生字幕放送でお伝えします
華やかな舞い。
きょうの「ひるブラ」は新潟市からです。
江戸時代から料亭が集まり芸者が行き交う花街古町花街です。
新潟はお座敷文化を大切に守り続けている町なんです。
澤部さん、どうですか?この踊り、雰囲気。
かれんですね。
妖艶といいますか。
美しいですよ。
そして踊りだけではありません。
私たちの前には立派な食事。
私たち2人、真っ昼間からお座敷を十分、存分に楽しませていただいております。
まず、この建物を見てもらいましょうか。
見上げるような日本家屋。
木造3階建てですね。
170年の歴史がある料亭で江戸時代は港町として新潟栄えましたから東京や京都と並び称されるほどの花街がこうやって発達していきました。
そして、平成になった今も30人ほどの芸妓
(げいぎ)と呼ばれる芸者の皆さんがこうやって活躍されています。
新潟では芸者さんのことを芸妓さんといいます。
そして花街といえば楽しむお客さんは男性のイメージがありますよね。
でも、新潟の花街を楽しんでいるのは女性の皆さんです。
昼間から女性が楽しんでいるんですね。
というのも、古町花街の料亭では気軽にこういったお座敷を楽しめるランチプランというのが大体、5000円から6000円ぐらいで楽しめてしまうと料理もあって芸妓さんたちもいてこのお値段ということで女性客のほうが今、多いんですって。
女性に人気の秘密が芸妓さんと交流し触れ合えることなんですよ。
集まってくれたいわば花街の女子の皆さんは女性ならではの視点で楽しんでいるんです。
こちらの女性が夢中なのは芸妓さんのおしゃれ術。
気になるところはどこら辺でしょうか?
お化粧も特別ですし髪飾りもとてもかわいいと思いますね。
これ、季節があるんですよね?
今の時季ですと菊の花をかんざしで挿しています。
お花以外ですと夏になりますと柳、うちわあと、金魚など涼しげなものを頭に挿しています。
芸妓さんのお着物でも季節を感じることができるんですね。
そしておしゃれ術だけではなくて、今しゃべり方がいいなと思ったんですけどみやびな花街ことばにも注目されているという方もいます。
一押しのことば、ありますか?好きなことば。
あにさまとかあねさまということばとあと、「なじ」もよくお使いになられますよね。
「なじ」って広い意味でどうですか?って体調とか、お天気とか。
人にすすめるときにも使うことばなんです。
実際どのように使うんですか?
あにさま、お一つなじですか?って。
お酒を、おすすめするときなどそういうふうにおすすめしたりします。
結構、ドキドキ…。
女性として聞いてもすごく、ことばづかいが丁寧できれいですよね。
ちょっとやってみますか。
澤部さん、なじですか?
なじです…ちょっとなんて返せばいいかよく分からないんですけど…。
古町花街は、なじですか?
すてきな場所ですね。
自分の気分も変わってきますよね。
そしてさらに花街女子の皆さんはお座敷で芸妓さんから遊びながら女子力アップの秘けつを学んでおります。
にぎやかですね。
こちらは、酒だるをたたくリズムに合わせてじゃんけんをする新潟のお座敷遊び・樽拳です。
負けたほうがその場で回っております。
たくさん回っていただいていますがここで女子たちが注目しているのは芸妓さんの立ち居ふるまいです。
激しい動きをしていても美しく乱れない…。
こんなにたくさん激しい動きをしても乱れない姿勢がポイントなんですよね。
どのようなところに意識をさせているんでしょうか?
私は、背筋をぴんと張って洋服を着ているときよりも着物を着たときは歩幅を狭く滑るように歩くように気をつけています。
楽しんでるだけではなくてこういった芸妓さんの動きからいろんな女子力を吸収しているんですか?
着物を着る機会なんてあったら必ず、お手本になりますしふだんだとスーツとか仕事のとき歩き方とか、それからちょっとお茶を出すとか書類を渡すなんていうときこういった丁寧なしぐさがお手本になります。
男性のように、ただ鼻の下を伸ばしてるだけじゃないんです。
女性はいろいろ楽しむだけじゃなくてしっかりと払った分だけ吸収しているんですね。
勉強になりましたね。
さらに、澤部さんこうした、お座敷など表舞台もとてもすてきなんですが芸妓さんの舞台裏を見ることができるんです。
ちょっとのぞいてみたくありませんか。
ふだんは見れないんですよね?
