ホンボシ〜心理特捜事件簿 2015.12.02


(新田英佑)そいつらが悪いんだぞ!俺の人生台無しにしやがって!
(倉元吾郎)犯人の新田英佑は大学4年の時にこの彩京硝子から内定をもらったものの経営不振で内定が取り消しになりました。
今も就職先が見つからずこの会社の人事部への恨みを募らせてたようです。
(御子柴衛)典型的なジェーソン・ロドリゲスタイプの犯罪ですね。
班長問題はこれです。
来てください。
(倉元)遺体はこの会社の営業三部に所属する北山晴紀さん。
新田はビル内への侵入口を探してる時にこの遺体を発見し首にかかっていたIDカードを取ったと供述しています。
(矢代有作)転落死だ。
落下の衝撃で腕時計が壊れている。
(真田英俊)6時45分…。
今朝ですか?いや遺体の状況からみて昨日の夕方だ。
その時刻に転落したとみて矛盾はない。
(桜井慎吾)ガイシャの所持品です。
(御子柴)転落ってことは事故や自殺の可能性もあるんですよね。
いや爪の間に繊維片が付着している。
(友枝凛子)本人の服とは色が違う繊維ですね。
転落の際に誰かの着衣をつかんだ。
他殺の線で捜査を始めよう。
(倉元)よし。
はい!
(吉村和彦)皆さんにはこれから1人ずつ聴取させていただきますのでこのままここでお待ちください。
それから北山さんについては何かお気づきの点がありましたら随時お話しください。
(吉村)ご苦労さまです。
(吉村)北山さんは昨日の6時40分頃ここから1人で出て行ったそうです。
(小嶌智彦)帰るのか?
(北山晴紀)いやタバコ吸ってくる。

(吉村)こちらです。
本来このビル内で喫煙するには1階の喫煙室に行かなければならないんですが営業部の喫煙者たちはいつもこの非常階段の踊り場で吸っていたそうです。
この吸い殻遺体が所持していたのと同じ銘柄だ。
それに火を消した痕跡がない。

(梶原稔)凛子ちゃん!何?梶さん。
(梶原)これこれ。
どれ?遺体の爪にあった繊維と同じ色だ。
犯人は人事部を襲った新田の線もありですね。
IDカードを手に入れようと突き落とした。
(桐島孝作)それはありえませんね。
下を見てください。
ここから落ちたら危険だということは一目瞭然でわかります。
もしこの場所で見知らぬ相手が近づいてきたら人は自分の身を守ろうとして無意識のうちに思わず警戒態勢に入ります。
とてもタバコで片手がふさがった状態じゃいられないはずです。
だが彼はタバコを吸い続けていた。
(北山)うわあー!つまり彼はまったく警戒心を抱かない相手に押されて落下したということになります。
これは顔見知りの犯行です。

