新・牡丹と薔薇 #03【咲き誇る薔薇園の恋!!】 2015.12.02


(眞澄)突然お邪魔してすみません。
私浅黄萌子の娘で眞澄と申します。
(眞澄)あのう…。
(梅鳳)何しに来た?あっ…。
来春には大学を卒業するのでそれでお会いしたいと思って。
(梅鳳)あいつがお前をここに来させたのかい?いえ。
(梅鳳)大学を卒業する?それが何だ。
私に会ってどうしようってんだい?心安立てにこんなところへ来るもんじゃない。
はあ。
(梅鳳)ここをどこだと思ってるんだい?楽屋は役者にとって役作りをする神聖な場所だ。
素人がのこのこと入ってくるところではない。
いい年をしてそんなことも分からないのか?すいません。
(梅鳳)優しい言葉を掛けてもらえると思ってるんなら大間違いだ。
あの女が何と言ってるか知らんがお前はわしの子ではない!
(梅鳳)どこのどいつとも知れない者が甘えやがって。
二度と会いに来ることはならん!でも…。
でも。
物心付くころからお父さまは偉い俳優だと聞かされて。
それを心の支えに生きてきたんです。
駄目ですか?お父さまと呼んじゃ駄目ですか?迷惑だな。
何が欲しいんだ?たわけたことを言い触らして世間の注意を引こうってのかい?お前みたいなしょんべんくさい小娘にお父さまなんぞと呼ばれる筋合いはないよ!何とち狂ってやんだ。
出てけ!でも…。
とっとと出ていけ!消えてうせろ。
二度と来るな!
(萌子)えっ?そうなの?ずいぶん冷たいあしらいだね。
認知までしてるくせに。
いくら否定したってね今どきはDNAを調べれば分かるのよ。
あいつの髪の毛でもむしり取ってきてやればよかったのに。
お母さんたちってずいぶん希薄な関係だったのね。
(萌子)そりゃあ先方はあのとおりの大御所で私は駆け出しの女優で。
たまたま映画で一緒になって。
(萌子)まあちょっかいかけられただけで。
深く愛し合ったわけじゃないってことね。
(萌子)でもねあんたがあの人の子供だっていうことは間違いないのよ。
ホントに認知してるの?
(萌子)当たり前じゃないの。
戸籍にだってちゃんと寺岡時夫って父親の欄に入ってるじゃない。
寺岡時夫?それってお母さんが付き合ってた別の男じゃ?
(萌子)何をバカなこと言ってんのよ。
それがあの人の本名なの。
芸名と違ってもうホントにそこら中に転がってるようながっかりするような平凡な名前なんだから。
何よりもの証拠はねあんたがあの人に似てるっていうこと。
そっくりだって。
うちのマネジャーだってびっくりしてるのよ。
もういいわよ。
あんた。
こうなったら覚悟を決めて絶対に女優になりなさいね。
押しも押されもせぬ大女優になって見事に父親を見返してやればいいのよ。
そうしたらあの人だって「俺が悪かった。
許してくれ」って。
やめてよ!女優になんかなりません。
なるもんですか!
(一同)イェーイ!
(戸口)眞澄ちゃん。
眞澄ちゃん!
(戸口)どうしちゃったんだよ?はぐれオオカミみたいに一人ですねちゃってよ。
(木村)はぐれオオカミはないっしょ。
美女つかまえてさ。
(戸口)じゃあはぐれ鳥か?どっちにしても独りぼっちはよくねえって。
卒業までは青春謳歌だなんて言ってたのにな。
(さやか)ああ。
もう。
ほっといてあげなさいよ。
眞澄は今ディスコミ中。
(木村)ディスコミュニケーションね。
(暢子)ここんとこ口数が少ないのよ。
心が病んでるっつうのか。
(戸口)さみしいよ。
眞澄来てくれなくっちゃ。
(一同)おっ。
あっ。
(木村)あの連中は何にも分かってないよな?そうだろ?誰とも語りたくない気持ち。
心に秘めたものがあるから寡黙なのに。
(戸口)歌います!・「まっかなおはなの」
(木村)ディスコミだなんて。
俺のレター読んでくれたよね?卒業までに打ち明けとかなきゃ後悔すると思ってさ。
あなたのことなんて何も知らないもん。
知らないからお互い語り合えばいいじゃん。
分かんないもん。
分からないから好きになるってこともある。
違う?
(戸口)・「いいましたタンタンタンタンタンタタン」
(一同)眞澄?眞澄じゃん。
(木村)そうこなくっちゃ。
(さやか)いやに追っ掛け回すわね。
(暢子)ホント。
(戸口)えっ?できてんのか?あいつら。
(暢子)ないない。
(一同)だよね。
もう。
(さやか)眞澄が相手にするわけないじゃない。
・当たり前だわ。
(さやか)バカなこと言わないでよ。
(戸口)俺がバカだった。
俺この店で月間賞取ったんだからね。
(木村)どうしたの?眞澄。
分かんないの?あんたなんか一番嫌いなタイプなんだから。
(木村)あっ!?
(戸口)やるね!ハハハ!だせえ!はい。
・「まっかなおはなのおバカな木村」
(一同)ヘイヘイヘイ。
(戸口)・「いつもみんな…」
(一同)キャッ!わっ!ちょっと。
(さやか)眞澄。
やめて。
ちょっと。
やめてってば。
やっ。
ちょっ…。
眞澄って。
眞澄。
危ないから駄目。
(木村)お母さん!
(さやか)眞澄。
眞澄ってば!
(萌子)眞澄。
ちょっと何なのよ?子供じゃないんだから夜遊びするなとは言わないけど。
もう来ないでよ!ああ…。
来ないで!・
(萌子)男ができたならできたって言いなさいよ。
もう!ああ!それお茶にするんですか?
(男性)いや。
種を採るんです。
種を?薔薇の種を?
(男性)ええ。
この中に種が。