そのとおりです。
今の料亭ですとかさまざまな花街とかこの芸妓さんを感じられる町歩きのツアーがあってそこに女子たちは非常に興味を持っているんですね。
庭園も趣があってきれいです。
料亭のすぐ向かい側のスポット。
これまでは見られなかったんですけどそこを公開しているということで行ってみます。
料亭と近いだけあってかなり、密接な関わりがある場所なんです。
こちら、昔使われていました建物の置屋です。
芸妓の生活の場であるとともに料亭などに出る前に身支度をする楽屋でもあったんです。
古町花街が最盛期を迎えた昭和初期に建てられまして今は使われてないんですけども当時の家財道具が今も残されており、今でも芸妓さんの生活を感じることができるんです。
それがこちらのお部屋になります。
階段や建物にも歴史を感じるんですけどもどうですか、このお部屋。
大河ドラマみたいな…。
本当にドラマのような雰囲気ですよね。
一つ一つ本当に細工が施されていてとてもきれいなんですがまず、こちらご覧ください。
これは、合わせ鏡です。
これをどう使うかといいますとこうして、うなじを見るために使うものなんですね。
芸妓の美しさの象徴うなじの白塗りをチェックするために使いました。
細部にも美しさが宿るんですね。
さらに、こちらの箱何か分かりますか?
お化粧道具ですかね。
ばらの細工が施されていますが正解は出張用のトラベルセットなんです。
小さいトランクみたいな形なんですけれども裁縫道具であったり歯ブラシケース。
そして、コンパス。
なんで?どこで使うんですか?
地図と組み合わせることで初めての場所でも迷わず、お座敷に遅刻しないように持ち歩きました。
また、方角をさすということでちょっと縁起を担いで持ってらっしゃったというお話もあります。
こうした華やかな芸妓さんなんですけども芸妓の素顔が感じられるものもありますよ。
こちらのお部屋になります。
こちらがこの置屋で暮らしていた芸妓のひろこさんのお写真です。
お美しいですよね。
当時は、本当に大変、活躍されていた芸妓さんだったそうですが芸妓のひろこさんが使われていた手帳です。
文字がたくさん書いてあるんですけど料亭の名前がぎっしり書かれています。
それほど当時、忙しかったということがうかがえますね。
一日何軒も行くんですね。
めちゃくちゃ行ってるじゃないですか。
大変ご活躍されていたそうです。
また、忙しい合間に新しい歌も覚えようとこうした歌詞カードも書いて、持ち歩きながら勉強していたそうです。
アイドルみたいな面もあるんですね。
ジャンルは違うんですけど共感できる部分もありますね。
そしてこちらが芸妓のひろこさんの娘さんの中川滉子さんです。
おきれいですよね。
お母様、かなりの売れっ子だったそうですね。
うちの母は常に芸妓さんの中でトップ10入りしていたと稼ぎ手のトップ10入りしていたと。
恐らく当時のエリートサラリーマンの方と同じくらいのお給料をいただいていたんではないかなと思います。
稼ぎ頭だったということなんでしょうか。
私も頑張って稼ぎたいと思います。
また芸妓が活躍した花街は政治や経済にも深い関わりがありました。
その舞台となった建物の一つが最近、公開され女性たちの間で話題になっています。
沢田石さん。
はい、私がいるのは茶屋と呼ばれる建物ですね。
趣あるでしょう。
ここは、先ほどの料亭のようなところで食事をしたあとに少人数で会合や商談をするのに大変、重宝されました。
今は公開されているんですけどももう使われていないんですけども男社会をかいま見れるということで今の女性たちがここを楽しんでいるんですね。
こういった小さな扉がたくさんあるんですけれども中の小部屋ではひそひそ話、重要な商談なども行われていたということなんですね。
そして、ここの建物の人気があるのはさまざまなところまで気配りや意匠が凝らされているところなんですね。
ちょっとこの部屋で見てみましょう。
澤部さん、落ち着いたこぢんまりとしたシンプルな和室ですけども普通の人は気付かないようなところにも工夫がされているんです。
違いの分かる澤部さんなら気付きますよね?さあ、どこでしょう。
天井がちょっと低め。
惜しい。
天井をご覧いただきましょう。
これ、木の板板張りに見えますけどよく見るとこれは左官職人さんがしっくいの塗り壁で板が重なっているように見せているんですよ。
板ではないんですね。
こういった遊び心が見えない、おしゃれなんですね。
こういったところを違いの分かる男は楽しんでいるんですね。
澤部さん、がっかりでした。
隣にもう一部屋あるんですけどここはプライベートにもしっかりと配慮していて全部の部屋にトイレが、客室には付いているんですね。
扉を開けるとお手洗いが付いていますのでちょっとお手洗いつきあっていただきます。
生放送中ですよ?沢田石さん!何、トイレって!
ちょっとだけ待ってください。
沢田石さん!
そんなまずいことはしないので終わりましたんで、どうぞ!
本番前にしといてくださいよ。
あれ?沢田石さん?
ということでトイレの後ろに実は扉があるんです。
ここからも、先ほどの通路に出ることができるんですね。
そしてこれはなんだか分かります?
お風呂!