(倉元)彩京硝子の営業三部は酒や調味料の製造メーカーからガラス瓶の注文をとってくる部署です。
北山さんは入社5年目で部内では最年少の社員でした。
ヘビースモーカーで日に何度もあの非常階段で吸っていたそうです。
落ちていた吸い殻の唾液から検出されたDNAは北山さんのものと一致したそうです。
手すりから採取した繊維はウール素材の緑色の毛糸。
遺体の爪に付着していたものと一致しました。
ホシの着衣とみて間違いないと思います。
(倉元)北山さんが殺害されたゆうべの午後6時45分新田英佑に関してはアリバイが成立している。
他の同僚たちのアリバイは現在確認中だがこの3人は外回り中で社内にはいませんでした。
裏も取れています。
班長。
我々一課としては引き続き社内の人間を調べて殺害の動機を持つ者を割り出す方針です。
よろしく頼みます。
お知り合いみたいですね。
えっ?彼女を見た時ちょっとびっくりしたような顔してたでしょ。
ほんとに桐島さんは人の顔よく見てるんですね。
それが仕事ですから。
残念でした。
知り合いじゃありません。
えっ?朝のバスでよく見かける人なんです。
あっファミリアストレンジャーでしたか。
なんですか?それ。
よく見かける他人のことを社会心理学ではファミリアストレンジャーって言うんですよ。
知り合いじゃないのに知っている。
確かにそういう人と違う場所で会ったりするとびっくりしたりしますよね。
ええ。
彼女を使って…あら?
(倉元)北山さんがタバコを吸いに行ったあとあなたはどうしていましたか?ここで1人で仕事をしていました。
戻ってこないのをおかしいと思わなかったんですか?今仕事が立て込んでいて人のことになんて構っていられないんです。
(吉村)昨日の昼休みあなたと北山さんが喫煙室で揉めていたという証言があるんですが。
(小嶌)お前どういうつもりだ!何を揉めていたんですか?
(小嶌)それは…あいつ得意先との約束をすぐ忘れるんでそれを叱ったんです。
嘘をついてます。
まばたきの回数が多いでしょ?福井係長。
人事部の事件がニュースに流れて得意先が説明に来いと言ってきたんですがどうしましょう?
(福井義人)課長どこ行った?さあ…。
こちらにいらしたんですか。
(矢吹洋子)あの…同じバッグ持ってましたよね?あなたも気づいてたんですか。
偶然ですね。
昨日の夕方6時45分どちらにいらっしゃいましたか?私は6時から8時まで会議室で商品デザイナーと打ち合わせをしていました。
(ドアの開閉音)
(高田真弓)なんだ課長も花買ってたんだ。
総務に言われてわざわざ私買いに行ってきたのに。
先に言っておけばよかったですね。
ごめんなさい。
こういう目立つことだけはしっかりやるのよねあの人。
だから出世する。
あなたも営業三部の方ですよね。
昨日の夕方6時45分…。
私は毎日6時に帰る。
それ以降のことは何も…知りません。
(桐島の声)人は強い関心を抱く話題を前にすると無意識に唇を舌でなめるんですよ。
…なんで!?最近走ってないもんでね体が鈍ってるんですよ。
はあ?ああー!痛っ…!
(三浦泰男)ああ真弓ちゃん人事部が襲われたんだって?そうなの。
私犯人と同じエレベーターに乗ってたのよ。
はぁそれはめったにない経験だね。
あんたねやらないんならどきなさいよ。
そこはね佐野さんの定位置なんだから。
(佐野匡)あいやいやいや…。
すいません。
すいません…。
大丈夫ですか?あ…大丈夫です。
おっとっとっと…。
大丈夫です大丈夫です。
どうぞ。
じゃお言葉に甘えて。
あの…定位置ってあの人決まったマシンがあるんですか?同じ時間帯に顔を合わせる者同士なんとなくね。
ああ…。