(ドアの開く音)・
(崑一)いやぁ。
びっくりした。
こんなところに迷いこんでらしたとはね。
すみません。
冬のローズガーデンは寂しいからって受付の方がこちらに案内してくださって。
(崑一)ここなら年中薔薇が咲いてますからね。
ホントに奇麗。
(崑一)普通は温室栽培の薔薇っていうと営業用です。
切り花にして卸すんですがうちのは研究用です。
あっ。
(崑一)うん。
私ローズヒップティーにするのかと思っちゃったんです。
(崑一)アハハ。
ティーに使うのはガーデンでいくらでも採れるからね。
ちょっとこっち。
(崑一)新しい品種を作るために交配した薔薇のコードナンバーをここに書いてある。
交配?
(崑一)もっとこういう色の薔薇が欲しいとか花弁の大きさ形耐病性なんかを求めて新種を作りたくなってくるんです。
うちにも熱心な研究員がいましてね。
新種を作るのって簡単なんですか?ええ。
簡単といえば簡単だけどその分世界中の薔薇の愛好家が新種を作りたがってる。
(崑一)うん。
こうしてね自家受精しないように雄しべを取ってしまう。
雌しべだけにしてこれと思う品種の薔薇の雄しべを授粉させる。
交配後4カ月で種が完熟するから種を取り出してすぐ取りまきにするか冷蔵庫に3カ月ぐらい保存しとく。
冷蔵庫にですか?その方が発芽の効率がいいからね。
こっち来て。
(崑一)ここには発芽後半年ぐらいの株がある。
(崑一)種をまいて4カ月弱で最初の花が咲く。
うわぁ。
何だかかれんだわ。
(崑一)でしょう?でもこれで終わりってわけじゃない。
目標に合った花になってるかどうか花形花色花弁の数香り。
6年ぐらいかけてより抜きのものを残して後は挿し木や接ぎ木で増やしていくんです。
大変なんですね。
よく女優さんの名前を付けた薔薇があるんだけど。
オードリー・ヘプバーン。
イングリッド・バーグマン。
マリリン・モンローもプリンセスモナコもエリザベス・テーラーもそう。
数限りなく。
そんなんで世界の薔薇の品種は何千種何万種今も増え続けてるってわけだ。
すごい。
(崑一)これがうちのガーデンで採れたローズヒップティーです。
奇麗な色。
(崑一)どうぞ。
いただきます。
(崑一)どう?甘いわ。
アンズの味みたい。
(崑一)でしょう?美肌効果てきめんだ。
しかしあなたには必要ないかもしれないなぁ。
そんな奇麗な肌をしてるんだから。
ハハハ。
いいえ。
私なんか。
(崑一)今日はよく来てくれましたね。
あれからどうなさってるんだろうって思ってましたよ。
どうってことない毎日でした。
バカみたいな。
(崑一)バカみたいなんてことはない。
あなたみたいに若くて美しければ。
いいえ。
バカなんです私。
(崑一)そうは見えないけど。
ハハハ。
就職は?一応内定は。
でも今はどうでもいいわ。
(崑一)うん?気に入らない?さあ?どうかしら?ホントにいいの私。
こうしてるだけで。
