ってください!
(江美子)何だいいんちき陰陽師!妙な儀式をやるんだってね。
(高坂)お前のうそを暴こうと思ってみんな来たのさ。
では皆さんの目の前で化けぎつねを退治してみせましょう。
さあやれるもんならやってみろよ。
きつね君これでお別れだ。
えっ?天地玄妙陰陽之加持諾々甲々やよ妖狐この符を貼りし縄の呪力によりて人の身を解脱して元の狐の身に速やかに戻らむと詔る。
この呪文って…。
練習と違うぞ。
即効示現神通力無上霊宝陰陽之加持力急々如律令。
あっ!あれってさっきの!瞬太君危ない!瞬太?ご覧いただきましょうこれが沢崎瞬太君の本当の姿です。
あっ…。
はぁ!
(乗鞍)おぉ〜いいぞ。
(沢崎)瞬太!
(みどり)瞬太!大スクープだははっ。
(みどり)瞬ちゃん!瞬太!瞬太君!
(高坂・江美子・千鶴)瞬太!
(槙原)人間の頃の思い出を語りかけてください。
早く!戻れなくなります。
(沢崎)思い出って何を?
(槙原)生まれたときのことから全部!覚えてる?瞬太生まれたあなたを最初に私がだっこしたのよ。
そのとき耳と尻尾が出てびっくりしたけどあなたはすっごくかわいかったわ。
きつねの子だから病院に連れてけなくてさ生まれてしばらくは商店街のみんなで寝ずの番したんだよ。
小さい頃は泣くとすぐ耳と尻尾が出ちゃうから私らみんなはらはらしたんだよ。
ほら入学式はみんな集まって源さんのとこで油揚げでお祝いしたじゃないか。
運動会のときも毎年お前はきつねだからか足が速かったよな。
(沢崎)瞬太戻ってこい!
(みどり)瞬太お母さんよお母さんここにいるわよ!瞬太!もう無理ですね諦めてください。
(沢崎)ふざけるな。
(千鶴)どうすんのよ…。
(沢崎)瞬太!皆さん本当は瞬太君が化けぎつねだと知りながらそれを隠してたんですね。
本当に薄気味悪い商店街だ。
(高坂)金のためか?人間のやることじゃないだろう。
(千鶴)この街から出てっておくれ。
もともとそのつもりでした。
まあ結果良かったっすよね。
あぁ?
(槙原)瞬太君もういいよ。
どうして?槙原さんが助けてくれたんだ俺ときつねをすり替えて。
瞬太…。
ううっ…。
聞いてたよ。
みんな知ってて守っててくれたんだね。
うん。
16年前あなたの本当のお母さんと約束したの。
みどりさん私にもしものことがあったらこの子を育ててもらえませんか?この子うちで引き取ります。
(江美子)だったら;dらもNOB_すよ。
(高坂)この;RのHkL)は@dBPにみんなで
iろう。
(内藤)子供1人育てるんだ。
楽なこっちゃねぇぞ。
みんなちゃんと覚悟はあるんだろうな?私らは何もしてないよ。
あんたのことをただ見守ってただけだよ。
成長していくのを見て喜んでいただけだよ。
ありがとう。
おばあちゃん。
私の孫が本当にお世話になりました。
瞬太聞いて。
あなたのお母さんは咲月さんなの。
えっ?だから…。
どうやら私の捜してたものはなかったようです。
それにしてもすばらしい息子さんですね。
こんなに皆さんに愛されて。
それに引き換えうちの孫はほんっとにへそ曲がりなんだから。
育て方間違えたのかしら。
失礼します。
おううまくいったか?ええ。
かっこつけやがって。
(珠希)すごいじゃんマッキー大活躍だったね。
(高坂)そうだな瞬太を助けてくれてありがとう。
いや…ほんとのこと言うと全部ヨシアキの筋書きなんです。
(路子・千鶴・江美子・高坂)えっ?あいつが俺に頼んできたんですよ。
頼む!秀行。
お前しか頼めるやついないんだよ。
俺は全員をだまして全て丸く収める。
どういうことだよ?