(店員)お待たせしました。
首切り課長?矢吹洋子。
彼女は人員削減の命令を受けて2年前に営業部に来たの。
人が嫌がる仕事をやりますとでも言わないとうちの会社で女で営業の管理職なんかなれない。
そうまでして出世したいなんて結婚もせずに仕事一筋の女はもう必死よね。
さっきいたあの2人も半年前にリストラされた犠牲者よ。
同じ営業部にいた人たちなの。
それで毎日あのジムへ。
首切り課長の次のターゲットは北山か…福井係長のどっちかだったのよね。
福井係長…?私ね北山を殺したのは福井係長なんじゃないかって思うのよね。
(御子柴)北山晴紀の銀行口座にはおととしから7回にわたって50万ずつの振込入金がありました。
一番最近のは先週です。
振込人は…。
彼の周囲でこのような名前の人物はいません。
偽名となると誰かをゆすってたかあるいは金になる副業をしてたか。
はい。
(六条舞)あっごめんなさい。
おう。
あの会社の防犯カメラの映像を調べて事件当日緑色の服を着ていた人物をピックアップしてきた。
あの男…。
福井係長ですね。
(御子柴)緑のベスト…。
私の服を調べる!?捜査にご協力ください。
お断りします。
北山の事件なんて私には関係ない!おい小嶌!確認取れたか?まだです。
先方とつながりません。
(福井)なんだよおい。
課長!これを…。
あっ…係長!
(福井)はい。
ファクスでなんて…。
(福井)たった3000万!?何があったんですか?長年のお得意さんをライバル会社に取られちゃったみたい。
あらら。
向こうのほうがうちより安い卸値提示したみたい。
最近こんなことばっかりよ。
余計なことをしゃべるな!どうぞ。
営業の方っていうのは非常階段の踊り場で吸うんじゃないんですか。
あれはミラーリングっていうんですって。
相手が気づかないように鏡のように相手のしぐさや姿勢を真似する。
そうすると相手は無意識のうちに警戒心を緩めて心理的接近がしやすくなる。
営業のお仕事は長いんですか?入社以来ずっとだよ。
大変なお仕事ですよねぇ。
ストレスもたまるでしょう?ストレスだらけだよ。
客は勝手な要求ばかり言うし会社は無理なノルマを押しつけてくる。
それでも昔はよかった。
頑張れば給料は上がった。
やりがいがあった。
今はやりがいがないんですか?会社のために頑張ってきた先輩たちが次々とリストラされ残ったのは使えない若造だけ。
営業のイロハも知らない女が課長になる。
こんな時代が来るとはなぁ…。
(福井のため息)
(ため息)あんた俺に何か用事があるんだろ?いや助かりましたよ。
いえ。
皆さんの捜査の手助けをするのが我々支援班の仕事ですから。
ところでお昼どうしますか?私は本部に戻ります。
あ…。
じゃあ私は食事をしてから戻ります。
付き合ってあげればいいのに。
いや職場以外まで一緒にいたくないの。
そのひざ掛け手編みですか?ええ。
お正月休みの間に自分で編んだの。
上手ですね。
調べたいことがあるので貸していただけますか?調べるって北山君の事件で?私疑われてるの?いいえ。
あなたのアリバイは成立しています。
でもすべて隈なく調べるのが私たちの仕事なんです。
ご協力お願いします。
わかりました。
お食事終わってからでいいですよ。
いっつもここでお弁当ですか?営業部の課長になったらランチを付き合ってくれる人がいなくなった。
みんな仕事以外の時間まで私とは一緒にいたくないんでしょ。
それにゆっくり食べてもいられないしね。
営業は常に時間に追われている。
前の部署の時はマイペースでも許されたけど今は時計ばっかり見てる。
営業部の前はどちらにいらしたんですか?商品開発部。
住宅資材用のガラスの開発をやってた。
断熱ガラスとか防犯ガラスとか結構実績上げてきたのよ。
それなのにこの歳になって急に営業部に異動なんて。
辞令聞いた時はショックだったわ。
異動の時期とリストラが重なって首切り課長なんてあだ名つけられて。
もしかして気にしてます?えっ…?これ。
私も最近よくやるんですよねぇ。
眉間のシワがつい気になっちゃって。
嫌よねここにくっきり縦ジワが入るのって。
一日中しかめっ面してるんだなぁって思い知らされる。
本当はさ仕事でトラブルが生じても大丈夫よって笑顔で部下たちに言えるような上司になりたいんだけどそんな余裕は全然なくて。
私も余裕全然ない。
そうなの?颯爽と仕事しているように見えるけど。
見栄っ張りなんです。
同僚たちにはジタバタもがいてる自分を見せたくない。
その緊張感がついここに出ちゃう。
(凛子と洋子の笑い声)なんのことですか?おたくの営業部はこのところ何度も取引先をライバル会社に取られたり競争入札で負けてるそうですね。
(小嶌)紙パックやペットボトルに押されてガラス瓶業界全体が不振ですから客の取り合いは激しくなる一方です。
調べてみました。
北山さんの口座に振り込みがあった時期とそちらの営業部が顧客を失った時期がすべてシンクロしているんですよね。
北山さんは自社の情報をライバル会社に流しその見返りに報酬を得ていた。
あなたが北山さんと揉めていたのはこの件だったんじゃありませんか?そうです。
北山が朝一番に会社に来て人のデスクやパソコンを調べているのを見たので…。
俺がやっているという証拠でもあるんですか?
(小嶌)お前どういうつもりだ!
(洋子)北山君が…?必ず証拠を見つけてあいつに責任を取らせます。
私が本人に聞く。
事実関係がわかるまでこのことは誰にも言わないでください。
(小嶌の声)課長に任せることにしました。
他社に情報が流れているのではないかと最初に疑いを持ったのも課長ですし。
失礼します。
(御子柴)失礼します。
情報漏えいについて彼と直接話は出来たんですか?いいえその機会はありませんでした。
私がこの会議室で商品デザイナーと打ち合わせをしている間に彼は亡くなってしまったんです。
(諫早賢三郎)えいっ…よいしょ。
うっ…くっ…。
お義父さん大丈夫ですか?ここのところ運動不足でな体がなまって…重い。
ハハハ…そんなお義父さんのためにこちら用意してみました。
うん?白いアレイです。
こうやって白く塗ると黒いものよりも軽く見えるんですよね。
なるほど。
色のイメージによる心理的錯覚か。
明るい色は膨張して見えますからね実際の重量よりも軽い印象を受けるっていうやつです。
うんうんどれどれ。
あっ…!ああ…おぉほんとだ。
軽く感じる。
ただしそれ…ペンキ塗りたてです。
えっ…。
あっ!ああっ!孝作!お手手こんなになっちゃったぞ!彼女にはアリバイがあるんじゃなかったんですか?
(倉元)「北山さんが殺害された午後6時から8時まであなたはデザイナーと打ち合わせをしていた」「そのデザイナーに確認したところあなたは途中で席を外していますよね?」「コーヒーのお代わりを淹れに給湯室に行きました」あなたが会議室を出たのが6時40分。
それから10分ほどして戻ってきたとデザイナーは証言してますが。
(倉元)情報漏えいの疑惑について北山さんを問いただし言い争いになった。
違います。
私が会議室を出たのは6時20分です。
コーヒーを淹れて5分で戻りました。
時計で確認してますから間違いありません。
時計を見て時間を確認したわけじゃないんですか?
(三宅秀美)だって確認のしようがないわよ。
私腕時計してないし。
あの日はここに携帯を置き忘れていったから。
じゃあなんで矢吹課長が会議室を出たのが6時40分だってわかるんですか?うーん厳密にその時間を言ったわけじゃないわ。
6時に会議室に入って40分ぐらい経って彼女は席を外した。
そう言ったのよ。
6時20分だった可能性もあるんですね?ああそれはない。
時計見なくたってだいたいの時間はわかるわ。
いくらなんだって20分ってことはなかった。
30〜40分は経っていた。
彼女が戻ってくるまで10分以上待たされたわ。
(咳払い)何?なんでもありません。
デザイナーと矢吹洋子さんの関係も調べた。
仕事上の付き合いだけで故意に彼女を陥れるような証言をする理由は見つからなかった。
矢吹さんは営業部になって常に時間を気にして時計ばっかり見てるって言ってました。
6時20分っていう彼女の主張は嘘ではないと思います。
「類は友を呼ぶ」ということわざがあります。
ある社会心理学者の実験によると人の好感度というのは互いの性格や環境など共通点が多ければ多いほど高くなるものなんだそうです。
(ため息)ほらよく初対面の人間なのに同じ県の出身だってわかっただけで「おぉ〜」って仲良くなる瞬間ってあるでしょ。
友達いないんで。
あるある。
昔からの友達みたいな気分になったりする。
それそれそれそれ。
あなたもそういう感覚を味わってるんじゃありませんか?
(桜井)失礼します。
福井係長のベストは被害者の爪の繊維とは一致しませんでした。
矢吹洋子のひざ掛けとは一致したよ。
同じ毛糸だ。
間違いない。