あなたに頂いた薔薇のコサージュドライフラワーにして取ってあります。
うれしいね。
ホントにバカだわ。
どうしてもっと早くあなたに会いに来なかったのかしら。
あなたに会いにどうしてもっと早く。
忘れないでいてくれたんだ。
僕のことを。
忘れるわけないわ。
だのに口惜しいんです。
(崑一)でも来てくれてよかった。
ひょっとしたら芸能界に引っ張られて僕なんかの手の届かない世界に行っちゃったんじゃないかと思ってた。
行きません。
行きません!すみません。
イングリッド・バーグマンは深紅の完璧な形のモダンローズです。
ええ。
(崑一)エリザベス・テーラーはピンクがかった印象的な赤い薔薇。
オードリー・ヘプバーンはかれんなピンクで妖精のようなイメージにぴったりの薔薇。
あなたにはどんな薔薇が似合うかな?私に?今開発中の新種の薔薇は濃いラベンダー色で花弁の少し切り立った四季咲きを狙ってるんです。
ブルーローズ特有のフルーティーな香りも欲しい。
うまくいけばあなたにちなんでマスミと…。
えっ?私の名前を?
(崑一)春になればきっと思いどおりの花を咲かせてくれるはずだ。
そしたらマスミ。
うん。
マスミと。
(崑一)あっ…。
あっ。
ごめん。
いや。
悪かった。
何かつらいことでもあったのかな?大丈夫?ごめんなさい泣き虫で。
でも泣いていたいんです。
こうして泣いていたいの。
お母さん。
ローズヒップティーはねこの実も全部食べなきゃ駄目なのよ。
(萌子)あら。
そう。
うん。
ビタミンCはレモンの20倍っていうけどその半分はこの実の中に。
えーっ。
おまけにビタミンEときたら全部この実の中に入ってるのよ。
だからお母さんみたいに時代劇なんかで厚化粧してお肌ぼろぼろの人は食べなきゃね。
特にビタミンEは美肌効果があるのよ。
せいぜいローズヒップティーを召し上がれ。
そして忘れず実も食べて。
あんたよくしゃべるわね。
そうかしら?何かいいことがあったみたいね?さてと。
行かなきゃ。
今日はゼミの教授から卒論のアドバイスをもらって。
それからさやかたちと漫画祭のコンペに出て。
それからえーっと…。
いってきます!
(崑一)僕からのクリスマスプレゼントだ。
まあ。
いいんですか?
(崑一)開けてごらん。
ああ。
まあすてき。
着けてみて。
すてきだわ。
薔薇のペンダント。
いいね。
それを着けて別の店に行こう。
どこへ?
(崑一)どうぞ。
(従業員たち)いらっしゃいませ。
(崑一)ひとまずここで。
(崑一)どうぞ。
(従業員)いつものシェリーで?
(崑一)ああ。
こちらもね。
(従業員)はい。
(崑一)シェリーはねスペイン産のワインなんだよ。
そうなんですか。
(崑一)うん。
マダムは?
(従業員)いますよ。
(崑一)ああそう。
(崑一)サルー。
乾杯って意味だよ。
あっ。
よくいらっしゃるんですか?こちらのお店。
(崑一)うん…。
うん。
まあね。