本当、残念ですね。
ここの扉を開けますとまた、これも扉。
ここも、扉。
その奥は扉。
そして、ようやく別の通路にも抜けることができるんですね。
ですから、大切な商談のときに会いたくないお客さんと会うことができずにしっかりと帰ることもできるということなんです。
澤部さん、がっかりでしたね。
違い、分からないんですね。
めちゃくちゃ下げますね澤部を。
分からないです、なかなか。
澤部さん!見えますか?秋元は、今、沢田石さんがいらっしゃる建物の隣の建物にやってきました。
音楽、ちょっと聴こえてきませんか。
芸妓の皆さんが踊りの稽古の真っ最中なんです。
貴重な光景ですよね。
夜はお座敷で活躍するために昼間は歌や踊りの特訓をしています。
こうしたお稽古を日々、積み重ねて夜、お座敷に立つんですね。
ここは江戸時代から続く日本舞踊家元の自宅です。
昔は稽古場が1階だったんですけども芸妓さんが大変、人気で男性の皆さんが一目見ようと集まるので、のぞきが絶えなかったんですよ。
ということでのぞかれないように2階に稽古場を移されたんです。
このような稽古を乗り越えてお座敷に立てるんですね。
そして、こちらの皆さんは全員、実は会社員なんです。
芸妓さんなんですけれども芸妓を育成する株式会社に所属していてですからボーナスや有給休暇もあって芸妓に憧れるだけではなくてみずから芸妓にまでなってしまおうという女性が増えているんですね。
伝統を守り続けるために新しいアイデアを取り入れている。
ですから、こちらの方の中には社員募集をインターネットで見て応募してきて入社したという方もいらっしゃるんですね。
新潟県だけではなくて全国から若い女性が続々と入社しているんです。
こちらが長野県から来た新入社員の、かほりさん。
また、鹿児島県種子島から来た入社2年目の千秋さんです。
千秋さん、お写真見せていただいてもよろしいですか?
何年前の写真ですか?
3年前…修学旅行なので。
2年前までは女子高生でした。
いくつ?
今、19歳です。
大人っぽいですよね。
一人前の芸妓となるべく鍛えられております。
新潟の芸妓生活いかがでしょうか?
新潟は環境がとてもいいので日々、お稽古を楽しんで頑張ってます。
種子島恋しくならないですか?
たまになります。
そんな芸妓の皆さんをご指導するのが7代目家元の市山七十世さん。
ご指導の厳しさは今も昔も変わりませんね。
そうですね。
昔のほうが厳しかったかなと思いますけど。
先ほどから拍子をとりながら教えているんですけどもこの扇子を打ちつけているこの見台という台を見てください。
これ、よく見ると3代使っている見台でリズムをとり続けてもう、ガムテで補強してテープで補強していても斜めに磨り減っているんですね。
ちょっと格好悪いですけどやはり祖母、母と使っているので愛着があって、本当は新しいのに替えればいいんですけどなかなか替えられない。
そして、昔ながらといえばカセットテープを使って指導されているんですけどちょっと使い方見せてもらっていいですか。
本当に間違ったら、すぐに直さないといけないので音をかけてまして「そこ違うよ!」ってぱっと戻してまたそこから始めるというそれが激しいものですから壊れる率が、すごく早い。
ということで、実は横にはストックがラジカセが1つ、2つと置いてあっていついかなるときも稽古はやめてはならぬという準備万端。
なかなかこの機械もないので見つけたらすぐ買っておくんです。
また、芸妓さんにご質問したいと思うんですけど厳しい世界ですが、先輩方の背中を学んで、日々頑張ってらっしゃるんですよね。
毎日、お稽古は厳しいですけど楽しいですか?
やっぱり、先輩方に迷惑かけることもたくさんあるんですけどまだ、これから頑張っていきたいと思います。
七十世さんは厳しくないんですか?
お稽古事はやりたくて来たので厳しいものだと思っているので。
新しい風を吹き込んでいますけども。
新潟じゃない子たちが来てその新潟の雰囲気を身につけていかないといけないのでそれは、普通の新潟の子よりちょっと、倍大変かなとは思いますけども。
それでは、稽古を再開してもらいましょう。
しっかりお客様を見て!2015/12/02(水) 12:20〜12:44
NHK総合1・神戸
ひるブラ「“花街”歩いて女子力アップ!〜新潟市〜」[字]
江戸・明治から続く老舗料亭が並ぶ新潟の古町花街は、いま女子力アップの人気スポット!芸妓さんと楽しむお座敷ランチや当時の置屋も拝見。花街の魅力を再発見します!
詳細情報
番組内容
【ゲスト】秋元才加,【コメンテーター】澤部佑,【司会】沢田石和樹 〜新潟県新潟市から中継〜
出演者
【ゲスト】秋元才加,【コメンテーター】澤部佑,【司会】沢田石和樹
ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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