(凛子の声)桐島さんって嫌な人。
人の心を見透かして…。
私は矢吹さんに自分との共通点を感じてる。
そのせいで感情移入しすぎてるって。
なんか胸につっかえてるものでもあるのか?話して少しは気晴らしになるようなら聞く。
話したくなければ無理して話さなくていい。
支援班への異動が決まった時内心ショックでした。
私はずーっと鑑識でやっていくものだと思ってたから。
どうして今さら新しい部署に行かなきゃならないのか正直不満でした。
それでも与えられた職務には全力を尽くしてきたつもりです。
大丈夫。
私はここでもやっていける…。
そう思ってたけど…。
やっぱり私には捜査官の資格がない。
捜査官の資格ってなんだ?
(凛子の声)所轄の生活安全課にいた頃万引きした少年を捕まえたことがあるんです。
初犯で出来心だって言ってた。
絶対にしません!ごめんなさい!信じてください!本当に本当にもう二度としませんから!お願いします!ごめんなさい!
(凛子の声)私はその子の言葉を信じて逮捕はせずに親を呼んで厳重注意で済ませた。
ところが3か月後一人暮らしの老人宅で強盗傷害事件が起きたんです。
(凛子の声)犯人は…。
(凛子の声)その後の調べで少年は窃盗の常習犯だっていうことが判明した。
親として私の前に現れた人物も偽者。
あの子の涙にだまされた。
君は昔から相手に同情したり感情移入しすぎるところがあるって思ってたがそんな経験があったとは。
あなたと知り合った頃はもう鑑識にいたから。
私は相手の嘘が見抜けない。
だから鑑識に行ったんです。
物は嘘をつかないから。
確かに俺は常に疑う習性がしみついてる。
でも桐島さんは信じることも疑うこともしない。
ただ相手を観察する。
各自がやり方を貫くことで見えてくる真実もある。
だから凛子が相手を信じたければ信じればいい。
こうでなきゃいけないっていう方程式はこのチームにはない。
俺たちは「いわしの中のなまず」だからな。
(御子柴)矢吹洋子が打ち合わせをしていたのはこの会議室です。