(槙原)それであいつ俺にきつねと瞬太君をすり替えろって言ってきたんです。
商店街のみんなは瞬太君が化けぎつねだと知ってるから必ず信じるって。
あいつ言ってました。
このことは誰にも言うなお前が守ったことにしろって。
それで自分の手柄にして路子先生でも口説いたらどうだって。
でもできるわけないですよね。
俺はあいつの唯一の友達ですから。
瞬太〜!瞬太…。
瞬太〜!ワンワン!ワン!
(乗鞍)何だ?これ。
がせねたかい!ワン!って犬?ワンワン!陰陽屋さん!ねえ陰陽屋さんは?えっ?知らねぇよ。
どうでした?うちの商店街の下手な芝居は。
(春代)とんだ茶番でしたわ。
でも…。
(2人)ふふふふっ。
(春代)咲月はこちらのお店にお世話になってたんですのね。
信田巻き頂いたときすぐに気が付きました。
あれは安倍家の味です。
あいつは油揚げ料理が得意でしてね。
うちの常連客だけに食べてもらっていたんですよ。
その味を俺が。
うちの家系は代々油揚げが大好きでしてね。
あの子にも私が随分と教えて。
そうでしたか道理で。
でも訳のわからない男と子供まで作って駆け落ち同然で出てって…はぁ。
ほんとに親不孝な娘です。
さあどうぞ上にお上がりになって。
俺の娘は照子っていうんですがね学生のときに妊娠しちまって結婚したいってもんですからこの家追い出しました。
それでも娘は娘ですから心配で心配でしょうがなかった。
咲月はうれしそうにあの信田巻き作ってましたよ。
これがお母さんに習った味だと言ってね。
きっとあなたのことを思ってたんでしょうね。
ううっ…。
長い間本当に娘がお世話になりました。
陰陽屋さん!これは先生どうされました?慌てて。
ずるいですよ!みんなに何も言わないで自分だけ悪者のふりしてかっこつけちゃって。
秀行がしゃべったのか。
あいつは一生損するタイプだな。
陰陽屋さんは商店街のみんなをだまして瞬太君への思いを春代さんに見せつけた。
そうやって瞬太君をあの記者からも春代さんからも守ったんですよね。
俺は自分が安倍家の跡取りになりたかっただけだよ。
うそですよね。
ほんとは安倍家なんて継ぎたくなかったんじゃないですか?だから自分の代わりに継いでくれる人間を探してこの街にやって来たんじゃないですか?でも瞬太君を見てやっぱり自分が継ごうと決めた。
それは瞬太君がこの商店街にいたほうが幸せだと思ったからですよね。
いいじゃないかそんなことどっちでも。
全てのことに白黒はっきり付けてどうなる?そうですね。
何だかよくわからないけどみんなが幸せならそれでいいじゃないか。
あなたがそう教えてくれました。
瞬太を頼む。
認めたくはないがあんなおばかさんでも俺のいとこだ。
はい。
あのまた会えますよね?全ては星の巡り合わせ。
会える運命なら会えるさ。
でもそういうのは信じないんだろ?信じますよ自分に都合のいいことなら。
はぁ〜。
やっぱりヨシアキにはかなわないか。
マッキーはマッキーでけっこうかっこよかったよ。
えっ?今度ご飯でも連れてってよ。
しゃ!おかえりなさいヨシアキさん。
おじい様ただいま戻りました。
私が安倍家当主を継がせていただきます。
ただしおじい様のようにはいたしません。
陰陽師が怪しげな呪術を駆使して闇の世界を支配したのは平安時代までで十分です。
しかしいまだに安倍家は権力者を操り時代を陰から動かそうとしている。
私はそこに疑問を感じておりました。
ヨシアキさん…。
ですが一介の占い師となってみてわかったのです。
私が持っている知識は市井の人々を救うこともできると。
元来陰陽師が退治していたのはえたいの知れぬ魑魅魍魎などではなく人間の心にすむ鬼だったのだと私は思います。
私には妖術も霊感もありません。
できるのはただひとの悩みを聞きゆがんだ心をほんの少し直すことだけです。
私は私なりのやり方でこの道を歩ませていただきます。
・「ココロ空モヨウ」しかたありませんわね。
咲月の子は見つからなかったんですから。
(沢崎)瞬太お前は俺たちの息子だ!