(ドアの開く音)・・
(音楽)
(崑一)おっ。
今日は盛り上がってるね。
(世奈子)だってクリスマスですもの。
(崑一)ああ。
こちら西山眞澄さん。
この店のオーナーマダムヨナだ。
初めまして。
お邪魔してます。
(世奈子)ようこそ。
いらっしゃい。
お勤めしていらっしゃるの?いえ。
まだ。
(崑一)あっ。
来春卒業なんだ。
(世奈子)そうなの。
(世奈子)あら。
すてきなペンダント。
あっ。
頂いたんです。
彼から。
(世奈子)そう。
よく似合ってるわ。
とっても。
(崑一)今度眞澄さんに田園調布の方にも来てもらってと思ってる。
(世奈子)ああ。
それは結構だこと。
でもびっくりするわよ。
この人の家に行くと。
ホントですか?
(世奈子)あなたみたいな人がこんな男にほれちゃ駄目ね。
それはどうしてですか?まあ。
ちょっと。
本気でそんなことを聞いてきた人は初めて。
すてきなお店なんですね。
(世奈子)中もご覧になりたいでしょ?ちょっとご案内してあげて。
(従業員)はい。
(世奈子)どうぞ。
(従業員)どうぞこちらへ。

(ドアの開く音)・
(音楽)・
(音楽)
(世奈子)今までのうちじゃ一番ましね。
擦れてないし。
(崑一)アハハ。
だろ?いい子だろ?
(世奈子)本気なの?
(崑一)90%は。
でもあの若さでとても持たないわよ。
あのお化け屋敷じゃね。
そうかな?
(世奈子)うん。
すごい!まるで映画に出てくるみたい。
(崑一)うちのおじいさんが明治時代に建てた家だからね。
もうすっかり古びちゃって。
(平野)旦那さま。
先ほどからロイヤル銀行の方が。
忘れてた。
(崑一)ここでちょっと待ってもらっていいかな?すぐ戻ってくるからね。
こんにちは。
いらっしゃい。
こっちに。
お幾つ?4歳。
そうなの。
4歳。
お名前は何ていうの?
(ぼたん)ぼたん。
えっ?ホントに?ホントにぼたんっていうの?小日向ぼたんでーす。
(平野)駄目ですよ。
ぼたんちゃん。
さあ。
お外で遊びましょう。
あのう。
失礼ですがそのお子さんは?
(平野)ええ。
小日向家のお嬢さんですよ。
あのう。
4歳ってことですが…。
(平野)もうすぐ今月中に。
じゃあ12月の何日ですの?お誕生日は。
(平野)確か12月28日って聞いてますけど。
そうよね?ぼたんちゃん。
12月28日?同じだわ!2015/12/02(水) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #03[字][デ]【咲き誇る薔薇園の恋!!】

昭和57年の夏。高校3年生・眞澄(美山加恋)は不安を胸に抱えながら、産婦人科を訪ねる。眞澄は大学生の彼の子を宿していたが、その彼は交通事故で亡くなってしまい…。

詳細情報
番組内容
 眞澄(美山加恋)は思い切って、実の父・梅鳳(佐藤仁哉)に会いに行く。有名な歌舞伎俳優である梅鳳の楽屋を訪ねた眞澄だが、梅鳳は冷酷な態度で娘を拒絶。それどころか、二度と自分の目の前に現れるなと暴言を吐く。
 実父の予想だにしなかった冷たい態度に深く傷ついた眞澄は、荒れた生活を送るように。萌子(山口いづみ)にも心を閉ざし、夜遊びをしてはトラブルを起こす始末。

番組内容2
 眞澄は救いを求めるように、崑一(岡田浩暉)のバラ園を訪ねる。優しい笑みとともに紳士的な態度で接する崑一に、眞澄は恋心を募らせていく。
 崑一とのクリスマスデートで、彼の行きつけのレストランに出かけた眞澄は、店のマダム・世奈子(田中美奈子)を紹介される。眞澄は世奈子の検問でもするかのような目つきに戸惑うが…。
出演者
小日向ぼたん:黛英里佳 
小日向美輪子:逢沢りな 
牧原世奈子:田中美奈子 
小日向崑一:岡田浩暉 
浅黄萌子:山口いづみ 
西山眞澄:美山加恋/小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ) 
【原作・脚本】
中島丈博 
【演出】
西本淳一 
【音楽】
中川幸太郎 
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック) 
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ) 
大久保直実(ビデオフォーカス) 
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス) 
【制作著作】
ビデオフォーカス 
【制作】
東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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