(吉村)あなたのひざ掛けの毛糸が北山さんの爪に入っていた。
これはもう動かぬ証拠でしょう!そんなこと言われても私じゃない…!
(吉村)いい加減にしろよ!
(倉元)でかい声を出すな。
出てろ。
どうも。
すぐ戻ってきますのでそれまでこちらの部屋でお待ちください。

(ため息)なんなんだろあの人…。
(ノック)はい。
お待たせしました。
さてここで問題です。
私はあなたを何分待たせたでしょうか?10分ぐらいですか?ブブー。
正解は4分30秒でした。
えっ!?それだけしか経ってないんですか?この部屋って全体的に赤いですよね。
ええ。
人は赤い光や赤い空間の中に身を置くと他の色の空間にいる時よりも時間を長く感じるんです。
ほら飲食店の内装やインテリアって赤系が多いでしょ?あれもそのためなんですね。
実際よりも長く滞在したと錯覚させてお客の回転率を上げてるわけです。
錯覚…。
あのデザイナーさんはこの会議室に入って30〜40分経っていたと感じていました。
でもその感覚はこの部屋の色の影響を受けていたと思われます。
実際にはそれよりも短い時間で矢吹さんは席を立った。
「すぐ戻ります」という言葉も心理的な影響を与えてますね。
すぐ戻るって言ったのに!デザイナーは10分以上待たされたと感じたけれど実際は矢吹さんの言うように5分だった。
まあ正確に5分だったかどうかまでは立証出来ませんが2人の証言の食い違いの原因はこの部屋の色だったんです。
彼女は嘘をついていない。
そうです。
あなたが信じてるとおり矢吹さんはホンボシじゃありません。
彼女鏡見てましたから。
鏡…?それどういう意味ですか?人は誰しも頭の中に理想の自分が住んでいます。
こうありたいこうあるべきだという姿です。
ところが鏡は現実の姿しか映してくれません。
さあここでまた問題です。
鏡に理想の自分とは程遠い自分が映ってしまいました。
その時あなたならどうしますか?A鏡から目をそむける。
B理想の姿になれるよう頑張る。
B。
ブブー。
正解はAでもBでもありません。
ありのままの自分を受け入れる。
自分は完璧ではない。
その現実を受け入れる。
自分には出来ないことがある。
それを認める。
でもそんな自分だからこそ出来ることもある。
私だからこそ…出来ること。
梶さん!梶さん…梶さん!あはいはい。
例の毛糸もう一度調べたいの。
(梶原)なんで?物は嘘をつかないから。
私は物から真相を見つけ出す。
犯人の遺留品の毛糸と矢吹洋子さんのひざ掛けの毛糸は素材も色素も同一ですが1つだけ違う点がありました。
毛糸を製造する際同一の色素で同じ工程で着色してもロットごとに色の濃度に微妙な違いが生じます。
その違いは特別な分析機でなければわからないものなので専門機関に頼んで調べてもらいました。
遺留品の毛糸とひざ掛けの毛糸は濃度が違いました。
つまり同じ商品であってもロットが違う。
製造された日時が違うんです。
北山と接触したのは矢吹洋子ではなかった。
矢吹さんはシロです。
彼女とは別の時期に購入した毛糸で編んだものを犯人は着用していた。
手芸店には購入者リストの提出を要請してあります。
凛子さんリスト届きました!御子柴購入者のリストから北山晴紀…。
なるほど。
ホンボシがわかりました。
私の思ってたとおりの人物です。
佐野さんちょっといいですか?お待たせしてすいませんでした。
あなたにここで待ってもらうように真弓さんに頼んだのは私です。
桐島といいます。
友枝です。
警察が私になんの用ですか?あなたこのところ定位置のマシンを使ってないそうですね。
あの時もすぐに移動してましたもんね?定位置のマシンの前には鏡があります。
今のあなたは鏡を見るとなんだか落ち着かない気分になるんじゃないんですか?鏡の中には事件の目撃者がいますからね。
目撃者?ハハ…なんの話ですか?彩京硝子のビルは文字どおりガラス張りです。
非常階段の踊り場に立つと目の前のガラスが鏡になってそこに立つ者の姿が映ります。
北山さんを転落させた犯人は鏡に映った自分の姿を見てしまったんです。
つまり自分自身が自分の犯行の目撃者になったわけです。
人は鏡の前に立つと正しい自分美しい自分でありたいという潜在意識が働くんですよ。
コンビニに鏡が多いのはまさにその潜在意識に訴えかけて万引きを防止するためなんですね。
犯人はあの日以来鏡に映る自分の目を見ると良心がかきむしられるように痛んで鏡を直視することが出来なくなってしまったんです。
そうです。
この事件のホンボシはあなたです。
殺害現場の手すりには犯人の着衣の毛糸が残っていました。
カタログ通販でその毛糸を購入した人の中にあなたの奥さんの名前がありました。
奥さんはその毛糸であなたのセーターを編んだ。
事件当日の夜このスポーツジムの防犯カメラには緑色の手編みのセーターを着たあなたが映っていました。
佐野さんあなたが北山さんを転落死させたんですね。