(高坂)イェ〜イ!
(沢崎)ははははっ!良かったね。
三井さん。
何?えっ。
(春菜)やっぱり陰陽屋さんの言ってたとおり話しかけてくれた。
三井さん。
ずっと気になってたんだ沢崎君のこと。
えっ何で?だって沢崎君ってきつねなんでしょ?えっあっ!すご〜い。
何で知ってんの?みんな知ってるよそんなこと。
・先生ここここ。
お店の人が超イケメンでホストみたいなんです。
ほんとに?うん。
もうすっご〜く甘い気持ちになれて嫌なこととか吹き飛んじゃいますから。
へぇ〜。
ほうほうほうこれはこれは。
大丈夫会える運命なら探さなくても必ず会えますよ。
あのチョコバナナにアイスとマロントッピングあっ後生クリーム1.5倍で。
1.5倍はい!先生盛り過ぎ!おいしい〜!でしょ!うん通っちゃおうかな。
ありがとうございました。
いらっしゃいませ陰陽屋へようこそ。
2015/12/02(水) 01:55〜02:55
関西テレビ1
[終]よろず占い処 陰陽屋へようこそ #11[再][字]
ついに最終回!瞬太を安倍家に連れ戻そうと祥明の祖母がやってくる!一方、瞬太の正体を暴こうとする記者に祥明は「化け狐を退治するから独占取材しろ」ともちかけ…!?
詳細情報
番組内容
瞬太(知念侑李)は祥明(錦戸亮)の叔母・咲月(山田麻衣子)の息子であることが判明。覚悟を決めた源次郎(杉良太郎)は、瞬太出生の秘密を祥明に語り始める。
翌日、槙原(駿河太郎)が、祥明の祖母・春代(香山美子)を連れて陰陽屋へやって来る。安倍家の跡継ぎは見つかったのかと催促する春代に、「まだだ」と答える祥明。しかし、そこに現れた瞬太を見て何かを察した春代は、「書庫の片付けのバイトに」と
番組内容2
瞬太を安倍家へ呼び出す。祥明は瞬太が妖狐だとばれないよう、路子(倉科カナ)に同行を依頼する。
その頃、瞬太の家に“王子に化け狐の少年が棲む”という記事を書いた雑誌記者が、押しかけてくる。事態を聞いた珠希(柏木由紀)が祥明を連れて行くが、あろうことか祥明は「化け狐を退治する儀式を独占取材させてやる」と、記者に対して提案。商店街のメンバーたちは色めくが、実は瞬太を守るための罠だと聞き、
番組内容3
皆で協力してウソの儀式を執り行うことに。
しかし、儀式の直前、槙原が「祥明が裏切ろうとしている!」と血相を変えて商店街のメンバーのもとに駆け込んできた。祥明は、本当は瞬太が化け狐だとバラすつもりだというのだ。いざ儀式が始まると、祥明の唱える呪文が練習と違うことに気付き、一同は騒然!
祥明の狙いはいったい何なのか?そして、祥明が最後に下した決断とは…?
出演者
錦戸 亮(関ジャニ∞)
倉科カナ
知念侑李(Hey! Say! JUMP)
柏木由紀(AKB48)
駿河太郎
・
宮川一朗太
濱田マリ
ふせえり
見栄晴
・
南野陽子
/
杉良太郎
<最終回登場人物>
香山美子
山田麻衣子
テイ龍進
ほか
スタッフ
【原作】
天野頌子 よろず占い処 陰陽屋シリーズ(ポプラ社 刊)
【脚本】
黒岩 勉
【音楽】
井筒昭雄
【主題歌】
関ジャニ∞「ココロ空モヨウ」(テイチクエンタテインメント)
【プロデュース】
豊福陽子(関西テレビ)
稲田秀樹(共同テレビ)
小林 宙(共同テレビ)
【演出】
土方政人(共同テレビ)
【制作】
関西テレビ
【制作著作】
共同テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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