(佐野の声)ジムの帰りにふと職場が懐かしくなってあの非常階段に行きました。
(北山)佐野さん…。
(佐野)今月はサクラ醤油への納品がある月だな。
あそこの佐藤部長は気難しいところがあるからミスのないようにな。
サクラ醤油なんて小口の取引いっそなくなっちゃえばいいんです。
手間かかって面倒なだけだ。
(佐野)お前は何もわかってない!ちょっとやめてくださいよ!俺がどれだけ苦労してあそことの契約を取ったか!毎日通って頭下げて信頼を勝ち取るのにどれだけ大変だったか!やめろよ!お前はなんにもわかってない!
(北山)うわあー!
(佐野)ああ…!
(佐野)37年間私は働いてきました。
給料をもらうため家族を養うため。
それもありますが働く理由はそれだけじゃない。
サクラ醤油への営業が成功した時の喜びは昨日のことのように思い出せます。
あれが私の…誇りだった。
あなたが私の無実を証明してくれたんですってね。
私は私の出来ることをしただけです。
ありがとう。
私やめることにしました。
えっ…!?警察をやめるの?まさか。
そうじゃなくて。
無理をするのをやめることにしました。
私は私のまんまジタバタする自分も隠さずにやっていきます。
私もそうしようかな。
これ以上眉間のシワが深くなるの嫌だもんね。
ここね。
フフフ…。
お得意さん取られた分頑張らなくちゃ。
リストラ指令でも負けてたまるもんですか。
課長!行きますよ!ごめん。
じゃ…。
(洋子)お待たせ。
桐島さん!はい。
お昼行くんですか?ええ。
油小路通においしいラーメン屋さんがあるんですけど一緒にどうですか?ああ…今日はラーメンっていう気分じゃないんですよね。
そうですかわかりました。
イタリアンはどうですか?このチラシを見せるとね800円のランチが500円になるんですよ。
安っ!でも今日までなんです。
私も行っていいですか?もちろん。
じゃここでまたまた問題です。
ピザとパスタどちらがお好きですか?パスタ。
ああ…。
「ああ…」ってなんか問題ありますか?とても言えません。
おしゃべりあるき目です
今日は世界で活躍する日本人アスリートたちの2015/12/02(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
ホンボシ〜心理特捜事件簿[再][字]

ゲスト:水野真紀▼ガラスメーカー社員が転落死!顔見知りの犯行とにらんだ特捜支援班は同僚の調査を開始!そんな中、友枝捜査官(大塚寧々)は女性課長に共感を抱き…!?

詳細情報
◇番組内容
特捜支援班の友枝凛子(大塚寧々)にスポットを当てたストーリー。彼女が抱える悩み、トラウマが明らかに…!ガラスメーカー社員が転落死!顔見知りの犯行とにらんだ特捜支援班は同僚の調査を開始!そんな中、凛子は女性課長(水野真紀)に共感を抱き…!?
◇出演者
船越英一郎、大塚寧々、桐山漣、安田美沙子、菅田俊、佐戸井けん太、古宮基成、白石隼也、石橋蓮司、高嶋政宏
《ゲスト》
 水野真紀、大河内浩、滝藤賢一、山下容莉枝

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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